義母が97歳で亡くなってから
11月で6年が経とうとしている
88歳で大腿骨骨折をきっかけに
デイサービスに行く日以外は 一日の殆どがベッド生活になった
90歳を過ぎてから 義母の年齢を考えると
縁起でも無いが 万が一の時の事も頭によぎった
慌てる事の一つが遺影写真である
スナップ写真は沢山有るが
写り具合が悪かったり
これだ!という写真が見当たらなかった
そんな事が気になっていた頃
近くの葬祭場でイベントの一環として
「今のうちから遺影写真を撮っておきませんか」という
企画が新聞に載った
ダメもとで「今の時代は元気なうちに遺影写真を撮っているようだけど
行ってみない?」と記事を見せたら
「行く」
早速 電話申し込みをして 二人で出掛けて行った
委託されたカメラ屋さんがセッティングしてあって
本格的な感じだった
義母は指定された椅子に腰掛け
私は少し離れた位置から見守って 撮影開始!
体の角度を付け「ハイ リラックスして~」
「あごをもう少し上げて~ ハイ撮りますよ~」
「いいですね~ 今度はニコッとして~
ハイ いい笑顔ですね~ いいですね~ 」
思っていたより 楽しそうに色々な要求に応えていた
撮り終わり別室にて パソコン画面上で今撮った写真を見せてくれた
沢山撮ってくれた中から一枚選ぶように言われた
どれが良いかなぁと思いながら見ていたら
一緒に見ていた義母が途中で「これがいい」と指さした
まだ全部見ていないのに、、、とビックリしたが
本人が選んだのが一番だと思った
義母は日頃 自分の写った写真を見ては
「ここにヒゲが生えている」と鼻の下のシミを気にしていた
「ヒゲじゃなくて シミが黒く見えるだけだよ」
そんなやりとりをよくしていた
それを思い出し頼んだら その部分を消し修正してもらえることになった
「良かったね」と言ったら嬉しそうだった
そして後日 その写真が届き二人で見ながら「いいね」
今 仏壇には葬儀の際使った写真より
ずっと小さいサイズのものが飾られている
しっかりとこちらを向き 凜とした姿の義母
語りかけると心が通じてる表情に見える
お願い事をしたり ちょっと遠出をする時は「○○に行って来るからね」
勿論 今回のカテーテル検査や治療に行く時も
「力を貸してね」とお願いした