のほほん書斎(日高茂和)

くらわんか碗 (その2)

前回につづき、くらわんか碗の話です。

波佐見には、10箇所以上の江戸期の窯跡がありますが、ほとんど完全品や現代でいう二等品、それも程度のよくないものさえ残っていません。

残っているのは、割れたものや釉薬で隣で焼かれたものとくっついたりして変形した、まったく使い物にならないものばかりです。

このことは、使える限りのものは、残さず出荷されたと推測することができます。

それで写真のものはひずんでいたのでしょう。

もちろん、当時も等級によって価格差はあったのでしょうけど・・・

このことは、いかに当時磁器のうつわが貴重品であったかということも教えてくれます。


《江戸時代が始まるころまで、日本では磁器が生産されていなかったということ》

そして、

《波佐見では、有田と同時発生で磁器を生産するようになったこと》

また、

《波佐見では有田と違う進化を果たし、大量生産の道を歩んできた》

その結果、

《ほとんどの日本人が磁器を使って生活するという生活革命が起こり、今日に至っている》


は、とても重要で、こうしたものを扱う仕事をしていることを、とても誇りに思います。
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