また一日、過ぎていく。
あなたの優しさが、わからなくな
る時がある。女はたぶん、欲が深く、
いつでもときめきに囲まれていたい
と贅沢に思う。
外は、本当に静かな、しめやかな
雨が降っていた。
あなたの淹れたコーヒーをいつく
しむように、てのひらで、ぬくもり
が逃げないよう飲んだ。
「本当に、降っているんだか降って
いないんだかわからないような、
静かな雨ね。でも、雨の気配は確実
にあって」
私は、つぶやくように言った。その
あとに、まるであなたの優しさのよ
うにと、心の中でくり返した。
・・・これ以上、愛をゆだねるなん
て、贅沢な私・・・
それからふたりは窓辺に立ち、さや
さや揺れる木々の音を聞き、
深い夜に目をこらさないと見えない
ほどの、細い、細い、糸のような雨を
見た。
『恋心のはざまに ほんの少し揺れる
ような隙間がある
それは 過ぎていく季節のせいかもし
れないし
心の 自然現象なのかもしれない
柔らかな 愛に囲まれていても 柔らか
すぎるから
無感動になったりするのかもしれな
かった
小さな その日を 大切にして
一日一日は 確実にやってくるのだし
空気や 風や 天気が 反乱を起こし
ても
やがて 穏やかな日が 繰り返しある
小さな幸福 劇的でなくても ささや
かに 確実に
自分から 反乱を起こしては たぶん
みじめだろう
メランコリーは 一種贅沢な 心の傾斜だ
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