だからこそ、親は悩む。
こんな子に育ってほしい。
いや、元気であれば、そ
れでいい。
とにかく、生まれてきて
くれて、ありがとう。
あふれる思いを胸に、
紙に向う。
お腹の生命に語りかけなが
ら、ペンを動かす。
何度も書いて。何度も
考えて。また、書く。
そうやって、大切につけ
られた名前。
それは、親が子供に送る、
「一通の手紙」なのだと
思うのです。
子供たちは、人生という
時間をかけて、ゆっくり
読んでくれるはずです。
その「手紙」を書いた日
の、両親の思いを。
一生のうちで、自分の名
前ほど目にする文字は、
他にない、
そう、こんなに繰り返し
読まれる手紙は、他に
ないのです。