大塚 せつ子~白神の風

白神山地から発見された『白神こだま酵母」が、いつか世界中の大空に羽ばたくように、これからも新たな技術の開発を目指します

サラのレーズンパン

2006-12-09 17:56:16 | 白神こだま酵母の話
国産小麦・ノンオイルオーガニックレーズン・天然塩・白神こだま酵母・活水。

これだけでつくるサラのレーズンパンは、今でも人気です。

私がパンを作り出した頃、どうしても市販のレーズンパンが許せ

ませんでした。

なぜなら、パン生地に入っていたレーズンだけ食べてしまったら、

いったい何のパンだったのかわからなくなるくらい、ただのパン

になってしまうからです。(笑

何とかして、どこを食べてもおいしいレーズンパンを作りたくて、

今のレシピを作り出したのですが、その当時生地の発酵の妨げに

なるから、レーズンは後入れに決まっているのよ・・・・と、

パン作りに詳しい方から良く言われました。

おまけに、油脂も砂糖も使わずに練りこんだレーズンの甘みを

思い切り引き出す作り方は、いうなればある意味「賭け」でも

あるわけです。

まったく同じ様に作っていても、そのときのレーズンのできに

よってそのパンの風味が変わってしまうのですから・・。

冷害の年もありましたし水害の年もあり、その影響をレーズン

はまるで報告しにきたかのように、ちゃんとパンに結果を出す

のでした。

「味が変わったのね」「作り方変えた?」

そのときに、何気なく言われるひとことひとことが本当に怖い

ときもありました。

「だから・・・味をつけたくなるのね・・・。」

まさに、自分の心の中での葛藤の日々でした。

でも、そんな中理解してくださる方々のおかげで、今でもサラの

レーズンパンは人気を保っていられるのだと思います。

毎年、天候に恵まれ「甘くておいしいレーズン」ばかりができるとは

限りません。

それを、どこまで許せるのか・・・安全な食生活を求めていると言い

ながら、自然のもたらした結果を受け入れることができないことも

事実です。



なかなか、難しい問題ですね。



でも、サラではそんなときはレーズンの量を増やしたり練りこみ

と後入れの配合を調整したり、最大限の努力をしています。

そんな苦労の多いレーズンパンですが、このレーズンパンの

おかげで何度も私のピンチを救ってくれたり、たくさんの感動を

もらったことも事実です。



今度、その話をまた書きたいと思います。








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