遼、刻んでラッキー2アンダー10位タイスタート
国内男子ツアーのメジャー第3戦「日本オープンゴルフ選手権競技」の初日。
11時31分に石川遼が1番ホールのティグラウンドに立ったときには、1番ホールをグリーンまで
一周ギャラリーが取り囲んでいた。
平日にも関わらず、初日のギャラリー数は7,843人を数えその大半が石川のプレーを見ようと殺到した。
1番に続いて2番もティショットをラフに入れた石川は、残り60ヤードの2打目に
続き花道からの20ヤードのアプローチもミス。
2mのパーパットを外しボギーが先行してしまった。
しかし、5番でラフからの2打目をピンの手前6mに載せバーディを奪うと
続く6番パー5もティショットを左ラフに入れたが、100ヤード残したフェアウェイからの3打目を
ピンの左3mにつけて連続バーディを奪った。
キャリング(スコア)ボードにアンダーパーを示す赤色の「1」という数字を掲げた石川だが
9番パー3で3パットのボギーを叩くと
10番パー5でも2オンに成功しながら3パットしてしまいスコアを伸ばせなかった。
前半は1回しかティショットでフェアウェイを捉えることが出来なかった石川。
「後半はショットのリズムが良くなりました」と本人も振り返るよう、バーディチャンスを何度も迎えた。
12番でこの日3つ目の3パットでボギーとしたが前後の11番、13番ではおよそ6mを沈めてバーディを奪う。
そして、石川にとってポイントとなったのは15番だった。
前日の会見でパー3以外の14ホール全てでドライバーを使用すると話していたが、
15番のティショットで手にしたのは3番アイアン。
安全にフェアウェイを狙うショットだったが予想よりも左に曲がりバンカーに捕まってしまった。
「思ったよりも左に曲がってラッキーでした。
ラフよりもバンカーの方が、スピンがかかりますので。
以前はなるべくドライバーショットで距離を稼ごうと思っていましたので、刻んで失敗したかなと
思うことがありましたが、今は自分の選択に自信を持って良いと思っています」。
石川はバンカーからの2打目をピンの手前4mにつけ、この日5つ目のバーディを奪った。
首位とは2打差の2アンダー10位タイにつけた石川は
「今日のゴルフは十分です。
日本オープンだからといって、難しいと思いすぎるとチャンスが遠のいてしまうので
難しいと考えすぎないようにします」と気持ちの面で負けないように考えを改める。
そして大会前に立てた目標スコアも5アンダーからそれ以上へと変更する。
賞金レースの2人は明暗
初日のスコア インタビュー動画
時差ぼけもあるだろうにしっかり上位につけてますね
プレースタイルが本当に変ったな~って思うわ
さ~2日目の明日は7:31インコースからのスタートです
TVがOAの頃にはホールアウトしてるんじゃないかな~
3パットなしでお願いしますね~
今日TVで会場を見てたら生のプレーが見たくなってしまった
見に行くには遠すぎる
今日の紙面から
遼、難グリーンに秘策ロングロブショット
ゴルファー日本一を決める日本オープン選手権は15日
埼玉・武蔵CC豊岡C(7083ヤード、パー72)で開幕する。
開幕前日の14日は練習ラウンドが行われた。
賞金王争いでトップに立つ石川遼(18=パナソニック)は、高速の砲台グリーンを警戒し
練習もしていないという「残り60~70ヤードからのロブショット」で初の日本一に挑む。
石川と約200万円差の賞金ランク2位で前週優勝の池田勇太(23)
2連覇を狙う同3位の片山晋呉(36)らも最終調整した。
国内最高峰の舞台での池田、片山との「3強対決」について聞かれた石川の言葉には自然と熱がこもった。
「追われているということをマイナスに考えたことはない。
プラスにしか考えていない。今週も頑張ろうと思わせてくれるのが賞金ランクです」。
池田は前週のキヤノンオープンで優勝、片山は連覇をにらみ若手の勢いを止めると意気込む。
その状況を楽しむように、堂々としていた。
「片山さん、池田さんにとっても油断ができない」と警戒するコースで
練習もしたことがないという“新技”を使う決断をした。
「サンドウエッジ(SW)を使う、残り60~70ヤードからのロブショット」。
本来のロブショットは20ヤード以内程度のグリーン周りから高く上げてグリーン上で
ピンポイントに止める球を指すが「距離が短いパー4も多くドライバーで打つとその距離が残る。
グリーンは砲台でこぼれやすい」と分析する石川は
60~70ヤードの距離でも「ロブショット」を使っていくという。
一昨年は中嶋常幸と同組で「粘り強さ」を学び、昨年は「全ホールドライバー」を貫いて2位に入り自信を得た。
「(コースは平たんで)狙ったところに打っていけば、アンラッキーやイレギュラーはない。
昨年よりも打っていくかいがある」と、今年もドライバーで攻めるつもりだが、その理由は
「短いホールでSWを使いたいから」。
日本一決定戦で、今年も新たな収穫を得ようとしている。
“新技”に挑戦しようという気概を支えるのは、培ってきた自信だ。
「昨年はいつの間にか上位にいて不思議だったが、それから日本オープン並みの
(マスターズ開催コースの)オーガスタなども経験してきた」。
先週のプレジデンツ杯では、世界6位のケニー・ペリーにシングルスで勝ち
「大きな経験になった」。
同じ大会でも1年間で見える“風景”は変わっていた。
「3強対決」も、難しいコースセッティングも、今の石川にとっては不安よりも期待が上回る。
「楽しみにしてきた。今年もテストされるつもりで挑んでいきたい」。
胸躍らせる姿に、初の日本一の予感が漂った。
立ちはだかる王者
プレジデンツ・カップから帰国した前夜、先週のキヤノンオープンのビデオを見た。
「池田さんが素晴らしいプレーされていて刺激になった」という。
賞金ランクで肉薄されるが「1位でいることがモチベーション」と逆に闘志がわき
強行日程にも「病は気からじゃないけど、時差ぼけじゃないと信じ込めば大丈夫」とポジティブだ。
昨年2位の日本オープン、目指すは初Vだ。
「もともと持っている強さがぼくとは違う」と評する池田に対しては、
得意のドライバーと豊かな発想で挑む。
横田真一「若手とベテランの戦いが見たいですね」
横田は今年もNHKのテレビ解説者として大会に参加。
この日は多くの選手のプレーを見たりコースを歩いてセッティングを確認したが、
特に石川のスイングを熱心にチェックした。
「いやー、遼くんはどんどん上手くなりますね。グリーン周りのアプローチなど、何年ゴルフをやっているの?って
ぐらい、ベテランでも苦戦するラフをいとも簡単に寄せていますからね」と目を細める。
コースの状態や試合展開に関しては「いいコースですよ、グリーンの硬さといい芝の状態といい
最高じゃないですか。まあ、遼くんと池田勇太が上位に入れば試合は盛り上がると思いますよ。
2人の一騎打ちをファンは望んでいるかと思いますが、そこにベテランが絡んでもらえると
さらに面白いですよね。
谷口徹なんてどうですか?彼なら若手2人に負けないアグレッシブなプレーを見せてくれると思います」と語る。
遼パパ週刊誌報道を完全否定
男子ゴルフの石川遼の父・勝美氏が15日、同日発売の一部週刊誌に掲載された、石川の進学先が決定との
記事について「一切ない。週刊誌側から僕のところにも、問い合わせがきていない」と話した。
記事は「石川遼クン特別ルールで明大入学決定!」の見出しで、スポーツ推薦枠での来春の明大進学を報じた。
勝美氏は「(進学)するかしないかも含めて、今シーズンが終わる12月に考えることになると思う。
今は(シーズンの)真っ最中だから」と説明した。
おばさんキラー・・・ゴルフジャーナリスト
プレジデンツカップ終了後、米PGAツアーのウエブサイト上で
「今大会の注目選手」投票というのをやっていた。
結果は1位がタイガー・ウッズ、そして2位が石川遼。
そりゃあまあ、タイガーは5戦全勝を誇った唯一の選手だったし、最終日の個人戦で
タイガーがY.E.ヤンを負かした瞬間、米国チームの優勝が決まったわけだしなんといっても
タイガーは世界のスターなわけだから1位がタイガーなのは当然の結果だ。
しかし、2位に石川が入ったのはすごい。
石川に対する注目度は本当にこの大会で劇的に高まったと私も思う。
欧米を中心とするメディアも誰もが石川情報の収集に余念がなかったし、「ホーム」である
アメリカのギャラリーたちが「アウエイ」の国際チームの一員である石川には
「Ryo!」を繰り返していたのが印象的だった。
国際チームの他の選手にはブーイングもしていたというのに、なぜ石川にはあれほど
大きく温かい声援が飛び続けたのか。
18歳という年齢であれだけ堂々とプレーできるということがその最大の要因であることは間違いないが
「He is so cute.」という声が何度も聞こえたことを考えると遼くん人気を
呼び起こしているものは、彼のあの雰囲気だ。
「あの子、キュートね」と言っていたのは、もちろん女性ギャラリー。
しかも、どうしてだか中年女性なのだ。
10代、20代の若い女の子より、30代以上、いや40代ぐらいの女性ギャラリーから
「かわいい」を連発されていた。
そういえば、カメラマンの平岡純も、こんなことを言っていた。
「アメリカ人の女性カメラマンと隣り合わせで撮っていたら、その女性カメラマンが
『He is fun to shoot.(撮影するのが楽しくなる子ね)』って、うっとり顔で言ってたんですよ」。
ちなみに、その女性カメラマンは40代ぐらい。
平岡いわく、「遼くんって日本でも中年のおばさんに人気があるんですよね?
でも、アメリカでもすでにおばさんの心をつかみ始めているって感じですよ」
おばさんキラー。
どうして、おばさんに受けるのだろう。
最近は結構「年下の男」流行りだけれど、おばさん側にも選ぶ権利があるわけで、年下の男なら
どんなのでもいいってわけじゃない。
ましてや、おばさんから見れば、遼くんは「あまりにも年下の男」なわけで
年上とか年下とかいうより、むしろ「息子」だ。
ああ、そうそう、最終日の個人マッチの対戦相手だったケニー・ペリーの妻サンディも
「自分の息子が自分の夫と対戦しているみたいな気分」なんて言っていた。
ひょっとしてサンディは、夫より、かわいい息子のような遼くんを応援していたりして?
だからペリーは負けたかって?いや、まさか、そりゃないだろうけど、そんなことが
あってもおかしくないなと思えるぐらい石川に対する注目や人気は本当に上がっている。
石川がかわいい1つの理由は、たぶん正直だからだと思う。
たとえば、アメリカのテレビ局からカメラとマイクを向けられ、そのインタビューに
果敢に自力の英語で答えたときも、そうだった。
「この大会の一番の思い出は何?」と聞かれた遼くん、
「うーん、やっぱりタイガーと対戦したこと」と英語で答えた。
その直後、日本メディアの囲みになり、「やっぱりタイガーと戦ったのが一番の思い出なんだ?」と
聞いてみたら、遼くんはハニカミながら「いや、あれは、ああ答えるのが英語で一番簡単だったから……」と告白。
この正直さは、私から見ても、確かに「か~わいい!」だった。
が、本人は、「まだ18歳」「かわいい」よりも、「強い選手」と言われたいのだ。
以前、彼はそう言っていた。
もちろん、すでに「18歳なのに、強い、うまい」とも言われ始めている。
残る課題は「タイガーより強い」「世界一、強い」と言われるだけの実績を上げること。
デビュー当時は夢物語だったことが、今では現実味を帯び始めている……
日本のスターは、本当に世界のスターへと歩み出したのだと思う。
こども店長画像
遼コラム ミケルソンのアプローチはスピンがギュルンギュルン