4月2日、このところの私にしては珍しく、朝起きてすぐに新聞を取りに出た。
出展:「万葉集」巻五、梅花の歌三十二首并て序
引用文:初春令月 気淑風和 梅披鏡前之粉 欄薫珮後之香
書き下ろし文:初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよく)く風和(かぜやわらぎ)ぎ、梅(うめ)は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、欄(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす
現代語訳:時あたかも新春の好き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉ごとく白く咲き、欄は身を飾った香の如きかおりをただよわせている
(中西進著『万葉集 全訳注原文付(一)から』)
「平成31年4月2日 産経新聞朝刊から」