今回私がこのテーマについて書こうと思ったのは、親の仕事の関係上、中学2年生から高校2年生の約4年間をタイで過ごし、その中の約3年間はコロナ禍をタイで経験したことから、旅行や一時帰国をするたびに毎回飛行機を利用していたのですが、コロナが流行し空港に訪れるお客様や旅客便・乗客数が減る中、その中でもタイ航空とJALを取り挙げて比較し、コロナ禍が明けるまで2つの航空会社が新型コロナウイルスへの対策をどのように行い、また航空業界が一時期落ちたものの、再びどのようにして回復まで引っ張ったのかが気になり、自分で考え調べ、まとめたいという風に思い、今回のテーマに致しました。
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2.1(1) コロナ前後のJALの事業変化
まず図1よりJALについてのコロナ以前とコロナ以降を比較すると、機材数は20年3月末に一度急激に増えたものの、コロナの影響で旅客数が減少したため、最終的にコロナ以前と同じくらいに戻っていることが分かります。
路線数の国内線と国際線の部分に注目してみると、国際線は機材数と同じ様に20年3月末に一度増えたものの、最終的にコロナ以前より減ってしまい、国内線を見てみると、コロナ以前と比べて路線数がかなり増えていることが分かります。
このことから、新型コロナウイルスの影響で海外に旅行や仕事に行くのが難しくなり、その代わりに国内間での旅行などが増えたことから、国内線の路線数が増えているのではないかと私は考えました。
そして売上高のところを見ると、国内線の路線数増えたからと言っても、やはりコロナ以前と比較すると、見ての通り、売上高は12年3月末と20年3月末と比べて21年3月末は大幅に減少しているのが分かります。
この売上高の観点から、機材酢や国内線の路線数が多少なりとも増えたからと言って、JALに対する新型コロナウイルスの影響はかなりの膨大な被害をもたらしているのだなととても感じました。
2.1(2) コロナ前後のタイ航空の事業変化
タイのコロナ禍の状況においては、人と距離を取る、一つの机に座れる人数制限、マスクしないと罰金、深夜23時以降の外出禁止など、生活をしていくうえで様々な厳しいルールを強いられていました。
そんな中タイ航空は、タイ王国を代表とする大手企業のひとつであり、スワンナプーム国際空港をハブ空港とするタイ王国の空港で、そのタイ航空が新型コロナウイルスの影響で格安航空会社(LCC)の台頭などで業績不振が続き、2019年12月期まで3年連続で最終赤字を計上し、そしてタイ航空は2020年5月に経営破綻したという風に、私も耳にしました。
このことから、新型コロナウイルスという感染症は、タイで暮らしていく私たちにもタイ航空にも膨大な被害を及ぼしており、JALと比較しても、タイ航空は経営破綻まで追い詰められているため、タイ航空にとって新型コロナウイルスはとても大きな爆弾であったのではないかと考えます。
2.2(1)JALがお客様から求められていること
上記のコロナ前後のJALとタイ航空の事業変化から、一度スタートに戻り、各航空会社がお客様から求められていることを自身でアンケートを収集し、グラフ上にまとめてみました。
<図1>
図1を見てもらうと、今回は13人からデータを収集致しました。
グラフを見てもらう通り、圧倒的にお客様が重視しているのはブランドであり乗り心地だということが分かりました。
二番目、三番目とサービス、料金と続いていますが、やはりJALに対して最も重視されているのはブランド・乗り心地であり、格安航空と比較すると値段が高くなってしまう分、その航空会社のブランドを大切にする方や、乗り心地やサービス内容、客室乗務員の雰囲気や機内の雰囲気、その航空会社の安全性などを重視して選ぶお客様が多いということが、収集したアンケートから知ることが出来ました。
2.2(2)タイ航空がお客様から求められていること
上記でJALがお客様から求められていることについてまとめたため、比較をするためにタイ航空に対するお客様が求めていることもアンケート収集を行いました。
<図2>
今度は13人からデータを収集した図2を見てもらうと、JALの時とは全く違ったデータを収集することが出来たのが一目稜線でした。
タイ王国は、貧富の差が激しい国であるからこそ、飛行機を利用するタイの方々は料金・価格帯に関してはあまり気にしないということから、料金を重視する人はあまりいないという結果を得ることが出来ました。
またその分代わりにタイの方々は高いお金を払い自分の価値を提示するという傾向から、サービス内容や乗り心地を重視する人がとても多く、その二つにデータが集まったという結果になりました。
上記の二つよりJALとタイ航空に対するお客様が求めることに関してアンケートを取った結果、全く違うアンケートを収集することができ、このグラフから日本人の観点とタイの方々の観点の違いをよく知ることが出来ました。
日本人は、いかにリーズナブルでかつサービスも乗り心地も重視するという結果でしたが、タイの方々は、料金は全く気にせずサービスや乗り心地、機内の雰囲気を第一に求めているという、ふたつ正反対なデータを収集することが出来、考え方、感じ方の差を実際に感じることが出来たと考えております。
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まとめとして、どちらの航空会社もコロナ前後を比較すると利用者数が大幅に減少しており、新型コロナウイルスは航空業界に大きな被害をもたらしていたことが改めて知ることができました。
またお客様が各航空会社に対して、その国の人の考え方や観点、価値観によって何を求めているのかが違うという結果がアンケートに反映されていて、各航空会社に対して求めていることが同じではなかったという結果を得ることが出来ました。
これらの結果から各航空会社のコロナ対策を調べたのですが、コロナ禍であっても身近な手指のアルコール消毒やこまめな除菌、マスク着用、ソーシャルディスタンスをとって席に座るなどのできることから行っていき、それに加えて、どのようなサービスをお客様に提供することで、役に立つか、より喜んでもらえるかなど、航空業界の人一人一人がお客様の立場・目線になって第一に思い、考えることで、より充実してもらえる良いサービスやフライトの提供、お客様の評価やリピーターの集客につなげることが出来ているのではないかと考えております。
そして各航空会社の新型コロナウイルス対策だけでなく、私たち一人一人が些細なことでも、簡単にできるウイルス予防、対策に取り組むことでより良い空港・フライトを作り上げることができるのではないかと私は思いました。