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今日はバッハコレギウムジャパン定演、オリーヴ山のキリスト、でオペラシティ。
その他は、静かな海と楽しい航海、交響曲 第2番のベートーヴェンプログラムでしたが。
ちょっとあまりにすごくって、何をどう書けば良いやら。
この現代では演奏されることの稀なオラトリオは、当時絶賛され80回以上も演奏されたそうです。
序奏に続いて、イエスの苦悩を歌い始めた鈴木准さんがすごいテナーなので先ず驚き。
続いて現れたイエスを慰める天使の中江さんが、これまたすごく。イエスとの重唱でも寒気。金曜日の素晴らしいマーラーの、さらに上をいっていた。
兵士の男声合唱が俄に緊張感を高めたあと、“シェーン博士からタイムスリップしてペテロとなった笑” 加耒さんがすごい迫力で復讐を迫り。
それはダメだというイエス、天使との三重唱でドラマは迫真の展開。イエスの説得にペテロが納得し、終曲へ。
「世界は歌う、感謝と栄光を」と歌う壮大なコーダ。大合唱。これはもう第九のスピリッツではないか。
そして最高潮でのエンディング。
なんというオラトリオ、なんというBCJ、なんというソリストたち。
想像で言うだけだが、稀にしか演奏されなくなったこの傑作オラトリオを、2021年に演奏したのは日本だけではないか。もし演奏されていたとしても、このような素晴らしい内容で聴けた(る)のは、東京と神戸だけに違いない。
偉大な取り組みだ。
前半の、ゲーテの詩に作曲した静かな海と。ベートーヴェンはゲーテに手紙で “この曲は適切だったでしょうか“ と訊いたというが。とても良かった。
あまり聴いたことのなかった第2交響曲も、そのせいもあるだろう、とても新鮮で楽しめた。
そして今日の演奏を創り上げた鈴木マエストロのエネルギー、情熱。無尽蔵に思える。
素晴らしいベートーヴェンプログラム。
すごい日だった。
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