Hand osteoarthritis患者に対するステロイド投与の有効性についてはいくつかの相反する結果が示されていましたが、今回プレドニゾロンの効果を検討したRCTであるHand Osteoarthritis Prednisolone Efficacy (HOPE) studyの結果が報告されました。対象は①少なくとも4つ以上のDIP/PIP関節にOA変化(osteoarthritic nodes)を有し、②1つ以上のDIP/PIP関節に腫脹や発赤を示し、③1つ以上のDIP/PIP関節にエコーでpower doppler陽性所見あるいは滑膜肥厚を示し、④VASで30/100 mm以上の疼痛を示す患者で⑤母指CM関節の症状を呈する患者は除外しています。プレドニゾロン水溶液10 mg/dayの6週間内服でVASの-21.5改善(プラセボでは-5.2)を認め、これは年齢性別を調整しても有意でした。その後プレドニゾロンをtaperingしていくと疼痛改善効果は失われました。この結果はある程度severeな炎症所見を示すhand OA患者に対してステロイド投与が有効である可能性を示してますが、投薬を中止すると効果が失われることから、何らかのフォローアップ治療が必要と考えられます(ずっとステロイドを投与するわけにはいかないでしょうから)。
Lancet. 2019 Nov 30;394(10213):1993-2001. doi: 10.1016/S0140-6736(19)32489-4. Epub 2019 Nov 11.
Results of a 6-week treatment with 10 mg prednisolone in patients with hand osteoarthritis (HOPE): a double-blind, randomised, placebo-controlled trial.
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