高倉健が男の哀愁を画面に薫らせる「駅STATION」を久しぶりに見た。
駅の改札で切符に鋏を入れるシーンがあり、その音がとても懐かしかった。
今でも鋏を使うところがあるのかもしれないが、スタンプに替わり、磁気式で無人化し、ICカードやスマートフォンが使えるようになり、ついには顔認証で改札を素通りして鉄道に乗ることができる時代に突入した。
旧作映画を見る楽しみのひとつは、自分が確かに経験したことの既視感を楽しむこともその一つだが、今では消え去ってしまった物事を思い出すことにもある。
懐かしみというものは、甘美であることが多い。
記憶に間違いなければ門司港駅の改札にBGMのように鋏の音が流れていたような気がする。
また訪ねたい場所なので、確認しておこう。