・平成初期パチンコ漫画レビュー
~二人の「銀次郎」~
(C)あさだ圭、実業之日本社
「打止め銀次郎」パチプロ流れ者
(表紙背景には「フィーバーフラッシュI」(三共・デジパチ、1990年)が描かれている)
★作・画…あさだ圭(浅田圭)
★初出…「週刊漫画サンデー」平成2年(1990年)11月20日号(月イチ連載開始)
★あらすじ…弾 銀次郎(はじき ぎんじろう)は、愛車バイクRZで日本中のホールを回って稼ぐ、流れのパチプロ。彼の目標はパチ屋と女の「全国制覇」だ。ギャンブルと女に目がない銀次郎だが、義理と人情は人一倍厚い。行く先々のホールで様々な人々と出会い、彼らが抱える悩みや問題を得意のパチンコで解決する。
★第9話「競馬場で逢おう」…南国・高知に着いた銀次郎は、競馬で一稼ぎを目論むが、単勝で買った馬が惨敗してガックリ。タネ銭を減らした腹いせに、鞍上の騎手に「下手くそ、やめろ、死んじまえ!」と野次る。その日、銀次郎はハネモノ「ニューモンロー」を打ち、競馬での損を取り返すが、その帰り道、若い女性が公園で首を吊ろうとする場面に出くわす。聞けば、彼女は地方に転向した競馬騎手だが、100戦以上も走って未勝利と悩んでいた。今日も、お客さんから「やめろ、死んじまえ」」と言われ、自殺を考えたという。そう、銀次郎が野次った騎手は、彼女だったのだ。責任を感じた銀次郎は、彼女のネガティブな性格を変えようとパチンコに誘う。ジョッキーにピッタリの機種「ダービー」(京楽・デジパチ、1990年)を打った彼女は、生まれて初めてのフィーバーに喜ぶが、1回当てただけで即ヤメしようとする。それを見た銀次郎、彼女に「この台は、まだまだ出るから続行だ」とアドバイス、勝負に対する「積極性」の大切さを教える。結局、3回当てて全部飲まれてしまったが、彼女は「勝負事って、あきらめずに追求すれば、先があるのね」と、何かを掴んだ様子だった。そして、引退をかけて臨んだレース、今までと打って変わって積極的な騎乗を見せた彼女は、見事に初勝利を飾る。
(C)堂上まさ志、白夜書房
「銀玉命!銀次郎」
★作・画…堂上まさ志(「銀玉マサやん」)
★初出…「パチンカーワールド」平成4年(1992年)3月号(連載開始、現在「漫画パチンカー」に連載中)
★あらすじ…自称パチプロ、天下に名だたる風来坊、普段はセコイ。それでも一発逆転の豪快な花火を打ち上げる男、それが銀次郎だ。集まる仲間はパチンコ中毒のノムさん、先生、マムシの源三。心からパチンコを愛する読者に送る、これは史上最強のパチンコ人情ドラマである。(単行本1巻の裏表紙より)
★第7話「涙の使途不明金」…ある日、銀次郎は仲間のノムさん(パチプロ、ギャンブル好きで会社を潰し、奥さんに逃げられた)と先生(本業は売れない漫画家だが、パチンコで生計を立てる立派なプロ)に、「1週間で、いつもより20万円余計に稼いでくれ」と頼む。大金が要る理由を語らない銀次郎だが、ノムさんと先生は「きっと、銀ちゃんの身の上に一大事が起ったのだろう」と協力する。だが、安定して稼ぐ銀次郎とノムさんに対して、先生だけ調子が出ない。連チャン機「花鳥風月」(西陣・デジパチ、1992年)を連日追いかけるが、隣の台が爆発したり、自分のヤメた台がオカマを掘られたり…と良いところなし。落ち込んだ先生が、呑み屋で「一体20万も何に使うんですか?」と尋ねると、「女と温泉旅行に行く」とアッサリ答える銀次郎。何ともくだらない理由にガックリする先生だが、同業のよしみで協力を続ける。必死に勝ちを収めようと同じ台を攻め続けた先生、ついに最終日に大爆発させる。何とか3人で20万を稼ぎ終えると、銀次郎はその金を持って何処かに出かける。次の日、ノムさんと先生の前に、見知らぬ男性が現れる。男性は、「有難うございました。おかげで、女房も安心して出産の準備に掛かれます。」と、二人に礼を言って立ち去る。この男性、実は銀次郎の知り合いのパチプロで、子供を持つべきかどうかで迷っていた。普段から親身になって彼の相談に乗っていた銀次郎は、出産費用を工面する為に20万を作ろうとしたのだった…。
★本作は、後にジョニー大倉主演でVシネマ化もされた。
「銀玉命!銀次郎」(主演・ジョニー大倉、1993年6月25日発売)
続編…「銀玉命!銀次郎2」(1993年11月)、「銀玉命!銀次郎3」(1994年5月)
※近年でも「激アツ!パチンカー銀次郎」というVシネマが出ているようだが、最近のパチンコには興味がないので詳細不明。
まさにその通り。
ゲーセンパチ屋で往年の名機と戯れるのが一番です(笑)