それは鉄のように固く閉ざす
ものではなく、また、ガラス
のように冷たい感じのバリゲ
ートでもない。
世界からも自分は見え、自分
からも世界は見える。個体と
液体の中間のような感触。
無色透明だけれど、確かに
存在する膜を身にまとって
いる。
青春の、いいようにない
憂鬱や理屈ぬきの清潔
やわけのわからない孤独
などが「寒天質」を形
づくっているのだろう。
「よく聞けば」
法廷で女の証人が呼び
出された。
判事「何才ですか?」
女の証人「21才と数か月・・・・・」
判事「はっきり言ってください。
宣言してるんですから」
女の証人「21才と百二十カ月」
傍聴席「ざわざわ!?!?!?」