コロナ・パンデミックで最も深刻な影響を受けている音楽シーン。
音楽シーンでは、この1年半、ライブ活動やプロモーション活動がかなり制限されていて、本当に苦しい状況が続いています。ライブ活動を再開させているバンドもいっぱいいますが、お客さんの収容人数は半分くらいに抑えなきゃいけなくて、(想像するに)儲けはほとんど出ていないのでは?、と思われます。
これがもし90年代とかで、CDやDVDが飛ぶように売れるような時代なら、また状況は違ったかもしれません。が、今の時代では、いわゆる音楽媒体(モノ)が消えてなくなり、データでのやり取り(サブスク)がメインになってしまいました。1枚3000円で売っていたアルバムも、今はばら売り?切り売り?になっているとか…?!
この1年半で、どれだけのバンドが散っていったことでしょう。1年半前の時点である程度売れているバンドはなんとかやれるにしても、その時点で売れていなかったバンドのいったいどれだけのバンドが残っていることでしょう…😢
ただ、その一方で、動画技術を駆使した「生配信ライブ」のチケットが売られるようになりました。色んなバンドやアーチストがオンラインでの有料ライブ動画を配信するようになりました。この有料配信動画がどれだけの収入をアーチストにもたらしているのかは分かりませんが、ライブに代わるオルタナティブとして多くのバンドがこれに挑戦しています。
…
そんな中でも、逆境に負けず、10周年を超えてもなお、ますますパワフルにエネルギッシュに活動を展開しているとってもカッコいいモンスターガールズバンドがいるんです!!
今、僕がこの日本で、いやこの世界で最も売れてほしいカッコいいバンドなんです。
そのバンドの名は、
Gacharic Spin
ガチャリック・スピン
であります!(略してガチャピン!)
このバンドは、ちょっとこれまで見てきたガールズバンドとは何かが圧倒的に違うんです。いや、すべてが違うんです。ガールズバンドという括りだけでなく、日本のロックバンドとしてもかなり輝きの華やかなバンドなんです。大げさに言えば、日本のロックシーンのすべてを塗りかえる力のあるモンスターバンド(個人的には、ドラム→ギター&ボーカルのはなとベースのKOGAの(元リズム隊)コンビは最強にして最狂!)。
そんなガチャリック・スピンがコロナ禍下の2021年9月に、とんでもない5thアルバムをリリースしたんです。しかも、初のセルフプロデュース作品であり、更にバンド名をアルバム名にした「Gacharic Spin」!!
>Gacharic Spinの新アルバム【Gacharic Spin】の詳しい情報はこちらを参照!
まず、今回の新作の看板曲【MindSet】を最後の最後まで聴いてみてください!
ふざけんな!
本当はベロベロバー
腹黒い?
心はWonder la. la. Land
むっちゃ、熱くて、カッコよくて、キャッチーで、バイオレントで、はちゃめちゃじゃないですか?!
もともとこのバンドは大好きでCDも都度買って聴いていたのですが、この曲を耳にした時に、「うおおお!! これは是非日本中のすべての人に聴いてもらいたい!!」って思ったんです\(^o^)/
全メンバーが凄腕プレイヤーで、演奏自体めちゃくちゃ巧いし、アレンジもすごくcrazyなんですが(特に中盤のソロのところなんてド変態レベル)、それを感じさせないくらいにキャッチーでポップでダンサブルでノリノリでクールなんですよね。マニアックさとポピュラーさが見事に一体になっていて、どこまでも中毒性のある曲だなぁって思ったんです。
PVとしては、なんといっても2:10~からのシーンがすごく熱くてカッコいいんです。大サビに入る「ふざけんな」っていうところで、2019年に加入したアンジェリーナ1/3のまさかのあの変貌に、見ている僕はビックリしましたもん。「げっ!!」って…。このアンジェリーナ1/3のおかげで、劇的にパワフルなモンスターバンドに進化したと言ってもいいかもしれない…(個人的には、これまでのガチャリック・スピンはボーカルの「顔」(看板)が見えなかったんですよね。彼女のおかげで、「バンドの顔」が遂に完成したなって思いました)。
前々から、並みならぬ抜群の演奏力を基底としながら、徹底的に「エンターテイメントとしての音楽」を追求してきたガチャリック・スピンの最高傑作ともいえるこのMindSet、ホント、心からもっともっともっともっと売れてほしいし、高く評価されてほしいなぁと願います。この曲は、本アルバムの2曲目に登場します。
こちらが2021年6月に行われたライブの動画映像です。めっちゃカッコいいです(ドラムは新メンバーのyuriになっているかと思ったら、はなが叩いていますね☝)。
それから、本アルバムの1曲目に収録されている「I wish I」も先日、PVが公開されました。
この曲は、上の「MindSet」とは違って、超ハードで超メロディアスなガチャリック・スピンらしい大迫力のロックナンバーになっています。(ガチャリックに初めて触れる人は、「MindSet」→「I wish I」と聴く方がいいかな…)
後方真ん中の青いジャケットを着ている「はな」が、もうホントにかっこよくて…(;^ω^)
女性の(しかも若い)バンドマンでここまで「カッコいい!」って思える人はいなかったかな…って思うくらいに、カッコいいんですよね。ヴィジュアル系的には、女版瀧川一郎? あるいは女版Hyde? 雰囲気的にはSIDの明希?! …そんな感じで見た目もむちゃくちゃカッコいいんですが、ドラムもそれを凌駕するほどにめちゃめちゃ上手い。ドラムも(教則DVDを出すほど)巧いのに、ギターもバリバリ弾いて、歌もクールにホットに歌っちゃうという…。(僕も一応、ドラム&ギター&ボーカル&ベースを全部(ヘタなりに)やってきているので、心からリスペクトします…💦)
また、キーボードのオレオレオナも素敵なんです。ロックバンドのキーボードをホントよく分かっている人で、このキーボードがあってのガチャリックスピンだなぁって思うんですよね。もちろん、ベースのKOGAの超絶プレイもギターのTOMO-ZOのバリエーション豊富なプレイもガチャリックの聴きどころになっています🎵
彼女たちのバンド・ヒストリーも動画であるので是非!
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では、5thアルバムの全曲解説、いってみましょう🎵
01. I wish I
常に変わり続けるガチャリック・スピンの本作のトップバッターを飾る「I wish I」。もうYouTube等でPVがupされているので説明ご無用かもしれませんが、これまでのガチャリック・スピンを踏襲しつつ、よりアグレッシブでよりミクスチャーでよりハードでよりメッセージ色の強い楽曲になっています。「本当に言いたいことは? 本当の自分はどこ? 本当になりたいものは何? 自分の人生だろ!!」っていうところは、心にぐっときますね。「私は、私が…と望んでる(I wish I...)」という詩的なタイトルも素敵です💓 3:20~のツーバスドコドコも聴きどころだし、その後の歌だけのところも聴きどころ。まさに一曲目に相応しいダイナミックな一曲です。
02. MindSet
この曲を聴いて、今回のこのアルバムを記事にしよう!って思ったんです。個人的には「ガチャリックスピン」は僕の中で好きでいればいいかなって思ったんですが、この曲を聴いた時に、「これは色んな人に伝えたい!」って思ったんです。これまでにもいい曲はい~~っぱいあったんですが、このMindSetは、ちょっと何かがどこかぶっ飛んでるというか…。音楽的には、僕的には「Miyaviサウンド」のガールズバンドバージョン×ヨーロッパのファンク&ポップスって感じで、胸がキュンキュンしますね。あと、マニアックな聴きどころは、1:50~のところの「ミスっては怒られ…」の後の舌打ちがとっても「ロック」を感じました。それから、やっぱりサビの「ふざけんな!本当はベロベロバー」っていうところが最高に気持ちいいのと、その後の微妙にアンニュイなコード進行がたまらないんですね。3:00~の展開はもう圧巻…。この展開についていけるか!?
03. Dear_____
ここで少しクールダウンするかと思ったら…、大間違い。ここでなんか90年代後半のヴィジュアル系バンドのシングル曲みたいな曲が登場。D-SHADEあたりの曲っぽい感じがして、この曲も好きだなぁ…。サビの「その手を強く握りしめてずっと」っていうところも90年代後半っぽさを感じて好きだなぁ~。裏打ちドラムもちょっとメリーっぽくて。あるいは、これ、PEASONZっぽさもあるかも?? いや、リンドバーグか!? 全部突き抜けてて、気持ちよい曲になっています。これもシングルカットできるよな…。嗚呼、ガチャリックが90年代に登場していたら、間違いなく武道館~東京ドームクラスのバンドになっているはずなんだけど、、、😢 でも、歴史は繰り返される。この逆境を超えて、克服して、ダンガンビートで真のWINNERになってほしいな、と願っているのは僕だけじゃないはず。
04. 何者にもなれなかった僕たちへ
今度は、(ガチャピンじゃなくて)ムックっぽい曲になっているかな??(やっぱ、ガチャリックってヴィジュアル系テイストが入っているんだよな…)これ、ムックの逹瑯が歌っても絶対に映える!! ストレートなロックナンバーでどこまでも爽快な曲。ピアノソロが個人的にはむっちゃ好き💓 「てっぺん目指して走ってきたはずだろう」「くしゃくしゃな地図 握りしめながら ずっとずっと走って行け」っていう最後のところがとっても力強くて、元気がでますね~。(でも、こういう曲を届けるべきは、僕みたいな枯れた中年じゃなくて、若い子たちなんだよな…。届いてほしいなぁ…)
05. ミライ論争
おっと、ここでガチャリックのテクニカルな部分がぐわっと出てきますよ。KOGAさんのプレイも凄いですが、ギターのTOMO-ZOさんのギターもホント色んな顔(音)があって凄いなぁって思いますね。ガチャリックって、メンバー全員が綺麗に目立っているんですよね。そこが凄い。歌詞はちょっと、オヂサンには分かりかねますが(苦笑)、アッパーでダンサブルでノリノリでカッコいい曲ですよ、ホント…。
06. Forever 9teen
この曲はもうすぐ成人式を迎えるアンジェリーナ1/3向けの曲かな?? この曲はこれまでの勢いたっぷりのガチャリックビートじゃなくて、ミドルテンポのメランコリックな楽曲になっていますね。ギターとベースとキーボードの重なり合いがすっごくクールでカッコよくて、まいりますね、、、ホントに。これ、普通にヨーロッパのフロアとかで流せそうな感じもするなぁ。ガチャリックはハードなナンバーだけじゃないっていうのがすごく分かる一曲ですよ✨
07. マジックアンブレラガール
そして、舞台は一気におとぎ話へ??みたいなイントロが流れ始めます(イメージは東●ディズ●ー●ンド)。そして、プログレっぽいリフが入り、ギターTOMO-ZOのかわいい歌が展開されていきます。この音楽の多様性もまたガチャピンの魅力なんですよね。サビの「ちゅるりら」っていうところがとっても素敵です。ただ、かわいいだけじゃなくて、演奏的にはかなりガチです。最後のギターソロもオシャレでカッコいいんですからもう、、、(;'∀') なお、この曲はメンバーが中国に行ったときに作られた曲みたいです。そう言われると、ちょっと中国っぽいかも!?…
08. Days
そして、いよいよ終盤戦へ。この曲は「壮大な曲」って感じがしますね。キャリアのある今のガチャピンだからこそ演奏できる曲と言えるかも?! 「奪わないで ここは僕らだけの場所」という言葉がグッときますね。コロナで音楽活動がホント奪われていて、僕らもライブを我慢しなくちゃいけなくて…。個人的には、この曲のギターソロが好きです。あっさり終わってるけど、かなりいいソロになっているんですよね。しっとりとしつつも、メッセージ性のある曲で、ほっこりしました💛
09. 1GAME
ガチャピンらしい勢いのあるアッパーな曲&若干ヴィジュアル系ライクな曲🎵 この曲は、アンジェリーナとはなのボーカルの掛け合いが「聴きどころ」ですね。サビの二人の掛け合いは絶対にライブで盛り上がるはず。…ってWeROCKのインタビューでも、言ってますね…(苦笑)。WeROCK読者としては、この曲が一番ハードで最高にいい曲かも!?
10. 365日
最後はどうなるかな?と思って聴いたら、こう来るか!?って…。最後にみんなで一緒に歌って終わろうねっていうメンバーの配慮?が感じられる曲になっているかな? メンバーみんながボーカルを取っている曲にもなっているし、でも、とっても一体感のあるミディアムテンポの壮大な曲です。まさに、アルバムの最後の曲!って感じで、脳内では「エンドロール」が流れていますね。「だんだん太陽昇っていくんだ 1人残さず照らして欲しい」というところに、コロナを克服する日への希望が感じられますね。ホント、太陽には昇ってもらいたいもんです…。もうこんな生活嫌だ…😢
最後の終わり方がもうホント、ぐわっと気持ちが高まります。
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という感じの10曲でした。捨て曲なし! 聴きどころは全部ですね。アルバムの曲の配列としては、「海外のバンドの曲順」っぽい気がしました。最初の2曲に相当なエネルギーが注がれていて、徐々に落ち着いていく、みたいな。日本のロックセオリーだとわりと後半もまたテンションを上げていくんですが、このアルバムはわりと後半~終盤にかけて落ち着いていく感じがしますね。まさに海外のアルバムの流れだなぁ、、と。
で、これに加え、「初回限定盤type-A」には、DVDが付いています!
DVD 11th Anniversary Live 「Gacha Chronicles 2009-2020 ~縁と縁で繋ぐ今~」ライブ映像
・Lux
・起死回生Forever
・超えてゆけ
・道化ism~Acoustic version~
・永久No mission
・逆境ヒーロー
・FRUSTRATION
・Redline
・Gold Dash
・今を生きてる~2020年秋~
こちらは、2020年10月に収録されたオンラインの配信ライブが収録されています。ライブでもなければ、PVでもない、コロナ禍で生まれた新しい音楽のカタチ。メンバーが円になって、お互いに向かい合う形で演奏しているのが、とっても新鮮でカッコよかったです。
DVD付きだと、5500円(税込)になりますが、でも、ガチャリック・スピンの生演奏が見られるので、音楽好きの人は是非このDVD付きをゲットしてほしいですね~~\(^o^)/
こちらが今回ご紹介したDVD付きの初回限定盤Aです。
こちらが通常盤。ファンや音楽通のリスナーでなければ、こちらの通常盤で十分に楽しめます!!
是非是非、一度聴いていただきたいですね~~\(^o^)/
こんな僕の解説じゃ物足りない!って人は、是非僕の愛読書である『WeROCK』の最新号を買ってみてください! ガチャピンのメンバーのインタビューが掲載されています。はなのインタビューは読みどころ満載です。
そのインタビューのなかで、はなはバンドの今後の目標についてこう語っています。
「いろいろありますけど、"売れたい"です。メンバー同士でもふざけて話すことあるんですけど(笑)。より多くの人にライブを観てもらいたいし、多くの人に聴いてもらいたいですから。過去の自分達も大事ですけど、今の6人でのガチャリックスピンを観て、聴いてもらいたい」(p.60)
僕も同感です。ガチャピンはこれで終わるバンドじゃない。終わってはいけない。こんな素敵過ぎるバンドが脚光を浴びないで誰が浴びる?! 一曲、とにかく大ブレイクしてほしいと切に願います。それが、『MindSet』だったらとっても嬉しいです。この曲はホントに素晴らしいですから。
あとどうしたら売れるのかを少し考えてみると…
演奏面でもパフォーマンス面でもヴィジュアル面でも全く申し分ないし、圧倒感もある。ただ、どこか「既定路線」を狙っている気がするんです。安定感はあるんだけど、「新しさ」や「違和感」がないんです。これ、ガルネリウスにも言えるかもしれないんだけど、全部揃っているのに、ブレイクしないのは、「違和感」がないからかなって思うんです。新しいムーブメントの先駆けとなるバンドや音楽って、最初、「は、なにこれ?」っていう違和感があるんですよね。それは、バンドマン・アーチストとしての「賭け」の部分だと思うんです。既定路線だと安定感はあるけど、「リスキー」じゃない。「これ、音楽じゃないんじゃない?」って思わせるような違和感をどう創造するか。THE BLUE HEARTSやX(X JAPAN)が登場した時のあの気持ち悪さ、マキシマムザホルモンが出てきた時のあの気持ち悪さ(苦笑)、最近だとOfficial髭男dismが出てきた時のあの違和感…。Adoの【うっせぇわ】を最初に聴いた時の不協和音感(サビのうっせーうっせーうっせぇわのところなんて一オクターブ上げて歌っているだけで、どこも美しくない…)。ガチャピンなりの「違和感」や「賭け」の部分(それは「思考実験」ともいえるかも)をどこでどうだすか。「売れる」の要素には、「飽きやすい一般大衆」の「好奇心」があると思います。その好奇心は、従来の音楽にはない要素によって搔き立てられます。なので、是非もっと「賭けの要素」を取り入れていってほしいかな、と思いました。(個人的には今のままで十分いいんですけどね…😂)
…
最後に、僕がこのバンドを聴くきっかけになったガチャピンの一曲も是非!
この曲もホント最高に熱くてかっこいいんですよね~~\(^o^)/
…
PS
更に、こんなオマケ?のCDも付いていました\(^o^)/
このカバーを描いたのは、アンジェリーナ1/3なんですって。上手いのかどうかよく分かりませんが、なかなかパンキッシュな感じでいいですね💛
こういうオマケのCDがもらえるのもまた、CDを買う時の楽しみなんですよね。
01. JUICY BEATS
02. シャキシャキして!!
03. Lock On!!
の三曲が収録されています🎵
全部、ガチャピンらしさ爆発の楽曲です\(^o^)/
特に01の「JUICY BEATS」は、ホントにホントにカッコいいんです😂
現メンバーでのこの演奏がすっごく好きで、常にヘビロテしています!!
【追記】
ガチャピンとヴィジュアル系のつながり?を示す動画がありました。
このライブでドラムを叩いている人、誰か分かりますか?!
これ、90年代後半のヴィジュアル系ムーブメントの中心にいたラクリマ・クリスティーのドラムLEVINなんです。
どういういきさつでガチャピンのサポートドラムを務めることになったのかは分かりませんが、ここからも、ガチャピンとヴィジュアル系のつながりが見えるような気がします。
「ヴィジュアル系」という視点でガチャピンをみると、20年代は女性のヴィジュアル系ムーブメントがもう既に起こっているのかも!?と思うようになりました。
…って、考えたら、NEIN!って、そういうところを狙ってたじゃないか…って(;´∀`)… またしてもしくったか…orz..