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英国がとるべき選択はEUからの離脱

2016-06-21 12:05:49 | World politics

 英国の欧州連合(EU)残留か離脱かを決める国民投票がいよいよ目前に迫ってきました。労働党のジョー・コックス下院議員が殺害され、選挙キャンペーンは3日間自粛されていましたが、今日報道されたところによれば、調査会社ORBの調査では残留が53%で離脱を7ポイント上回っています。しかし離脱が44%で残留を2ポイント上回っている「YouGov」の調査結果も同時に報道されており、予断を許さない情勢です。
 金曜日に英国がとるべき選択はEUからの離脱だと思います。グローバリズムが先進諸国、とりわけ欧州を危機に陥れていると考えるからです。最大の失敗は通貨の統合です。ユーロの導入が何をもたらすか、予見できなかったのでしょうか。各国は通貨の切り下げという金融政策ができなくなり、経済の実情に応じた産業政策や財政政策が機動的に行えなくなってしまったのです。その結果、国家の主権さえ失いかねない危機に直面しています。
 幸いにも英国はポンドを使い続けていますが、ユーロを使い続けるギリシャが再び行き詰まるのは避けられないでしょう。バブルの時代、日本では貸し手責任という考えが浸透し、金融機関による債権放棄が広範におこなわれました。しかし現在欧州ではIMFでさえそに必要性を唱えはじめている債権放棄、債務縮小を、通貨統合による1人勝ちのドイツが頑なに拒否しています。ドイツがこのような態度をつるかぎり欧州の通貨危機は解決しないでしょう。
 グローバリズムと自由貿易の追求は、賃金を押し下げ、競争を激化し、結果として経済格差を拡大し、国家の主権を脅かしています。もはや終焉すべき時を迎えています。


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