おはよう、という声は重なった。
ちょうど聖名がこっちを向いてくれたからだ。
「センパイ、悪いけど今朝はグラノーラで許して」
「いいけど、指示があれば、俺作るよ」
「じゃあグラノーラで」
「わかりました」
二人で布団を片付けると、グラノーラに牛乳をかけて食べた。
ヨーグルトもおいしいのだが、聖名はまた無言だ。
やっと、
「センパイ、悪いけど今日、買い出しとかダメ?」
「いいけど、何買うの?」
「食料」
「ああ、ついてくよ」
「いや、そうじゃなくてオレ一人で」
何を言ってるんだ。昨日の夜以来、聖名は変だ。
(結構俺、心霊話聞きたかったのに…)
「聖名、それだと警護ができないだろ?」
「あー、そういえばそうだった。センパイはそのためにここに来たんだった…」