石川、G.ノーマンに捧げる貴重な勝利
この日のアジアンタッグは序盤から絶好調。
スタートホールでまずヤンが第3打をぴたりと寄せてバーディ発進で1アップとすると
続く2番パー3で石川がおよそ3メートルのバーディパットを沈めて2アップ。
4番では相手チームの2人がともにボギーとしてインターナショナルチームの3アップ。
するとすかさず6番で石川がバーディを奪い、序盤で早くも4アップとリードを広げた。
中盤、米国チームが反撃しペリーのバーディなどで一時2アップまで戻されたが、
14、15番でヤンが連続バーディを決め4アンド3で勝利を収めた。
チーム最年少の石川についてパートナーのヤンは「年齢は若いけれど、ゴルフは決して若くない。
良くゲームを分かっている」と敬意を表すると
石川も「とても難しいゲームだった。
けれど、Y・E・さんが勝負を急ぐなと言ってくれたお陰で助かった」とチームワークの妙に言及。
「絶対勝ちたかった。貴重な1ポイントだと思うのでキャプテンのノーマンに捧げたい」と
メンバーに選んでくれた恩人のための1勝であることを強調。
「まだ3ラウンドあるけれど、全力を尽くしてチームに貢献したい」と気を引き締めた。
石川&ヤンの頑張りに呼応するかのようにインターナショナルチームは踏ん張った。
第1マッチでフィル・ミケルソン&ジャスティン・レナードペアがレティーフ・グーセン(南ア)&
アダム・スコット(豪)組を3アンド2で下した他世界最強コンビのタイガー&スティーブ・ストリッカー組が
初日に続き快勝したがインターナショナルチームもビジェイ・シン(フィジー)&ティム・クラーク(南ア)組が
最終ホールでイーグルを奪って接戦を制するなど見せ場を作りこの日の対戦を3勝3敗の五分に持ち込んだ。
2日目を終えてポイントは6.5対5.5。
接戦のまま勝負は3日目に持ち越されるわけだが
【第3日】午前にフォアサム(5試合)、午後からフォアボール(5試合)
【最終日】マッチプレー形式のシングルス(12試合)勝ちは1点、引き分けは0.5点で負けは0点。
4日間のポイントを合計する。
ハイライト動画
2日目の画像
2日目遼君チームが勝って良かったです
今回は遼君も良くTVに登場してくれたから見応えがありました
フォアボールは分かりやすいから観戦しやすくみてたら遼君のリズム良く
身体が動いてるように感じたわ
最終日のシングルが一番みたいですね~
今晩は夜中の零時から開始です
それが翌日の10:00まであるんですから長い
こんなにゴルフしてるのかしら
今度は遼君に似合うウエアだといいけど最終日も皆お揃いのウエアかな
今日の紙面から
遼、ウッズにアウェーに完敗
石川遼が、世界ランク1位タイガー・ウッズ(33)に完敗した。
同10位ジェフ・オギルビー(37=オーストラリア)と組み
ウッズと同3位スティーブ・ストリッカー(42)の強豪ペアと対戦し
1ホールも奪えずに6アンド4で大敗。
1番ティーでは緊張でスタート順を間違え、慣れないフォアサム方式でリズムに乗れず
打つ直前に地元ファンが絶叫するなど「アウェーの洗礼」も浴びた。
ポイントは米国選抜が3・5-2・5で世界選抜をリードした。
鳴り響く地元ファンの「USAコール」に、石川は唇をかみしめた。
世界王者ウッズ組と対決した石川の世界選抜デビュー戦はわずか14ホールで終わった。
1ホールも取れず、6アンド4の大敗。
「流れがこちらにこないまま、終わってしまって悔しい」と完敗に声も沈んだ。
この日は、1つの球を交互に打つフォアサム。
「ショットを打つ数が少ないので、大事な場面でいいフィーリングが出てこなかった」。
ペースをつかみづらい上、最強の相手が目の前に立ちはだかった。
奇数ホールの第1打担当は石川で、米国はウッズだった。
7月全英以来の同組で成長を示したかったが、ドライバーがぶれた。
フェアウエーキープ率60%のウッズに対し、石川は40%
1番こそ同じ307ヤード地点に運んだが3番では45ヤードもオーバードライブされ飛距離の差も明らかだ。
日本では決して味わうことのない、圧倒的な力の差を感じざるを得なかった。
世界選抜で戦う重圧も想像以上だった。
「スタートティーの緊張はすごいものがあった」。
相手のウッズがオナーの1番ホールで、石川は名前をアナウンスされると、勘違いして先にティーに…。
ノーマン主将から「違うぞ」と呼び戻された。
打順を間違えるほどの緊張感だった
3番では、アウェーの洗礼も浴びた。
相棒のオギルビーが2メートルのパーパットを打つ前に係員の携帯電話が5度も鳴りそのたびに仕切り直し。
実際に打つ際には観客の男性が絶叫し結局ボギー
オギルビーは、マナーの悪い客にあきれたように首を振った。
ほかのホールでも、米国への声援が格段に大きく
「今までやってて、こんなアウェーの感じは初めて」と石川も驚くほどだった。
大敗にも、落ち込む暇などない。
2日目は2人の良い方のスコアを採用するフォアボール。
パートナーは全米プロを制したY・E・ヤンで、世界ランク6位ペリーと同14位オヘア組と対決する。
「何とかポイントを取って、最後にキャプテンに会えるように頑張りたい」。
気持ちを切り替え、攻めていくつもりだ。
ノーマン「これもゴルフ」
世界選抜の先輩が、初出場初戦で大敗した石川遼をかばった。
6度目出場でチームの顔でもあるエルスは「遼はいいゴルフをしたと思う。
世界の1位と3位が相手で、彼らがいいゴルフをしたんだ。
気落ちすることはない」と慰めた。
主将推薦で石川を選んだノーマンも「6番、8番で遼に言ったんだ。
『これもゴルフの一部。今日は気分悪いかもしれないけど、きっと将来の君のためになる』と。
遼は冷静に、いい仕事をしたと思うよ」と敗戦の責任は一切問わなかった。
遼君画像
プレジデンツ杯
佳境に入る「職場」を賭けたシード権争い
今回は賞金ランキングのお話をしたいと思います。
トーナメントプロゴルファーにとってはステータスの証である「シード選手」の基本となるのが賞金ランキングです。
日本のツアーの場合、上位70名までの選手に翌年度のシード権が与えられます。
2008年度でいうと、約1200万円がボーダーラインとなりました。
もちろん、その年の試合数だとか、賞金総額によって、このボーダーラインは変わってきます
(ちなみに2004年度は1500万円強でした)
賞金ランキングによるシード選手の数は、1973年にツアー制度が始まった時は30名
その後、83年には40名、87年には60名、そして2000年からは現行の70名になりました。
ちなみに米国ツアーでは125名、欧州ツアーでは118名となっております。
僅か1円の差でも、この70名に入れるかどうかで、翌年の出場権が決まってしまい
もし入れなかったら予選会(クオリファイングトーナメント=QT)に行かなくてはなりません。
昨年も70番目の選手と71番目の選手の差は僅か7万円でした。
出場義務試合数、満たさなければシードから除外
この賞金ランキングですが実はいろいろなルールがあり一般の方にはなかなか理解するのが難しいようです。
その大きな理由は、出場義務試合と海外トーナメントの賞金加算にあります。
まずは、出場義務試合数についてお話ししましょう。
選手には、その選手のカテゴリーによって、出場義務試合数が課せらています。
その試合数をこなさないと仮に賞金ランキング上位に入ってもシードから除外される仕組みになっているのです。
ちなみに一般シード選手の義務試合数は16試合ですが、シニアの選手は13試合
海外ツアーメンバーを持っている選手は3試合というようになっています。
予選会(QT)組の選手は出場できる試合が限られているため義務試合数は課せられておりません。
仮に70位までの中に、義務試合数を果たしていない選手がいた場合は、その選手は飛ばされて
その分71位以下の選手が順次繰り上がっていくルールになっています。
よくあるのは海外からの招待選手が優勝して、いきなり賞金上位にランキングされるケースです。
その選手は試合が終われば帰国しますから当然出場試合数を満たすことができません。
この結果71位以下の選手にシード権が回ってくるわけです。
昨年も、3名の選手が義務試合数に満たなかったため結局73位までの
選手がシード権を獲得する結果になりました。
海外試合での獲得賞金加算にも条件
次に海外トーナメントで獲得した賞金の加算についてです。
現在の賞金ランキングは、4つのメジャー(マスターズ・全米オープン・全英オープン・全米プロ)と
4つのWGC(世界選手権)の賞金を加算することになっています。
ただし、加算するためには条件があります。
それは「これらの海外トーナメントと日本のトーナメントを合計が
16試合にならなければ加算されない」というルールなのです。
仮にある選手が、マスターズと全米オープン、それにWGC1試合の合計3試合に出場したとします。
これら3試合の賞金を日本の賞金ランキングに加算するには日本の試合に13試合出ることが求められるのです。
ですから、メジャー4試合、WGC4試合の8試合全てに出場した場合には
日本の試合に8試合出れば賞金が加算されることになるのです。
このルールは、前に触れた出場義務試合数にも適用されます。
つまり「4大メジャーやWGCも含めて16試合に出場すればよい」ということです。
このルールが出来たのは98年からで日本の選手が海外の大きな大会に参加しやすくするために制定されました。
しかし、昨今は海外トーナメントと日本のトーナメントの賞金の差があまりにも大きくなったため
見直しが検討されています。
と言うのは、現在の日本のトーナメントの賞金平均が1億2000万円
一方メジャーやWGCは7億円~8億円になるため海外トーナメントで上位に入ると日本の試合で
コンスタントに上位入賞して獲得した賞金をすぐ追い抜いてしまうからです。
ちなみにアジアンツアーなどは、WGCの賞金は加算せずに4大メジャーの
賞金の50%だけ加算するという制度を取り入れています。
ツアーもこれから後半戦に入り、賞金王争いとともに、熾烈なシード権争いも注目です。
他の選手の成績に一喜一憂し、しびれながらプレーしなければならないギリギリのところにいる選手は
悲壮感すら漂い、観ている者にも独特の緊張感を与えます。
何たって「翌年の職場」確保がかかっているわけですから・・・。(JGTOから)