今日は関東地方は終日の雨。
予定していたゴルフもキャンセル。
虚弱体質なおじさんたちは雨中のプレーは回避する。
こんな日はじっくり読書するに限る。
今、読んでいるのは
「走ることについて語るときに僕の語ること」村上春樹著 文芸春秋刊
村上春樹が書き下ろす、走る小説家としての、そして小説を書くランナーとしてのメモワール。
走る続けることによる肉体と精神の維持が著書自身とその小説にどういう影響を与えて何をもたらしたのか?
著者が小説家であること(言い換えれば物書きであるための状態を維持すること)と走り続けることが密接な関係にあることとかが書かれている。興味ある方はぜひ一読をお勧めする。
実はパリジェンヌさんっていうブログで知り合った素敵な女性に推薦図書を教えてくださいって言われたので
ちょこっと書いてみたんだが・・・
あらためて教えてって言われると、根が真面目な僕は結構考え込む。
周囲からは比較的読書家に見られる僕だが、それは周囲の人間が余りに本を読まないだけだと思う。
少人数で職場の同僚と軽く飲みにいった席上とかで、「たまには本でも読んだら」って部下に言ってはみるものの、「その本なら私も読みました」とか「あの本は面白かったですね」なんて返事は皆無に近い。
30代~40代の世のサラリーマンは仕事や家庭サービスとかが忙しくて案外本を読む余裕がないんだろうか?ちょっと情けなく感じてはいるけど職場ではほとんど本の話なんて出ない。
でも、僕程度に本を読む人間は世の中にはいくらでも居るだろう。
それに読書って個人的な嗜好に左右されるので、興味がない人にはまったく関心のない本になるわけだ。
なんて考えるとおこがましくて私のおすすめ本なんて書けなくなるなぁ・・・
パリジェンヌさん、期待にこたえられなくごめんね。
そういえば自分はなんで読書をする習慣がついたんだろう?
自問してみた。
よ~く、考えたら、それは兄の影響であったのだろうと合点がいった。
兄は早稲田の国文科を出て現在高校の国語の教師をやっている。学生時代に詩なんぞを投稿して、入選してたりしたから、まぁ~いっぱしの文学青年であったのだろう。
僕はそんな兄とは正反対に脳天気なサッカー一筋の体育会系であった。(今は自転車一筋だけど、あっ、たまにゴルフもやるか)
進学も兄とは違い自分は経済人になりたかったので法学部か経済学部しか考えなかった。実際、法学部に進んだ。
(くそ真面目で面白みのない兄に対して反発していたから、兄と同じ方面の趣味や進路は絶対いやだった。)
そういうわけで兄は文学青年。僕はスポーツ少年だった。兄は僕と違い当然のことだが本の所有数も多く、部屋には日本の近代文学を中心にいろんな本が置いてあった。(ちょっとHな本は隠してあった・・・当然僕はその所在もわかっていたが)
そして夏休みとかになると僕は暇つぶしに兄の部屋から勝手に興味の持てそうな本を持ち出して読んでいた。
たしか記憶をたどれば星新一のショート・ショートをわくわくしながらよく読んでたな。それから志賀直哉とか(兄は卒論が志賀直哉だったような)
兄に対してはいろいろ反発していたんだが、こと読書の習慣だけは影響されたということだ。
そんなわけで、学生時代は漱石、芥川、志賀直哉、武者小路実篤等々日本文学の巨人を読んでた。なぜか太宰は読まなかったけど。それから大学では村上春樹とか当時の流行になった作家の本をちょろちょろ読んでたな。この辺までは兄の影響を受けていた。
社会人になってからは、司馬遼太郎
司馬遼にはまるには年齢的にはちょっと遅かった。それというのも兄の部屋に司馬遼が1冊も置いてなかったことが遠因にあるな。兄はきっと司馬史観が好きじゃないのかも知れない。
竜馬がゆく、坂の上の雲、飛ぶが如くetc・・・明治以降の歴史は司馬遼太郎から学んだって言っても過言ではない。
きっと戦後教育を受けた我々の多くの人がそう感じているんだろう。
それから社会人になって一時期(8年間)一時間以上の電車通勤を余儀なくされたが、この時期は逆を言えば毎朝が絶好の読書タイムだった時代。毎日一定の時間を読書に取れるので、読み終えるのが大変な量の吉川英治の三国志や宮本武蔵といった長編の時代小説も読むことができた。
時代小説といえば池波正太郎の鬼平犯科帳は、絶対にはずせない。それに池波正太郎の「男の作法」は僕のマナーのお手本になっている。
今はさほどでもないけど一時期はハードボイルドやミステリー小説にはまりこんだ。
マルタの鷹のハメットやチャンドラーも読んだけど、このころは肩の凝らない大沢在昌の新宿鮫シリーズや不夜城の馳星周なんか読んでた。話のプロットが抜群の東野圭吾はかたっぱしから読んだし、それから宮部みゆきとかetc・・・
それから、小説の合間に評伝をよく読んでいる。
敬愛する白州次郎の評伝は結構読んだな。
なんつったって北康利の「白州次郎 占領を背負った男」が群を抜いて面白かった。
最近では大学の偉大な先輩であり偉大なラガーマンであった「宿澤広朗 運を支配した男」もよかったな。
それから忘れちゃいけないジャンルがスポーツ関係の本。
といっても自転車本とゴルフ本だけど、このへんになるとちょっとマニアックになってくるので、また今度気が向いたときでも書いてみようと思う。