久しぶりに銭湯のような公衆温泉に行ったら、脱衣室に「黙衣」、浴室に「黙湯」の掲示があった。
今時ずいぶん用心深い施設だなとも、日本人らしい一度始めたことをやめようとしない方が支配人でまだ剝がしていないのかとも思った。それよりも造語の妙と掲示に従い修行者のように黙々と脱衣行と入浴行に打ち込む求道的姿勢に日本文化の一面を見た。
コロナの行動規制があったころに、ホテルの食事会場に「黙食」の表示があったのも思い出した。
この先あの悪夢が再来したら、歩道に「黙歩」、エレベーターに「黙乗」、ビルの入り口に「黙入」等の掲示が現れるかもしれない。