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エアチェックしたそのテープを何回も聞いたので、ドラマの主人公とも言える
タララタラララタタッター♪
のメロデイは、映画のはじまる前から脳裏を駆け巡った。
ジャズを聴き始めておおよそ三十余年、板橋文夫に刺激を受けて、彼から広がる自由な音世界
に、自分の人生の奥行まで拡がってきたように感じてきたこの三十年を経てからこの映画を久しぶりに見て、ジャズという音楽の自由さをあらためて感じることができた。
楽器は何を使ってもよい、国境もない、ただ、人と人が、楽器や、その辺にあるものや、自身の声や挙動で表現し通じ合える音楽の素晴らしさに思いを馳せる。
今、この文を書きながら、あることを思いついた。
「やまと歌は人の心を種としてよろづの言の葉とぞなれりける世の中にある人、
こと、わざしげきものなれば心に思ふことを見るもの聞くものにつけて言ひいだせるなり花に鳴くうぐひす水に住むかはづの声を聞けば生きとし生けるものいづれか歌をよまざりける・・・」
古今和歌集の仮名序である。
まさに、ジャズは、人の心の歌である。
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