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あらためて感じ入ったことは、後白河法皇や清盛を頂点とする平家一門の全盛時代の平安末期の上流の人々の天台法華、天台浄土を柱とした仏教に対する深い知識や理解と、それを咀嚼して文学に生み変える力についてである。
また、興奮したのは「口伝集」の部の記述のなかに、後白河法皇のサロンでの今様の会が描かれるなかに、平家物語をはじめ、能や歌舞伎の題材ともなり今日にも伝えれる平氏への反逆の咎で喜界が島に流され、俊寛を残して帰還を許された平康頼、抹殺されたと伝えられる藤原成親の様子が描かれており、確かにその時代を生き、悲劇の人として物語られ続けている人の息遣いを感じられことだった。
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