欧米での万博出品を目的としたものをはじめ、おもに明治前半に製作された、有田焼の技術と意匠の極致といえる作品群が展示を見て思った。 これは、彼ら幕末から明治を生きた陶工たちが見つめた「坂の上の雲」だったのだと。 開国から維新をへて、世界の中の日本を意識せざるをえなくなった当時の人々を新政府の殖産興業政策が世界で勝負する日本の技術力を後押ししての製品づくりにかける、驚異的な意気込みが展示品から伝わってきた。 鑑賞をお勧めする展示会である。