今日は新国立オペラ・カルメン初日でオペラパレス。
エイミー・ワインハウスのイメージをカルメンに重ねた新演出だと月曜日に知って俄然期待が高まっていたけど、残念なアクシデントはあったものの、それを上回って期待を超えるカルメンだった。
それはなんといってもステファニー・ドゥストラック。大野マエストロが世界的なカルメン歌いだと言ったのは間違いなかった。
彫りの深いマスク、グラマラスでセクシーな肢体、溢れる淫売度、激情ほとばしる演技、美しい低音。すごいカルメン。
幕があいて、舞台装置や警視庁の制服を纏った村上さんやデカ長みたいな妻屋さんに先ず驚いたし。
ワインハウスが歌うライブハウスみたいなシーンやストーリー展開は、まさに新演出で目が離せなかった。
赤いロン毛のフラスキータは全身にタトゥーを入れ、ヒールに短いスカートで、森谷ファンのぼくをドギマギさせた。悩殺された。
オペラグラスで何度も、ホントに真理さんなんだと確認したりして(笑)
ソロで歌う場面が少ないのがちょっと不満だったけど、3幕占いの場面でうっぷんはらすように歌った。新国立に美しく響き渡る声は、さすがやはり。でも今日の森谷さんは芝居で見せたね。
その占いの場面では金子さんも聴かせた。上品な金子さんなのにメルセデスなんかもやるんだなぁ。
妻屋さんは何をやっても味がある。敏明さんは無念だったろうけど迫真の演技で。その黒子の公太さんの歌は冴えて。砂川さんも素晴らしかったし、糸賀さんたちも生き生きしてて良かった。
書いても書いても書ききれないけど、忘れていけないのは大野マエストロの指揮と今日の東フィル。ホントに素晴らしかった。いつも最強の新国立合唱団と東京FM合唱団の子どもたちも。
そしてアレックス・オリエら演出・制作陣。
1875年初演のこのオペラ。代わり映えしない演出で続けていては、やがて観る気がしなくなるんじゃないか。
斬新にリエンジニアした今日のようなカルメンが、ぼくらには必要なんだ。
さて余韻醒めやらないけど、これから夏祭クラシックの練習で川崎だ。