1990年代ドラマとパチンコに関する考察は、今回で６度目となる。
「女パチプロ・演歌のすみれ」（1996年）
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/8a8e748abef0856205b28070aaf659a9
「ロングバケーション」（1996年）
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/f61dc73d779e5d3f89bdf62d2e498129
「愛という名のもとに」（1992年）
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/1c3ce059209a3cb830df50a5c23b940c
「グッドラック」（1996年）
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/4efdbe572ced6a46a4c0303100cbd603
1992年放映の某・深夜ドラマ
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/08c734ac9cfb01a53a4b6bfce95ed4ca
今回は、90年代の大人気ドラマ「GTO」（1998年）での、パチンコロケについて。
出演：反町隆史、松嶋菜々子、藤木直人、池内博之、窪塚洋介、中村愛美、白川由美、中尾彬、他
放映時期：1998年7月7日～9月22日（全12回）
平均視聴率：28.4％
主題歌：反町隆史「POISON～言いたい事も言えないこんな世の中は～」
藤沢とおる原作の人気漫画を映像化した、'98年の学園ドラマである。元・暴走族のリーダー鬼塚英吉（反町）は、武蔵野聖林学苑に非常勤講師として赴任する。そこで生徒や教師の起こす様々な問題に直面した鬼塚は、持ち前の一本気な性格で次々に破天荒な行動を取り、周囲を唖然とさせる。しかし、無茶苦茶に見える彼の行動は、結果的に問題を解決に導いていく。そんな鬼塚の通称は、「GTO」=「Great Teacher Onizuka」。
共演は、現在「家政婦のミタ」で高い評価を得ている松嶋菜々子。本作では、鬼塚に振り回されつつも、次第に彼に惹かれていく早大卒の美人英語教師・冬月あずさ役を熱演。ドラマ放映から3年後の2001年、反町と松嶋は入籍している。
「GTO」では、鬼塚、冬月ともに「大のパチンコ好き」という設定で、彼等がアフター５などにパチ屋に入り浸るシーンが、何度か出てくる。鬼塚のTシャツには、いつも「777」という数字が書かれていて、彼のパチンコ好きを象徴している。また、鬼塚のアパートには、パチスロ機も置いてある。一方、生真面目な性格で博打と無縁そうな冬月も、実は、夜になるとパチ屋のネオンが恋しくなる、生粋のパチンコファンだった。
具体的には、第1話「いち教師です」（98.7/7）及び第3話「問題教師です」（98.7/21）において、パチンコ店でのロケが行われている。
第１話では、帰宅途中の冬月が、パチ屋で「CRモンスターハウス」（竹屋・デジパチ）を打っている。そこへ携帯電話が鳴り、学年主任の中丸（近藤芳正）から連絡が入る。中丸から「鬼塚の教え子の水樹ナナコ（希良梨）が帰宅しないので、両親が心配している。すぐ彼女を探してくれ。」と言われる。電話を切った冬月が席に戻ると、自分の座っていた台は、既に強面の男に取られていた。やむなく、パチンコを途中で切り上げた冬月は、店を出た所でナナコとばったり出会う。パチ屋帰りの冬月に、「案外、先生も猫かぶっていたんだ。」と皮肉るナナコ。
第3話では、学校でムシャクシャした事があり、パチンコで憂さを晴らそうとする冬月。パチ屋の前まで来たが、店に入りたい気持ちをぐっとこらえて、そのまま立ち去る。一方、その店内では、鬼塚がのんびりと「モンキッキDX」（奥村・権利モノ）を打っており、見事に大当りする。ドル箱を積み上げて、「ラッキー、今日の晩飯、なんだろうな～」と、お気楽な鬼塚。
１，３両話でパチンコロケが行われたホールについては、実はドラマのクレジットに店名が全く出ていない。ロケ地を突き止めるのは、一見難しいようにも思えるが、映像を細かく観察すると、答えは自ずと出てくる。
まず、ホール名であるが、映像の端々に「オデヲン」という店名が出てくるので、特定は比較的簡単である。但し、当時「オデヲン」という名のホールは、全国にかなりの数が存在したので、どこのオデヲンかを特定するのは容易ではない。
（赤丸で囲んだ部分に、「オデヲン」の文字が見える。店が当時「レディースデー、毎週水曜日CR機全台無制限」のサービスを行っていた事が判る。右側ポスターには、斬新なリール絵柄のタイアップ機「コブラ２」（オリンピア）の新台入替の告知も。）
そこで、店特定の手掛かりとなるのが、第一話で出てくるワンシーンである。冬月がホールで「モンスターハウス」を打っている途中、携帯電話に出る為に外に出る場面がある。ここで、バックに映る建物の看板が、パチ屋を特定する大きなヒントになるのだ。
良く見ると、背後（右上方）に「ユザワヤ」の赤い看板が見える。ユザワヤといえば、手芸用品の専門店として有名なチェーンである。後は、1998年当時にユザワヤがあり、かつ「オデヲン」というパチ屋もあったエリアを特定すればOK。
ズバリ、この二つの条件を満たすエリアは、東京・武蔵野市の「吉祥寺駅前」だ。当時、吉祥寺駅・中央口付近では、「オデヲン」という大型のパチ屋が営業。新宿・歌舞伎町の・旧コマ劇場前にも「オデヲン」があったが、確か同じ系列だったハズ。
現在、オデヲンは閉店し、跡地では、吉祥寺・新宿共に大手チェーン「オリエンタルパサージュ」が営業※。
※追記…その後、新宿オリパサもクローズして、跡地は「マルハン歌舞伎町店」になった。
で、現在の吉祥寺オリパサの位置を確認すると…
左側のオレンジ色の看板が、現在の「オリエンタルパサージュ吉祥寺」である。その正面奥に「ユザワヤ」の看板があるのが判るだろうか。先ほど紹介したドラマ映像と、見事に符合する。
以上の検証作業から、ドラマ「GTO」のパチンコ店ロケが行われた場所は、吉祥寺駅中央口そばの、「パーラーオデヲン」（現・「オリエンタルパサージュ吉祥寺」）である事が判明した。
まぁ、知っていても一円の得にもならない情報だが、ドラマのコアなファンや、レトロなパチンコファンなど、判る人にさえ伝われば、それで満足である。