富岡町の震災日記 「桜里園(オリオン)」

福島県富岡町は原発事故により町民は避難中。一部地域は解除、故郷に戻る町民も。桜の町の復興が叶うまでの日々をお伝えします。

やっと…

2013-12-23 13:17:47 | 東日本大震災・津波・原発事故
実家の両親達の賠償の1回目がやっと合意しました。

実はですね、夫婦なのに住んでいる町村が違う為に
賠償請求が複雑なので、弁護士さんに依頼し
ADRセンターに頼んでいました。
弁護士さんに申し込んだのが震災から半年後の平成23年9月。
1回目の聞き取りは1年後の平成24年10月。
そして平成25年1月に申立。5月に3者協議。
2年越しの合意でした…(疲れました…)
記憶は曖昧だし、領収書は紛失するし、説明されても忘れるし…
仲介人からの質問は、「え~?今更何を質問してるの?」
というような内容の質問だし…
「富岡町の現在の状況は?インフラや病院はどのような状況ですか?」
思わず、「新聞やニュース、見ていないのですか?」って!
聞いたら、被災地を見ている人は、東京電力側代表の社員の方のみでした。
東電側の弁護士さんも、こちら側の弁護士さんも、
ADRセンターの仲介人の方も、原発被災地の現状を見ていない人ばかり…
現状を知らずに、あれこれ言うのもおかしいのでは?
と思ってしまいました。

原発事故当時も現在も、現場では一生懸命頑張っている人達がいます。
そういった事をわかっている上で、あえて、良い機会なので
原発事故の現状を訴えました。
「隣家は屋根にブルーシートがかかって、家財もある程度無事。
でも、実家は、ブルーシートもかけてもらえないほど損傷が激しく、
ベランダは落ちて、サッシも外れて雨ざらし、1階の天井も抜けて、
床は腐ってベコベコ、ネズミの糞が家全体に散らばり、
家財の持ち出しも出来ない状態。
どうして、賠償額が一緒なのか?納得出来るものではない!」と!

東京電力側の社員の方は、一律賠償額の矛盾は理解出来ますとの回答。
こうした訴えの場で個別にお聞きしていますとの事。
家で話しているだけでは愚痴にしかならないし、
相談窓口に電話しても苦情にしかなりませんが…
こうした話し合いの場だったら、避難者の「声」が届くかも…
そう思ってお話させて頂きましたが、
是非、この場だけにせず、会社に持ち帰って報告して頂きたいと
お願いし、会場を後にしました。
少しだけでもいいから、私たちの現状や「声」が届くよう祈って…