しかし、いざ会場に行ってみると、聖名も俺も驚くほど客の数は多かった。
その中には、かなりのお偉いさんもいるようで、ひと目でSPとわかる人間が多く、許可証がない俺や他の一般のボディーガードはそのスペースから追い出されてしまった。
俺は危険性も考えて、一階のロビーで待つことにした。
そのことを聖名にLINEで送ったが、既読はつかなかった。
気づくまで待つことにしたが`、俺は複雑な気持ちで、エレベーターに一番近いソファに座り込んでいた。
この仕事は、やめた方がいい気がする。
聖名と出会う前から、仕事柄、そう考えることがないではなかったが…
もう、俺は引き返せない。
この一流ホテルの豪華なロビーで見た、長身の美しい聖名に…
仕事とはいえ、聖名を守リ始めたばかりなのに…
これまで知らなかった不思議な感情を抱き始めた…
認めてはいけないのだが。