食べるためには捕らねばならぬ。
しかし、クジラを捕ることには国際的に侃々諤々の騒ぎである。
先週の報道によれば、南洋での日本の調査捕鯨に、某国は軍の艦船を出動させて監視にあたるという、気合の入った圧力を表明している。そのニュースを聞いてから、クジラについてちょっとばかり書いて見ようかと思った。
海洋資源保護のための、乱獲からの国際的な調整は尊重されなければならないが、情緒や思想や利害がからんでこの問題は複雑な様相を呈している。
かれこれ150年ほど前に、黒船でやってきて、日本に開港やら物資の補給を要求してきた国の目的は、食べるための鯨ではなく、油を絞るための鯨を捕るための補給基地を確保するのが狙いだったとか。
今では石油を使うので、立場を変えて、鯨を捕ることには目くじらを立てている。
捕鯨に反対している国の利害には、日本の動物性の食資源の自給率が上がるのを懸念してとか、観光資源のホエール・ウオッチングを保護するためとか、公海での行動への圧力とかいろいろとあるらしい。
ちなみに、私の故郷の五島はかつて捕鯨の基地が設けられており、鯨の解体施設が子供の頃まで残っていた。
現在の勤務地である波佐見からは、江戸時代に鯨大尽と呼ばれた、捕鯨で莫大な財を成し、大村に灌漑用水の大がかりな施設を建設し、公共のために寄付した深沢儀太夫が出ている。
会社の先輩から聞いた話だが、かれこれ四十年くらい前までは、鯨肉の行商人が波佐見を訪ねてきていて、
「クジラは持っとらすですか?」
という売り声で家々を回っていたらしい。
今でも、近隣の農水産物の直売所には「くじら」ののぼりが立っていて、冷凍や塩蔵の鯨肉が販売されている。しかし、かなり高価なので、拙宅ではめったに求めることはない。
ちなみに、目くじらを立てるという言葉だが、今度調べてみて初めて知ったが、鯨とはまったく関係の無い語源をもつ言葉だった。
「目くじり」=目じりの転訛だそうだ。長年の「なぜ?」が一つ解決。
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