私も含め、親戚一同大きな驚きの出来事だったが、彼なら立派な禅師になるだろうという思いで、たまに聞く消息に安堵と賛嘆の念を抱いていた。
先日、彼の父である叔父が亡くなり、葬儀に参列した。
知らなかったのだが、叔父も息子の導きで発心し、晩年息子を師として得度し、在家のまま僧籍に入っていた。
葬儀の最後に、喪主の挨拶として従兄がゆっくりと語った言葉が印象に残った。
人の死を、「息を引き取る」というが、自分の解釈として、故人のイノチや遺志を残されたものが引き取ることと解したい。
というものだった。
修行の道に入って三十年近くなる従兄は、風雪に耐えながらもみずみずしい青葉を日の光に輝かせるような、温和で、なおかつどこまでも厳しい威厳を備えていた。
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