まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

フィーバーシャリオI(三共、デジパチ)と戯れた記憶

2016-08-18 20:04:47 | 現金機デジパチ

1990年(平成2年)秋から1991年(平成3年)にかけて、
妙にその存在が気になり、幾度も腰を下ろした台がある。
それが、三共の旧要件デジパチ「フィーバーシャリオI」
かなりのマイナー機なので、ご存じない方も多いだろう。



フィーバーシャリオI(三共、1990年登場)
(白黒画像で申し訳ないが…)



(悔しいので「777」揃いのドラムの様子を自作。割と頑張った。)



本機との出会いは、小田急線・向ケ丘遊園駅(南口)の
「ぱちんこ遊園」(閉店)という小さな店。というか、
この店以外で、本機を打ったり見たりした記憶は無い。


「ぱちんこ遊園」は、駅南口ロータリー前の商業ビル、
「中和ビル」(現存)2Fにあった。同ビルについては、
先日、1990年当時のテナントを紹介したばかりなので、
詳細はそちらをご覧頂きたい。



ロータリー奥、遊園地モノレール乗場(廃止)傍のビル外階段を上がると、
2F入口前の踊り場に、「ぱちんこ遊園」と書かれた昭和的な縦長の看板。
黄色の裸電球が、看板の縁でピカピカと光る。それを横目にビルに入ると、
中は意外なほどに薄暗い。フロア中央のラーメン「三番」をグルリと囲む、
回廊上の通路を左に進み、突き当りを右折した左側に、装飾用のシールが
張られた、レトロ調なガラス張りの店舗。やはり昭和然とした手押しの扉
(或いは自動ドアだったかもしれないが、自分の中では手押しガラス扉の
イメージが鮮烈に残る)を開けると、短めのシマが幾列も縦に並んだ店内…
それこそが、思い出の「ぱちんこ遊園」だった。半開きの扉の隙間から、
特殊景品を差しいれる、独特な地下換金所も懐かしい。

同店は、地元のオッちゃんオバちゃん、遊園駅を利用する明治や専修の
学生らが好む、典型的な「地域密着型」のホール。店内はかなり狭いが、
機種は豊富。ハネモノ、デジパチ、権利物、一発台、チューリップ台、
パチスロと、多様なラインナップだった。理由は、パチンコシマが今でいう
「バラエティコーナー」になっていたから。「1シマ全体が1機種」ではなく、
各機種1、2台のみの「少数精鋭」。商業ビルの狭いフロアで営業する上で、
店側が編み出した「商売の知恵」であろう。

件のフィーバーシャリオも、そんなパチンコシマの一角に、2台だけ設置。
場所は、一番右側の通路。背中が壁の左列シマで、異様に通路が狭かった。
本機の隣には、同じ三共のドラムデジパチ「フィーバーレクサスV」が、
コチラも2台ひっそり並んでいた(レクサスVの初当りもこの店だった)。

実を言うと、この店のシャリオもレクサスVも、異様にクギが渋かった。
2.2円交換のLN制(一部は定量制)の割に、呆れるくらい回転数が低い。
大当り確率が「1/200」と甘い事も影響したのだろうが、酷い時など、
1000円分打って、デジタルがたったの5~6回しか回らなかったり。
(2.2円LN制でこの回りは、あまりに酷い。出玉は2500前後だった)
しかも、このシマは「万年釘」状態で、いつ行っても同じような調整。
勝ちたい時に近づくべきシマではなく、当るまで突っ込もうとすれば、
大怪我する危険もあった。また、レクサスVなら保留連が期待出来たが、
シャリオは「ド」がつくノーマル機で、深追いしても、見返りは無し。
台移動したくても、シャリオは2台しかなく、台選択の幅も狭かった。

それ故、この店でシャリオを打つ際は、必ず「3000円まで」と上限を
決めていた。いわば「運試し」(それでも、当時の自分には結構な額)。
当たろうが当るまいが、それだけ使ったら、そのシマとは「サヨナラ」。
ただ、結局は他のシマに流れ着いて、さらに傷を広げたりもしたが…。

同店で釘が渋めだったのは、デジパチ(特に、上記した三共の機種)、
一発台、そして権利物。一方、ハネモノやチューリップ台は甘めで、
安銭で終了する甘釘台、或いは遊び台などがゴロゴロしていた。

スロは北電子のレア台が置いてあり、1.5号機「ニューキャスターII」、
2-1号機「ガリバーII」、2-2号機「ガリバースペシャル」を堪能。
(3号機時代は、ノーマルの「スーパーコップ」「アポロン」を設置)
まさに「北電子博物館」。まぁ、「8枚交換」のハンデはあったが…。
私はこの店で、パチンコよりもスロットシマの方が、滞在時間は長い。
因みに、スロは3機種しかないので、バラエティ的設置ではなかった。


さて、ここまで書いて、肝心なフィーバーシャリオの特徴について、
ほとんど触れていない事に気付いた(汗)。以下、項目別に説明。


(1)機種名
「シャリオ」とは、当時生産中だった四輪自動車「三菱シャリオ」
因んだものと思われる。ご存知の通り、かつて三共は、ドラム機に
人気の「車種」を彷彿とさせるネーミングを、好んで採用。本機も、
同じ流れを汲む。それらをまとめたのが、以下の機種名リスト。
全般的にトヨタが多いが、他社のもある。


・フィーバーエクセレント(旧) ⇒ 日産「サニーエクセレント
・フィーバーコスモ(旧) ⇒ マツダ「コスモ
・フィーバーロイヤル(旧) ⇒日産「プリンスロイヤル
・フィーバークラウン(旧) ⇒ トヨタ「クラウン
・フィーバーグランデ(旧) ⇒ トヨタ「マークⅡグランデ
・フィーバーアバンテ(旧) ⇒ トヨタ「チェイサーアバンテ
・フィーバーレクサス(旧) ⇒ トヨタ「レクサス
・フィーバーシャリオ(旧) ⇒ 三菱「シャリオ
・フィーバースピリット(旧) ⇒ 日産「ローレルスピリット
・フィーバーアリスト(新) ⇒ トヨタ「アリスト
・CRFウィンダム(新) ⇒ トヨタ「ウィンダム
など
(旧)=旧要件機 (新)新要件機




(2)スタートチャッカー
本機は、一般的な「デジタル真下のヘソチャッカー」ではなく、
ハネモノでいう「両オトシとヘソ(下段中央)」の計3か所が
始動チャッカーになっていた。かなり変則的な盤面構造である。

左右オトシのゲージはハカマ釘ではなく、チャッカー上部に
バラ釘が多数打たれていて、他機種以上に釘チェックが難しい。
一方のヘソは、ハネモノ同様、チャッカー上部を三角クギがガード。
当然、コチラも正確な釘読みが必要とされた。

とはいえ、件の「ぱちんこ遊園」で、これらの始動チャッカーが
甘く調整されているのを、見た試しがない(ボーダーにも及ばず)。
当然だが、一度も当らず、シマを後にする機会も少なくなかった。

因みに、ここのシャリオもレクサスVも、いつ赴いても、先客はほぼ無し。
同じ頃、駅北口の「パーラーニューギンザ」(現「Ginza P-style」)で
FレクサスVIDのシマが活況を呈していたのとは、いかにも対照的だった。



(3)本機の顔である「ドラム」


(「777」揃いの自作イラスト、再掲)

私が「パチ道」に入った’90年当時、三共ドラム機といえば何といっても
「レクサス」シリーズがその代表格で、いずれも「5ライン機」であった。

だが、レクサスシリーズの後発である本機は、5ラインではなく、
「アバンテ」以前に同社の主流だった「1ライン機」として登場。
これも、当時の流れから見れば、かなり異色だったといえる。

ただ、レクサスから三共ドラム機に初めて縁した私にとっては、
本機のような1ラインドラムが、却って新鮮に映ったのも事実だ。

大当り図柄は、イラストにある「7」などの奇数5通り(1、3、5、7、9)。
また、本機はブランク図柄も味があり、優勝カップ、フラッグ、ヘルメット、
オイルタンク、手袋、靴、時計といったハズレ絵柄が、大当り図柄の間に
配されていた。今にして思えば、件の「三菱シャリオ」の4WDタイプが、
1984年に「ファラオラリー」に参戦、見事クラス優勝を飾っているので、
そんな「ラリー」繋がりの図柄が、ブランクとして描かれたのではないか。
(一方、盤面デザインは「宇宙」をイメージしていて、ラリーとは縁遠い)


通常時、1ラインドラムが「左⇒中⇒右」と回るが、レクサスシリーズと
異なり、左・中で数字がテンパイしても、右ドラムはスローにならず、
高速回転のままビタっと停止。この動きも、「アバンテ」以前の1ライン
ドラム機とほぼ同じである。内部を分解した事が無く断言はできないが、
恐らく、レクサスVから採用された「ステッピングモーター」ではなく、
「カム、レーザー光、透過穴」で判定を行う、旧式のドラムと思われる。
因みに、三共系の「大同」から同時期に出た「フィーバーエリート」も、
同じドラムの動きで、左中テンパイ時に右ドラムはスローにならない。



(4)アタッカー
また、本機は大当り中も、レクサスシリーズと一味も二味も違った動きを見せた。
アタッカーは盤面上(ドラム上部)にあり、レクサスのような「前開き」でなく、
水平に広がる「スライド式」だった。私は、スライドアタッカーのデジパチが
大の好みで、西陣のドット機「ラスベガス」をはじめ、三洋「パニックコスモ」
マルホン「パールセブン」など、盤面上部で水平ハネがスッと左右に開く台に、
当時ハマっていた。

独特なアタッカーの動きに魅せられたのは勿論だが、ストロークを調節すれば、
水平ハネの先端に当たった玉が、両サイドのオマケチャッカーに流れ易くなり、
ストロークが「ツボ」を突くと、出玉をガッツリ稼げる印象が強かったのだ。
まぁ、これは全てのオマケデジパチに共通の事象だが、スライドアタッカーは、
特にそう思わせる、「何か」があったのだと思う。

上部のスライドハネに拾われた玉は、1ラインドラム真下に設けられた
メイン入賞口に落下。その入賞口の中央が、丁度Vゾーンになっていた。
これも一風変わった構造で、レクサスの定番アタッカーとは対照的だった。
大同「フィーバーエリート」も同じ構造。コチラは本機の兄弟機といえよう。


(5)連チャン性
レクサスシリーズは、朝一単発回し、或いは通常時の単発回しで、
大当り後の保留連が期待できた。また、保留全点灯⇒全消化で、
最後の保留で当った場合、全保留が連チャンするチャンスだった。

一方、シャリオに仕込みの連チャン性は認められず、「確率甘めのノーマル機」
に過ぎなかった。私も「ぱちんこ遊園」で幾度も大当りしたが、保1~保4で
連チャンした経験は皆無。大抵は単発の当りを引いて、即交換していた。また、
運良く継続図柄で当たっても、上皿の玉を打ち込んだら、サッサと引いていた。
故に、本機では大勝ちも無いが、大負けも無い。



まぁ、勝ち易い条件では打っておらず、トータル収支もマイナスだったと思うが、
こうした「まにあっく」なマイナー機と、付き合う機会があっただけでも有り難い。
今後、どなたか奇特な方が、実機動画でもアップして下さらないものか…。
(私自身は、シャリオに関する情報を、こうして残しただけで満足だが)



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