LOST ファイナル・シーズン COMPLETE BOX [DVD] | |
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LOST - Season Six Final Episode
いやはや、早いものであっという間に超話題作の『LOST』ファイナルシーズンが幕切れを迎えてしまいましたー。このためにCSのスカパーで契約したAXNにて、21日夜21時からリアルタイムでウォッチしたんですが、うーーーん、やはりよく分からなかったというか、賛否両論、物議を醸しだした最終回となったことはいうまでもありません。ストーリーについては、他のブログレビューアーさんに譲ることにして、結論から言うと結局は「夢落ち」だったんじゃないのかなぁーーという気がいたしますが、まだ上手く咀嚼できていないので、表面的な感想になってしまいますがご了承ください。
まず、エンディングで流れる「オーシャニック航空815便」の機体の残骸からして、シーズン1の墜落した時点で当然至極、全員死亡したということになったとしか思えませんし、最終回にいたるまでのエピソードは「すべて死後の世界」の出来事だったんかいぃーーと言わざるを得ませんね。ということはですよ、要するに成仏できなかった方々が「あの島」であーでもない、こーでもないと「サバイバル!?」をして、結局最後ははい成仏出来ましたバンザーイ!ということなんでしょうかぁ・・・それでプロデューサーのカールトン・キューズ氏とデイモン・リンデロフ氏が、事前予告で「視聴者みんなが納得するエンディングになった」とほざいていましたが、どうなんだろぅー。
まぁ、いずれにせよ、このドラマはエンディングが重要ではないんですよね。そこにいたる極めて「リアル」なしがらみを抱えた人間関係のドラマが重要なわけで、そういう意味では欧米ドラマツルギー!?の定番手法である「フラッシュバック」を効果的に使った名作であると思います。その後欲張って「フラッシュフォワード」「フラッシュサイドウェイズ」まで延ばしたのはやり過ぎかもしれませんが、今までになかった発想を膨らました作品としては優秀な脚本家チームのアイデア勝ちだと思われます。
シーズン途中で、あまりにも難解だったので視聴率が低迷したそうですし、その影響を受けてのシーズン6での強制終了ということだったんでしょうが、まぁロストフリークにとっては複雑な心境、一方でフツーのファンにとってはいいタイミングで終わってよかったのかもしれません。欧米的な生死観がありつつ、東洋的な輪廻転生的価値観(出演者に多くのアジア系俳優を起用したのもリスペクトの表れでしょう)を合わせた世界観、キャラクター名にロック、ベンサム、ファラデー、ホーキングなど政治思想から科学者の名前を引用したことも、少し盛りだくさんすぎではありましたが、プロデューサーの意図が見え隠れしていたのかも。
その意味では『24』のように一話完結で分かりやすいドラマとは対照的なドラマでしたが、ある程度視聴者の想像力を膨らませるドラマというのは、ハリウッドでなかなかヒットしなかったと思います。その意味では、日本のアニメのような脚本がしっかりしていて、善悪があいまいな世界観的なドラマがよーやくアメリカから出てきたことは評価していいのでは。とはいっても、個人的にはCSIのような一話完結で分かりやすいドラマが好きなんですけど、そのなかでも大きな巨悪をシーズン最後まで引っ張るというパターンもそれはそれでありかと。
ということで、思いつくままま分けわからないことを徒然なるままに書いてしまいましたが、今後『LOST』のような野心作が再びハリウッドから発信されるのか注目したいと思います。