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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ペプシ缶コーヒー「Birdy」のテレビCM(1994年)

2016-10-16 19:15:19 | その他パチ・スロ関連

前回、西陣「花鳥風月」(正確には先行機ルーキーデジロイド)」の

テレビCMの「謎」が、完全解決した。気分が良いので、過日質問の

あった「根津甚八の缶コーヒーCM」についても、考察を加えたい。


これは、OSUTORAさんからの質問(同CMで使われた機種は何か?)

を受けたもの。90年代前半、二枚目で個性派の名俳優(病気等の為、

現在は俳優業を引退)の根津甚八さんが出演した、ペプシ缶コーヒー

「Birdy(バーディー)」のCMで、とあるパチンコ台(ハネモノ)が

使われていた件だ。当方は機種の「正体」を掴んでおり、その時は

機種名と補足説明のみ「追記」で回答した訳だが、少しゾンザイな

対応だったかな…と反省。そこで、今回はCM画像を参照しながら、

もうちょっと掘り下げて解説したいと思う。

 

まずは、件のCMについて概説。

1994年(平成6年)のペプシ缶コーヒー「BIRDY」のCMだ。出演は

根津甚八ほか。この当時、根津さんといえば、パチンコ映画&Vシネ

「ゴト師株式会社」シリーズの主演(君島一明役)でも話題となり、

パチンコとは切っても切れぬ関係だった。出演するCMにハネモノが

使われるのも、自然な流れだったといえよう。また、「BIRDY」の

シンボルマークは「射的のマト」のようなデザインで「大当り」を

連想させた為、パチンコはうってつけの題材だったのかもしれない。

当時オンエアされた「パチンコ編」(他に「競馬編」など)は2つ。


1つ目は、店内を闊歩する根津さんが、自販機の前で必勝祈願の柏手を

打ってBIRDY購入。すると、座ったハネモノが大当り。出玉ザクザクで

背後の常連客らも目を見張る(丸メガネのおばさんは、「ゴト師」で

解析担当だった「博士」を意識した?)。片手でハンドル、片手に

BIRDYの根津さん、ゴクリと一口飲むと、ニンマリのホクホク顔で

「うま~い」と一言。それにあやかって、後ろの常連も柏手を打つ…

という内容だ。



2つ目は、店内でBIRDY缶を開けて飲もうとした根津さんの手を、

謎の美女が掴んで引き寄せると、自分が代わりにゴクンと飲んで、

ニッコリ微笑む。美女の予想外かつ大胆な行動に、常連は驚くが、

直後、彼女の打つハネモノが大当り。ハネがパカパカ開き続けて、

まさに「ジャジャ漏れ」の状態。根津さんにツキを貰った美女は、

歓喜と興奮で体を大きく揺らして反応。最後は、美女からお礼の

キスを貰い、頬にキスマークを付けた根津さんが、デレデレ顔で

「うま~い」の決め台詞を発して、CMを締める。

なお、バックでこぶしの効いたテーマソングを歌っているのは、

独特な声の調子から、浪曲師の国本武春さん(故人)と思われる。
(現在、調査中)

※Youtubeに当時のCM動画がアップされている
https://www.youtube.com/watch?v=LI6CiaZJtek


とまぁ、こんな感じである。2バージョンとも、ハネモノの大当り中の

映像が入っているのだが、ヤクモノに注目すると、何れも「風変わり」

(≒不気味)な雰囲気を持つ、「オリジナル台」のように見えるのだ。


1本目…ヤクモノ内で、大口開けた馬ヅラの男(個人的に先代の

故・円楽師匠を想起する)が、振り子のように左右に動き回る。

ハネは、人の手を模したような形。また、映像では玉を打ち出す

スピードが異常に速く、ヤクモノに次々と玉が吸い込まれていく。

出玉のザクザク感を強調する為の、意図的な「改造」と思われる。

これは、一見オリジナル台っぽいが、よく見ると、その「原型」に

気づく。当時、口をパックリ開けたキャラが、振り子の如く左右に

動くハネモノというと、西陣「パックンザウルス」が最右翼だった。

実際、ヤクモノの動きやVゾーン周りのデザインを観察すると、CMに

使われた台のモデルがパックンザウルスと判る。但し、盤面デザインを

注意深く観察すると、ヤクモノ戻しが13個の「パックンザウルス」では

なく、11個戻しで出玉が少ない兄弟機、「パックンザウルスP-2」が

ベースになっていた。


西陣「パックンザウルスP-2」(1993年、賞球5&11)
CM画像の役物両脇の盤面イラストにも注目。ピンクと
青のちょっとコミカルな表情の恐竜が確認できるハズだ。
また、ヤクモノ上の「パックンザウルス」プレートが、
CMの方は「LUCKY」に差し替えられている。


コチラは賞球7&13の「パックンザウルス」(1993年)
盤面イラストは「P-2」と大きく異なるが、口がデカイ
恐竜の長い首が、ヤクモノを左右に動き回る様子は同じ。
ハネに拾われた玉が、恐竜の首を通って口から出た時、
タイミングよく中央Vの正面に首が来ていれば、大当りの
チャンス(首を通らなくてもノーチャンスではないが)。
1チャッカーより、2チャッカー入賞時の方がVに入り易い。
(ヘソ入賞時は、ヤクモノがセンターで一時停止)
コチラは、初V獲得時にヤクモノ下のデジタルが
変動する抽選アリ(「P-2」はデジタル抽選無し)。
「B」なら(=BIGゲーム)、毎ラウンド貯留が働き、
ヤクモノも中央で一旦停止するので、継続率も良好。
15ラウンド完走もある。一方、デジタルが「N」だと
(=NORMALゲーム)、貯留がなく、恐竜ヤクモノの
一旦停止時間も極めて短くなる為、継続率は大幅悪化
(⇒継続アップに止め打ち有効)。完走は困難だった。
因みに、P-2の場合は、全ラウンドで貯留が働く為、
継続は良いが、11個戻しの為、出玉ボリュームは小)。
BとNの出現率は1:2。但し、「B」が出ても
ヤクモノのクセが悪いと、途中パンクが多発。




続いて2本目…やはり人間の手を象った異様なハネ。ヤクモノ内には

妙にリアルな女性の顔(満面の笑みが、かえって不気味さを増す)。

コチラも玉の打ち出しスピードが猛烈に速く、ヤクモノにガンガン

玉が飛び込む様子が印象的だ。

これも、店で実際お目にかかった事は無いが、盤面で「原型」は判る。

ヤクモノ左右のイラストに、どこか見覚えのある「おにぎり」の姿…

そう、1994年、平和から登場したハネモノ「おむすびくん」である。


平和「おむすびくん」(1994年)
賞球6&10&12。ヤクモノや盤面の「脱力系」キャラ。
そのヤクモノの足の動きが、V獲得を大きく左右した。
大当り中は貯留機能アリ。V入賞時、天下ミニデジに
「77」が出れば最高15ラウンド継続、他は8Rまで。
「77」が出た後、足の動きが変わってVを射止め易く
なる特徴もアリ(「デジタル」の連チャン性ではなく、
「ヤクモノ」の物理的動きの変化で、連チャンを実現)


ここで、元の「おむすびくん」の盤面とCMとを比べると、

コチラのケースも、色々手が加えられている事に気づく。

特に注目すべきは、ヤクモノ左右のおむすびくんのイラスト。

元の盤面では、左側のパラソルを持ったキャラは、何とも

愛くるしい笑顔。また、右側のキャラも、愛嬌たっぷりな

「酸っぱい表情」(「梅ー、ウメ―」の台詞もコミカル)が

描かれているが、CMの台の盤面を見ると、こうした表情が

全く確認できないのだ(「のっぺらぼう」状態のおむすび)。

CM上の架空台である事を強調して、「おむすびくん」臭を

消し去る為、特徴的なキャラの顔を白く塗り潰したのだろう。

同様に、天穴やV両脇などに描かれていた、おむすびくんの

小さなイラスト(白丸で囲った各部分)も、CMの中では

全てカモフラージュされており、見えなくなっている。

それにしても、CM台のヤクモノキャラの顔が怖い…(汗)。



という訳で、かつて根津甚八さんが出演したペプシ缶コーヒーの

CMにおいては、一見すると怪しげだが、実は当時の現役機種を

アレンジした、個性溢れるハネモノ2機種が登場したのだった。

そういえば、以前取り上げた、松方弘樹さんのコーヒー「JO」の

CMでも、コンチIIIのリール配列が完全に入れ替わっていたが、

当時パチンコやパチスロをCMで使う際は、つとめて「フィクション性」を

高めるのが、一種「暗黙のルール」になっていたのかな、とも思う。

(「ダーバン」CMでも、人気の花鳥風月ではなく、あえて直営店で

テスト導入された、レア盤面のルーキーデジロイドを使用していた。

他にも、「ゴン太のササミジャーキー」のCMでは、当時の人気台

「CRくだもの畑」(サミー)をアレンジしたドラム機が登場。)


確かに、既存台をそのまま使うと、ヘタすれば「台自体の宣伝」に

なってしまうから、色々と都合が悪かったのかもしれない。まぁ、

これは、私なりの推測に過ぎないが。


では、今回はこの辺で。