Archaic Smile

私的な備忘録です。

二つの格差(英国のEU離脱とトランプ大統領?!)

2016-06-27 06:33:32 | 時事ネタ

イギリスのEU離脱の国民投票の結果が出た。

先週6/24(金)の昼には結果が出るとのことで、同日の日本の朝のニュースでは、ブックメーカーのオッズが残留が1倍台に対して離脱は数倍、おまけに前日はニューヨークダウは残留が優勢との予想から安心感で上昇すらしていた。市場や報道では、まさかこんな結果になろうとはとの衝撃的な反応及び結果になった。

まさに、マーケットでは想定外の反応で、6/24(金)日経平均は一日で千三百円近くの下げ、続くニューヨークも600ドルの大暴落となり、安全な通貨として円が買われ、瞬間で1ドル99円をつけるなど、もちろん金は暴騰、世界中のマーケットが今後の正確な情勢判断もできないままに混乱した状態て週末を終えた。EUを支えるイギリスという大きな柱が抜けるのであるから、これから起こる混乱は生易しいものにはならないのだろう。

個人的には、小遣い程度のなけなしの株は、たまたまぜんぶ、現金にしておいて正解だった。6月に入って中国も日本領海に軍艦が侵入してきたり、南シナ海の問題も国際法を無視する状況であるし、さすがに経済の雲行きもあやしい。また中国に投資しまくっているドイツ等ヨーロッパも中国がひっくりかえれば同様にあぶない。アメリカも次期大統領選でトランプ氏がまさかの共和党の代表者になってしまった。なにはともあれ、チャイナショックやユーロショックやアメリカを中心とした安全保障や体制変更のリスク、世界をゆるがすような時限爆弾が未来のスケジュールにセットされているなかで、リスク回避でいったんキャッシュにしておいて、たまたま今回の暴落からは免れた。

それはさておき、今回の問題の根底には、二つの格差の問題があるように思う。

「国家の枠組みの中で広がる格差」と「既に昔からあった国家を越えた枠組みでの貧富の格差」の問題が、お人好しな平和主義やグローバリズムによって、ごっちゃまぜに認識されていることが、そもそもの問題で、状況をより複雑に見せているように思う。

 愚かな大衆が耳障りのよいポピュリズムに飛びつき、結果的に破滅的な厄災を引き寄せてしまう。これを民主主義の限界とか失敗と結論づけて納得してしまってよいのだろうか?

このよう状況を作り出す社会構造は、世界の1%が世界の富の半分を保有すると言われる状況(貧富の差の拡大、圧倒的貧しい人の割合が加速度的に増える)がある一方で、民主的な国家の枠組みの中では、お金持の一票も貧しい人の一票も差がないわけで、貧しい人の割合が増えれば増えるほど、その環境や境遇にもとづく直情的な発想や圧倒的な情報不足(無関心)のなかで、少ない選択肢の中からささやかな意思表明を行い、それが国の政策に反映される。国家の意思決定は必ずしも、社会に対する影響力の大きい富裕層や一部のインテリ層の希望が反映されるわけでもない。有権者の最大多数の求めるもの(だから敵対国は大衆を煽動しやすいマスコミを狙い撃ちにする)が結果に反映されているだけなのだろう。もちろん選んだものが、結果的に求める幸せとかけ離れた破滅的なものになることもある。現状に不満があれば、現状を変えたいという動機で、あえて体制を壊すような選択をしてしまうのだろう。

一方で、国家の枠組みの外では、一票の権利もない貧富の格差は当たり前の貧しい国々が世界の大半を占める。

きっと富裕層であれば、なんで経済的な混乱を生じるような体制変更を伴う決断を多くの有権者がするのか理解に苦しむとなるのだろう。イギリスの半分の有権者が現状に満足していないことは間違いない。

でも、いろいろなきれいごとや中東に対する贖罪や博愛主義の名を借りた非同盟国のメディア戦略によって、移民を入れて中間層の賃金を下げさせ、福祉を食いつぶさせる状況を黙認している張本人は、当の左派の為政者であったりする。だから混乱が止まらないし、体制変更を求める状況(右派の台頭)につながっていく。

二つの格差による各々の問題点を的確に把握して、各々に対する答えをもって社会を変革していかないと世界全体が共倒れになる。

自民党が企業の内部留保を労働者の賃金に回すように働きかけている、一方左派とよばれる人やメディアは本来の役割を忘れて、非同盟国の諸外国の利益を第一に政策を訴える。格差を埋める公共性や左側が本来尊ぶべき話がゆがめられて機能不全に陥っている。まず国家に属する主権者である国民間の貧富の差をゆるやかにして、ばらまきではなくて各自が主体的にやる気が出る状況に、社会を変えていかなければいけない。

右派とよばれている為政者が上記問題を認識せず、人々を耳障りのよいポピュリズムに満足させてしまう状況が、後先を考えない体制変更という名のリセット(破壊)を世界にもたらし、結局だれも喜ばない歴史を招いてしまうのだろう。できたら、そうならないようにお願いしたい。

 

 

既得権益者の没落と反発、貧富の差、移民による格差の促進、グローバリズムの限界(廉価な労働者)、ナショナリズムと孤立主義、グローバルとブロック経済、民主主義の限界?、大衆迎合的な変化は単なる破壊、計画性のない改革はたんなる破壊、民主党政権時代?トラストミー?大衆迎合的な体制の意味するところ、小さな毒なら免疫ができるが、大きな毒なら死んでしまう。

 

 

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