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のほほん書斎(日高茂和)

波佐見の幸山陶苑跡地が登録有形文化財に!

この話を聞いたとき、また、あらためて記事を見て、嬉しさ、喜びがこみあげてきた。

ちょっと目が潤んだのも事実。

まもなく6年前のこととなるが、私はルート営業・企画職の第一線を離れ、廃業した旧福幸製陶所(幸山陶苑・通称ふっこーさん)の、時が止まってしまった、まさに廃墟と言うしかない、いくつかの建物の再生の仕事に就いた。

厳寒の1月から、梅がほころび桜が散る頃まで、塵芥土煙にまみれ、ありとあらゆるガラクタを撤去し、汚れた部分を清掃するのはたいへんでもあったが、一日の汗を風呂で流す時には、学生のころ土木のアルバイトをした時に経験した爽快感をおぼえるような日々だった。

なかでも、2月の寒空の下で、建物の補修に使える製陶用の皿板を400枚洗ったことは、懐かしく、記憶に鮮やかだ。

ヒトラーが演説したことを伝える記事が載った昭和十年代末ごろの新聞が出てきて興奮したことや、匁(もんめ)・貫といった、現代では使わない単位の秤が出てきて、歴史を身近に感じたりした。

短い期間だったが、さまざまな思い出は書きつくせない。

登り窯が実際にあったことを、作業をしながら出てきた遺構から知ったのも収穫だった。

また、絵付け・釉薬かけの作業場だったところが現在は雑貨のセレクトショップになっているが、店舗名の「花わくすい」が、店作りに力を貸してくれた、大阪の㈱アルツのHTさんに私が波佐見では釉薬のことをワクスイと呼ぶと話したところからつけてくれて今日があるのは感謝に堪えない。

この場所には、二年近く居て、現在は違う分野の仕事に従事しているが、あの、一般の業務では味わうことができない経験をした日々が私を強くし、一歩離れた場所から本社を見ることができたことが、私の視野を大きく広げてくれた。

思い出と思い入れの深い場所に、ますます人々が訪れるようになる機縁に感慨深いものがある。

以下の「 」は、本日の長崎新聞のHPからの抜粋転載です。

「登録有形文化財に福重家住宅など8件 文化審議会が答申

ペンキで塗られた外壁や連続するガラス窓が特徴の旧福幸製陶所事務所=波佐見町井石郷(県提供)
 国の文化審議会(西原鈴子会長)は9日、島原市城内2丁目の小早川家住宅や門など4件、東彼波佐見町井石郷の福重家住宅や旧福幸製陶所事務所など4件の計2カ所8件を、新たな登録有形文化財に登録するよう中川正春文部科学相に答申した。登録されると、本県の登録有形文化財(建造物)は43カ所95件目となる。

  福重家住宅は木造一部2階建てで、享保年間創業の波佐見焼窯元、福重家が1928年に建築。1階と2階の間の屋根「下屋」を四方に巡らせ、東側に開放的な座敷が並ぶ良質な造りの近代和風住宅で、昭和初期の町家の特徴を残す建物とされた。

 福重家が興した旧福幸製陶所の三つの建物も併せて答申。現在は西海陶器が所有。ペンキで塗装されガラス窓の連続する外観が特徴の同製陶所事務所は木造2階建てで、カフェとして活用されている。粘土置き場や陶磁器形成の作業場だった細工場と陶磁器の乾燥と絵付けが行われた絵書座は、若手芸術家の活動の場やギャラリーとして使われている。 」


■花わくすい(雑貨セレクトショップ)
■モンネルギムック(カフェ)
■モンネポルト(雑貨ショップ&アート・イベントスペース)
■南倉庫(エッセンス・オブ・ライフ直売ショップ&キッチンスタジオ&イベントスペース)
■福重家住宅

波佐見町井石郷2187

広い駐車場がございます。
お出かけくださいますように。
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