大塚 せつ子~白神の風

白神山地から発見された『白神こだま酵母」が、いつか世界中の大空に羽ばたくように、これからも新たな技術の開発を目指します

二束のわらじとムカデの話

2009-06-29 11:05:02 | 徒然に
子供の頃、ムカデの話で大笑いをした記憶があります。



昔々、おじいさんとおばあさんとムカデさんが仲良く暮らしていました。

するとある晩、急におじいさんの具合が悪くなりました。

おばあさんは、おろおろしながらムカデさんに言いました。

「ムカデさんや・・・夜も遅くて申し訳ないが、山を下りてお医者様を

呼んできておくれ」

ムカデさんも、心配そうにおじいさんの様子を見ながら

「わかりました。行ってきます。」

(一刻も早く、お医者さんを連れてこないと・・・・)

ムカデさんはそう思いながら、部屋を出て行きました。


どれだけ時間が経ったことでしょう。

障子の向こうは、うっすら朝陽が見えるようになり、おばあさんは

おじいさんの看病をしながら、ムカデさんのことが心配になりました。

(あんなに夜遅く山を下りて行ったのだから、暗がりで足を滑らせて

がけに落ちたのかもしれない・・・いいや、もしかしたら狼に食べられたの

かも知れない・・・)

そう思うとおばあさんはいても立ってもいられず、部屋を出て玄関に

行くと・・・・

なんと、そこにはやっと汗びっしょりになって、最後のわらじを履き終えた

ムカデさんが出かけるところでした。

「では、おばあさん行ってきます」

ムカデ(百足)さんは百足のわらじを履いて、山を下りていきました。

                         ~終わり~



子供の頃、この話をただの笑い話だと思っていましたが、最近これは

すばらしい教訓の話だったと思うのです。

もともと「二束のわらじを履く」という言葉は



意 味: 同じ人が、両立しないような二つの職業を兼ねること。
読 み: にそくのわらじをはく
解 説: 江戸時代、博打打ちが十手を預かり、捕吏を兼ねたことから

        (ことわざデータバンクより)

なのだそうです。


私もある意味、何足かのわらじ(言い方が違いますが・・・)を履いていますが

最近、そのわらじを履きかえるのに時間がかかるようになりました。

以前なら、何気なく切り替わっていた頭が、しっかりと切り替えようと

しなければ切り替わらないのです。



百足さん・・・・わらじを履くだけで汗びっしょりになる・・・・この話は

もはや、ただの笑い話ではなく、私にとって奥の深い教訓となりました。


夏休みのような青空を見ながら・・・ふと、そんなことを思います。








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