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のほほん書斎(日高茂和)

近所にあった小店の話

長崎県五島列島の旧福江市時代の1960年代末ごろから1970年代初めのことを思い出したので書いておく。
場所は福江の通称西町と呼ばれていた観音寺の下あたりの私が生まれ育った家の近くの、まだ、道路拡張工事でなくなってしまった藩政時代の武家屋敷の石垣が残る一角に、Kという何でも売っている小さな店があった。(見出し写真の左端トラックの幌で隠れた木造平屋)
今思えば取り扱い品目の多い、現代のコンビニのようなその店は、チロルチョコをはじめとした駄菓子の数々、サイダーやファンタなどの清涼飲料や菓子パン類を買うのが楽しみだった。
また、切手やハガキ、のし紙、のし袋や香典袋、歯磨きなどの雑貨をお使いで買いに行かされたものだ。
食材も置いてあり、豆腐やこんにゃくは一斗缶に水を張った中で出番を待っており、長崎人が「てんぷら」と呼ぶ揚げかまぼこも冷蔵庫ではなく蠅帳のなかで出番を待っていた。
豆腐買いのお使いに、ボールをもって行かされたのを思い出す。店のおばさんが袖を捲り上げて一斗缶からすくい上げて売ってくれていた。
生鮮食品は冷蔵庫に入っているのが当たりまえのこの時代からすれば、傷ませることもなく取扱いができたものだと、なんとも不思議である。しかし、半世紀前の私が体験した事実である。
両親亡き後に実家を整理したときに出てきた写真からの思い出を書いてみた。
(上記の小店は左端セメント壁理髪店の手前の木造屋。右奥の藪のように見えるところはまだ武家屋敷の石垣があった。また、観音寺の前の通りには、いくらか現在でも石垣が残っているが、
今年2月に法要で行った時にはさらに撤去が進んでいた。)
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