今回は、1992年(平成4年)に三洋から出た、2回権利モノ「マンハッタンV」について。
おっと、これは、マンハッタン違い…
(2005年の福岡旅打ち時に、西鉄・福岡駅前「マンハッタン」の看板を撮ったモノ。
スロのペガサスワープ、ムサシ、V10などを目当てに行ったら、見事に撤去済みだった。
結局、あの日は西新まで出て、「ワンダーランド西新店」の「(初代)鬼浜爆走愚連隊」で
粘り倒して何とか1箱出したのだった…)
正しい画像は、コチラ。
三洋「マンハッタンV」
(1992年登場。新要件機・2回権利)
うーむ、あまりに懐かしくて、涙が出そうだ…。
現役当時、小田急線・向ヶ丘遊園駅北口のパチ屋、「ニューギンザ」で、コイツとはよく対戦した。
足繁く通った店だから、本機のあったシマの位置まで、今でもハッキリ覚えている。
メインの入口から見て一番右奥、背中合わせで2シマ並んでいた。
元々、このシマには、同社の先行機「ニューヨーク」(2回権利、1991年)と、三共の一発台
「ターゲットI」(1989年)が1シマづつあったが、92年夏頃に本機と入替となったのを機に、
この店の「一発台と(新要件)権利物の共生」が、遂に終焉を迎えた経緯がある。
私は、三共ターゲットが何より「大好物」だったので、比較的長く置いていたこの店から
ターゲットが外された時は、少なからずショックを覚えた。
(100円でV穴ゲットするなど、かなりお世話になった台)
ただ、新たに入れ替えられた本機のシマも、多くの固定ファンを獲得して、長い間
「盛況」続きだった事を思い出す。
先行機「ニューヨーク」に慣れ親しんだ「デジタル権利モノ」フリークは、
ほぼ同じゲーム性を持つ本機を、ニューヨークの後継機として、スムーズに受け入れた。
また、大量出玉を好んだ旧・一発台ファンも、一撃4000発オーバーが見込める本機を、
格好の「後釜」として歓迎した。
事実、ホール全体の客付きが悪い日でも、マンハッタンのシマだけは、連日勢いがあった。
オッチャン、オバチャンなど、シマに陣取る客の年齢層が、案外高かったイメージも残る。
なお、本機は好評を受けて、後に新セルも登場している。
(小さいモノクロ画像で恐縮だが、新セルは、盤面左に「キングコング」を思わせる
キャラが描いてある。このコミカルなキャラが、マンハッタンの摩天楼をよじ昇る…の図。)
今さらではあるが、ここで、本機のゲーム性について、簡単に説明したい。
(1)
賞球は「7&15」。デジタル当選確率は、通常時=「1/250」、2回目権利時=「1/25」。
(「来々軒」と同じ確率。ニューヨークは「1/220」と甘め)
(2)
図柄は、左・中デジが「0~9」の数字(計10通り)。一方、右デジは「0~9」の他に、
ハズレ図柄の「F、H、P」がある(計13通り)。
(3)
ヘソの始動チャッカー通過で、チャッカー真上の3ケタデジタルが変動。
デジタルは「左⇒中⇒右」の順に停止。左、中ゾロ目でリーチ。
ヘソはスルー式で賞球は無いが、チャッカー下にハカマ、命釘、賞球口があり、
この部分の釘調整が甘いと、玉の戻り(7個)が期待できた。
(「ニューヨーク」は戻り無し。「来々軒」はチャッカーが賞球口の為、必ず7個戻しアリ。)
(4)
始動チャッカーへのアプローチ(ルート)は、左右の「寄り釘」ルートの他、天下の
「ワープ」から、チャッカーに真っ直ぐ落下するルートもあった。先行機「来々軒」にも
存在したルートだが、「ニューヨーク」には無かった。ワープのお蔭で、寄りが多少悪くても、
ワープの入口が甘いと、意外とよく回ったりした。
(5)
リーチ時の右デジ移行コマ数は、「6~34コマ」(⇒最大で「2周+8コマ」)。
但し、スーパーリーチや二段階アクション等は無い。リーチが掛かれば、常にチャンス。
大当りもハズレも、「シンプルなアツさ」がウリだった。
(6)
デジタルが「000~999」(三つ揃い)、又は「右デジのみ前後1コマズレ」(前後賞)で、
盤面下部の電チューが約6秒開放。この「前後賞」も、ニューヨークには無かったもの。
来々軒と本機で採用。計30通りもある大当りパターンは、「リーチが当り易い」と
体感させるに充分だった(但し、内部的には、「リーチ=大当りし易い」訳ではない)。
(7)
電チューに拾われた玉は、真下の権利獲得ヤクモノ(振り分け6穴回転盤)に入る。
ここで2個拾っておけば、ほぼ確実に回転盤のV穴に入る仕様の為、電チューが開けば
(デジタルが揃えば)、権利獲得と考えて良し。
(8)
メインデジタルの真上には、「ラッキーナンバー用ランプ」(0~9)が付いていた。
これは、初当りした図柄の「左出目」を示す。前後賞なら、例えば「334」だと「3」が点灯。
当時は、初当り図柄で「持ち玉遊技or出玉交換」を決める店もあったので、このランプを
活用するホールも存在。但し、件の「ニューギンザ」は、本機を一回交換で営業。
なお、先行機ニューヨークには、LNの「狙い撃ち攻略」があった。だが本機は、LN用の
内部カウンタの配列がランダムで、かつ移行速度が速すぎる為、意図的には狙えない。
(9)
権利獲得後は右打ち。デジタル右横の回転体と、その下のメインアタッカーを連動させて、
出玉を稼ぐ。16Rで出玉は約2200発。なお、ニューヨークや来々軒で厄介な問題だった、
「回転体へのダブル入賞」(連続で右の回転体に入ると、その分、ラウンド数が減る)」は、
回転体の穴(センサー)の位置をズラす事で、解消されるに至った。
(10)
1回目の権利消化後は、通常打ちに戻す。この時、デジタルが10倍アップの「1/25」と
なっており(デジタルが赤⇒緑に変化)、2度目の権利獲得は容易。1回目同様、
デジタル揃い⇒電チュー(V穴)入賞⇒右打ちで権利消化。2回トータルの出玉は
4000発オーバー。但し、アタッカー周りの釘次第で出玉は変動。また、2回目権利時に
運悪くハマってしまえば、、その分、出玉は削られた。
まぁ、スペック的には、大体こんな感じだったが…
解析上、「意図的な連チャン無し」とされた割には、数珠連チャン(100回以内)の経験も多い。
件の「ニューギンザ」では、先述の通り、2回権利終了後に出玉を交換する「1回交換」を
採っていたが(本機のシマに限って)、出玉をジェットカウンターに流した後、追加の
1000~2000円目に再び当りが来る嬉しい展開を、幾度も体験した。
換金率「2.2円」の為、4000発でも「9000円」程度だったが、低投資で数珠れば大きい。
但し、そんな(自力の)数珠連があった一方で、性質の悪いハマリにも捕まった。
当時は、回転数表示のデータランプなど無かったから、10回転毎に灰皿に玉を
1個入れて、回転数を自力で数えたりした。その灰皿が、玉で溢れ返るほどモリモリに
なる事もあった。あまりに溜まり過ぎると、灰皿の玉10個分で、ドル箱に1個放り込む…
みたいな数え方もした。まぁ、随分と原始的なやり方だった。
先行機ニューヨークも、「1/220」の割には波荒に感じたが、本機も「1/250」にしては、
メリハリのつく出方をしていた印象が強い。
当時の文献を見ると、「ニューヨークより波は穏やか」と説明する資料もあるのだが、
私自身は、全くそう思わない。ノーマルらしからぬ「激しさ」を、チョイチョイ見せたのだから…。
因みに、この店での本機のトータル収支は、そこそこプラスで終わったハズ。但し、勝ち金は、
スロのシマ(コチラは、正面入口から見て左奥4シマ。コンチIと小役落ちリノ)に、ガンガン
つぎ込んでいた。まぁ、それも、今となっては「ご愛嬌」という事で…。