Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

デール・マハリッジ「コロナ禍のアメリカを行く」を読む

2022-01-26 15:28:00 | 読書
デール・マハリッジ「コロナ禍のアメリカを行く」(原書房、2021年、上京恵-訳)を読んだ。
長年貧困、差別などの社会問題について書き、ピュリッツアー賞も受賞した作家だが、2020年半ば西から東へと旅して、コロナ禍で仕事を、住む場所を失った人々の現実を見つめたルポタージュ。
GDP世界1のアメリカは、実は貧困がはびこり、セーフティネットがなく、生き延びることが厳しい国でもある。読むほどにそれが伝わってきて辛くなる。
作家は終わりの方でこう書いている。
何をなすべきかは、とっくの昔にわかっている....アメリカンドリームを構築し直して参加条件を公平にし......貧困に喘ぐ人々を実際にみて、彼らを健全な経済という概念に組み込むこと。

翻ってGDP世界3位の日本はどうなのか。ワーキングプァ、ヤングケアラーと表現される人々がいること。コロナ禍でアルバイトができず喘いでいる学生たち、生理用品を買えない女学生たち、フードバンクにたよっている人々。こうした貧困問題があることを私たちは知っているが、このような問題をなんとかしようという熱意が、政府や政治家や霞ヶ関官僚に十分あるのか? もし十分にないとしたら、私たちはどうすれば、何をすればいいのだろう。









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