Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

🌼The 20th Anniversary Special②🌼 Dr.keiのヴィジュアル系-Visual-kei-の礎を築いた名盤20選

ブログ開設20周年。

このブログでは、ラーメン・グルメ系の記事の他、「ヴィジュアル系」についてもいっぱい語ってきました。

僕の原点は、死ぬまで「ヴィジュアル系」だし、「耽美系」だし、「ポジパン系」だし、「ダーク系」なんだと思います。

そんな「ヴィジュアル系(V系、Visual系)」という言葉ができて、かれこれ、30年くらい経ちました。30年間、この特定の音楽ジャンルが生き残っているというのは、一つの奇蹟と言えるでしょう。今や、ヴィジュアル系は「Visual-kei」となり、世界中で聴かれる音楽ジャンルになりました。まぁ、そのVisual-keiブームも、10年代の「K-POPブーム」の陰に隠れてしまっていますけど…。

でも、まだまだ、世界的なヴィジュアル系ムーブメントは終わっていません。20年代~30年代、また再び「ヴィジュアル系ムーブメント」が起こってくれることを期待して、このスペシャル記事をお届けしたいと思います。

この20年、ブログにも随時ヴィジュアル系記事を書いてきて、また30年以上にわたってヴィジュアル系の世界を見てきたkeiが選ぶ「ヴィジュアル系名盤20選」をお届けいたします!

ヴィジュアル系名盤20選

名盤というか、古典になるのかな?

最近のヴィジュアル系についてはもうホントに疎いし、よく分かっていないので、僕自身の音楽史として、ヴィジュアル系の名盤を20枚選んでみようと思います。

どんなアルバムが飛び出すでしょうか?!?!

主に90年代の作品ばかりになりますが、その辺はご容赦を…💦


01枚目 BUCK-TICK / TABOO

後のヴィジュアル系バンドの一つのモデルとなったのが、この作品です。

1989年にリリースされた作品で、これまでのポップなサウンドと異なり、ダーク性が強まった楽曲が多く収録されています。この作品に続く『悪の華』で一気に「黒服系バンド色」が強まりました。1曲目のショートタイムソングは、後のバンドの方法論として採用されました。このアルバムで音楽に目覚めたミュージシャンはすごくたくさんいると思います。このアルバム無くして、後の「ヴィジュアル系」はなかったかな、と。

02枚目 X / BLUE BLOOD

Xのデビューアルバムもまた、後のヴィジュアル系バンドに多大な影響を与えました。このアルバムと出会い、バンドに目覚めた人もすごく多くいましたよね?! メタル系サウンドとキャッチ―なメロディーというスタイルを確立させた一枚です。Xの代表曲はほぼこの一枚に収められていますね。僕はやっぱりROSE OF PAINが一番大好きです。このアルバムにある「CRIME OF VISUAL SHOCK」の「VISUAL」が後の「ヴィジュアル系」の誕生に、直接的にではないにしても、関わっていると僕は思っています。

03枚目 D'ERLANGER / LA VIE EN ROSE

ヴィジュアル系の歴史の中で、最も後のバンドマンに影響を与えた一枚となるのが、このLA VIE EN ROSEじゃないでしょうか?! まだ「ヴィジュアル系」という言葉がなかった時代に、後のヴィジュアル系バンドが最も「お手本」にしたのがこのアルバムであり、この時代のメンバーのファッションであり、髪型であり、スタイルであり、世界観であり…。(このバンドがいなければ、きっと「LA'rc en ciel」(フランス語)も出なかったのでは?、と。

04枚目 ZI:KILL / CLOSE DANCE

D'ERLANGERとほぼ同時期に、同じように、ダークでミステリアスで妖艶でヴィジュアル重視のバンドとして注目されたのが、ZI:KILLであります。

ラルクのドラム、YUKIHIROが加入していたバンドであり、デランジェ解散後のTETSUが一時期加入していたバンドであり、僕の永遠のHEROのTUSKとKENとSEIICHIのバンドであり…。このアルバムもまた、後のヴィジュアル系バンドの「手本」となった一枚だと思います。一曲目のTEROと最後のFor my lifeという構成は後のバンドマンに引き継がれます(あと、7曲目にアップテンポでライブ映えする曲を置くところも…)。

05枚目 LADIES ROOM / SEX SEX SEX

ヴィジュアル系にはいろんな顔がありますが、ヴィジュアル系文化に「エロティシズム」があります。性的なエロさや官能さを最も強く打ち出しつつ、わりとポップなR&Rを奏でたのが、LADIES ROOM。

ZIGGYっぽいポップさと、KISSやエアロスミスのような爽快なR&Rサウンドと、卑猥な歌詞と…(笑)。健全な恋愛ソングが世にはびこる中、とてつもなくエロティックな世界観を打ち出した唯一無二のバンドの代表作です。後のヴィジュアル系バンドマンもきっとこのアルバムを聴いて、「すげ~」ってなったと思います。

06枚目 LUNA SEA / LUNA SEA

すべてのヴィジュアル系バンドの中で、最もヴィジュアル系っぽいバンドがLUNA SEAだったと僕は考えます。そのLUNA SEAのインディーズ時代のアルバムは、ヴィジュアル系の歴史で最も重要な一枚ではないでしょうか。

1曲目のショートソング、2曲目のソリッドでアグレッシブな曲、7曲目のド派手な曲、最後のポップでお別れ的な曲、あらゆる要素がこの一枚に含みこまれています。音自体はそんなに重くないですが、作品としてはものすごい重厚感のある一枚になっています。

07枚目 DIE IN CRIES / VISAGE

D'ERLANGER解散後に、KYOがYUKIHIROと共に結成したバンド。1992年のメジャーアルバムで、この作品もまたヴィジュアル系バンドマンに多大なる影響を与えたと思います。

アルバムの世界観や曲の構成、アレンジ、妖艶な歌詞、どれも「ヴィジュアル系」の世界観そのもので、ダークでミステリアスで激しくてキャッチーな楽曲がずらりと並びます。KYOとYUKIHIROという異色?の組み合わせが功を奏した作品になっていますね。とにかく「カッコいい」の一言に尽きます。僕も死ぬほど聴いてきました。

08枚目  AION / AIONISM

ヴィジュアル系の歴史の中で、独特な場所にいたのが「AION」でありましょう。AIONは、厳密にいうと、ヴィジュアル系バンドというよりは、メタル~メタルコア~スピードメタルのバンドであり、また、YOSHIKIを自身のバンドに誘うことができた、Xと同じ時代のバンドですね。1曲目のLaunch Gameから度肝を抜かれ、7曲目のSSSでもう衝撃が走る!みたいな。AIONの魅力がすべて詰まった一枚だと思います!

09枚目 LA'rc en ciel / DUNE

ヴィジュアル系という言葉が使いだされるようになるのが、1993年頃。それ以前は「黒服系」とか「耽美系」とか「ポジパン系」とかと言われていましたが、1992年~1993年頃に「Visual Shock」「Visual band」という言葉が出始めます。その頃に、大阪からとんでもなく美形のボーカルのバンドがいると話題になり、DANGER CRUEレコードから彗星の如くにリリースされたのがこのDUNE。HYDEの圧倒的ヴィジュアルと、TETSUの作る極上の楽曲が当時のキッズたちを熱狂させました。

09枚目 SILVER ROSE / Labyrinth~迷宮~

名古屋系のパイオニア的存在のSILVER ROSE。黒夢の先輩バンド…になるのかな?

めっちゃ軽快なビートに、エモーショナルでポップな歌が乗るサウンドが特徴的。商業的にはあまり成果を出せませんでしたが、作品としてはまさに「ヴィジュアル系」の鏡となるような一枚になっています。時代的には「ヴィジュアル系ブーム」のほんの少し前のバンドで、少し何かが違っていたら、大ブレイクしていたバンドだと思います。この当時、ホントにSILVER ROSEのライブ、通ってましたね~。

10枚目 DIE ZW3E / SIDE-B

僕の人生において最も重要なアルバムの一枚です。このアルバムと出会わなければ、今の僕はないなって心から強く思います。セールス的には、SILVER ROSE同様、そこまで伸びなかったけど、「作品」としては、とんでもないアルバムでした。結城さんの尖った歌詞がホントに胸に突き刺さります。一生聴き続けたい名盤です。黒夢の清春とも親交があって、コーラスで参加したりもしていました。結城さんは、僕にとって特別過ぎる存在で、この人の歌と言葉がなければ、今の僕はいないなって心から思っています。

11枚目 DECAMERON / Dearest

DECAMERONもまた、僕のV系人生において最も欠かせないバンドの一つ。このアルバムは、DECAMERONの集大成的なアルバムになったかな。極上のラブソングがいっぱい入っていて、どれも全部シングルカットできるくらいにキャッチ―で完成度の高い楽曲がずらりと並んでいます。僕が10代の頃に恋をしていた時に、失恋した時に、死ぬほど聴いたアルバムでもあって…。このアルバムを聴くと、10代の儚く切ない恋の思い出が蘇るんですよね。ガラスの夜明け、すべてをこの愛に、少年の瞳のままで、TEARSなど、名曲がずっしりです。

12枚目 nuvↄ:gu / SENSUAL WORLD

ニューヴォーグを知っている人はかなりディープなヴィジュアル系フリークじゃないかな? 

CHIKA率いるダンス系ヴィジュアル系バンドで、エレクトリックサウンドを取り入れながら、耽美で甘くてダークな世界を描く一枚は、もう圧巻の一言でした。ライブハウスをディスコやクラブに変えるだけの力をもっている作品で、本当にエロティックです。人間の欲望やエロティシズムやサディズムなどを美しく描いたサウンドは、唯一無二の世界観でしたね。

13枚目 黒夢 / 亡骸を…

黒夢のインディーズ時代のフルアルバム。この一枚もまた、ヴィジュアル系バンドマンにとって衝撃となるアルバムだったんじゃないかな?! 退廃的でアグレッシブで絶望的でどこまでも妖しさ溢れるサウンドで、ヴィジュアル系の礎となる一枚だと思います。00年代以降のヴィジュアル系ミュージシャンたちが若かったころに、このアルバムを聴いて、ヴィジュアル系の世界に入ったという人もきっと多いはず。上手いか下手かとか関係なく、圧倒的な存在感を醸し出す黒夢のマスターピースと言えるでしょう。(その後、デビューした後はどんどんポップな路線に行き、その後転向して、パンク~グランジ系にシフトしていきますね)

14枚目 HYPERMANIA / 虹の向こうへ・・・

このアルバムもまた、僕のV系人生にとって最高の一枚になりました。今も定期的に聴いてます。HYPERMANIAは、時代が少し違っていればGLAYくらいのモンスターバンドになれてたはずなんです。ただ、時代が悪かったというか、なんというか、このアルバムに入っている曲はどれも大ヒットしそうなポップでキャッチ―な曲でした。

15枚目 FANATIC◇CRISIS / MASK

僕が大学時代に一番死ぬほど聴いたアルバムがこの「MASK」でした。全曲好きなのですが、この中に収録されている「Truth」という曲がもう死ぬほど好き過ぎて、大学時代毎日のように聴いていました。石月さんの声とメロディーが僕を勇気づけてくれました。Memories in whiteも名曲中の名曲です。「ヴィジュアル系ブーム」の本格的な到来を感じさせる一枚でもあり、このアルバムもまた「ヴィジュアル系の名盤」に入れるべき一枚だなと強く思います。

16枚目 MASCHERA / iNTERFACE

ヴィジュアル系バンドかどうかを問わず、僕の人生において最も愛しくて大切なアルバムがこちらの「iNTERFACE」です。もう問答無用です。今も全曲大好きで聴いています。このアルバム、今の日本でもう一回みんなに知ってもらいたいなって心から願いますね。名曲しか入ってないんです。僕がドイツに留学していた1998年にこのアルバムを聴き、このアルバムを支えに留学生活を乗り切りました。「Powder」はホントに名作の一曲です。

17枚目 ROUAGE / SOUP

ROUAGE(ルアージュ)もまたヴィジュアル系の歴史の中で欠かせないバンドだと思います。ROUAGEも色々素敵な作品を生み出していますが、その中でも「SOUP」は傑作中の傑作だと思います。「ヴィジュアル系サウンド」を代表するかのようなサウンドであり、また、演奏のかっこよさも抜群でした。endless loopは、ヴィジュアル系ビートを代表する激しくてキャッチ―でポップで突き抜けていて、今でも最高のV系ビートとなっています!

18枚目 DIR EN GREY / Withering to death

DIR EN GREYもまたヴィジュアル系の歴史の中で超重要なバンドであります。ディルも色々と名盤がありますが、初期のコテコテのヴィジュアル系バンドから「脱皮」することになる「転換期の一枚」になっています。この作品以降は、デス~グランジ~メタル要素が強くなり、脱ヴィジュアル系化を果たしますが、このアルバムは「ヴィジュアル系バンド時代」の最高傑作になっていると思います。

19枚目 MERRY / 現代ストイック

現役で今も精力的に活動しているメリーのインディーズ最後のアルバムです。このアルバムは、本当にヴィジュアル系のサウンドのお手本というか、ひな形というか、一つの理想形の1枚になっているかなって思いますね。これまで先輩バンドが築いてきたストラテジーを踏襲しつつ、メリーらしい「昭和っぽさ」をフルに打ち出した一枚になっています。楽曲も「これぞ、ヴィジュアル系!」っていうものが多く、ヴィジュアル系サウンドのルーツを学ぶことのできる一枚になっています。

20枚目 BUCK-TICK  アトム未来派 No.9

BUCK-TICKに始まり、BUCK-TICKに終わります。多分、僕の音楽人生において、最後の最高傑作というか、最後に僕の一生の宝物になったのが、(ちょっと時代は飛びますが)この「アトム未来派 No.9」だと思います。このアルバムが出た頃、身近な人の「死」を意識することが多々ありました。そんな時に聴いた「愛の葬列」はもうとんでもなく大切な曲になりましたね。最後の「NEW WORLD」もBUCK-TICKのシングル曲の中でも、最もきらめきのある一曲だったと強く思います。

このアルバムで、僕は本当に慰められ、勇気というか、生きる力をもらいました。

***

というわけで、、、

ヴィジュアル系バンド(それ以前のバンド)を追いかけて36年くらいになる僕の「ヴィジュアル系の礎を築いた名盤20選」をお届けいたしました。

ブログ開設20周年ということで、20枚を選出いたしました。

こうやって振り返ってみると、本当にいい作品に出会えたなぁと思いますし、また、いい時代を生きたもんだなぁとも思います。今後「ヴィジュアル系」がそのまま衰退するのか、はたまた不死鳥の如くよみがえるのかは分かりません。「グループサウンズ」はなかなか蘇らないし、「フォークバンド」もなかなか復活しません。「ヴィジュアル系」もそのままよみがえることなく、歴史の中に埋もれてしまう可能性もあります。

ただ、80年代の終わりから00年代にかけて、「ヴィジュアル系バンド」が世に輝き、そして、たくさんの作品を生み出したことは間違いありません。

そして、ヴィジュアル系バンドが世界に飛び立ち、そこから「東アジアの音楽」が世界中で聴かれるようになったのもまた、歴史的な事実だと思います。

今の若い子たちが「ヴィジュアル系バンド」をやるイメージは、正直もてませんが、でも、きっといつか、またヴィジュアル系の世界が若者たちの「虜」にする時代は来るだろう、と願っています。

ヴィジュアル系ということで、視覚重視の音楽ジャンルと言われていますが、でも、「サウンド」にも美学があるし、サウンドこそ、最高にかっこよかったんです。

是非、この機会にヴィジュアル系の「名盤」に触れてほしいなって思います。

この本は、ヴィジュアル系好きの人にはたまらない一冊です。

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