私が育てているパッションフルーツはすでに立派な緑のカーテンとなっている。
昨年の冬が暖冬だったためであろう、外に冬を越すことが出来たのである。
そのお蔭で伸びるのが早かった。
緑のカーテンのレギュラーであるゴーヤはまだまだ二階までも達していないのである。
そして年に二度、花を咲かせると言うパッションフルーツはすでに大方の花を咲かせ実を付けているのである。
三年目にして初めて六月に咲くパッションフルーツの花と出会ったが、付き合い始めた相手のことを少しずつ知るのと同じように、私は学ばなければならなかった。
パッションフルーツは受粉させないと実がならないことは知っていた。
しかし、陽射しがしっかりと照っていないと、おしべ、めしべが綺麗に育っていなく、受粉すら出来なかった。
それにおしべがあったとしても花粉が開いていない場合もあったりもした。
雨の日には花粉が流れてしまうので受粉が出来ないが、雨の日には例え咲いたとしても、その花は寒さも関わるのだろう、綺麗には咲かないことが分かった。
どうにか受粉に成功し、小さな実を付け始めても、それが枯れてしまうこともあった。
たぶん、花自体がしっかりと育っていないとそうなるのかも知れないと思った。
今は綺麗な実が二十個ぐらいは付いているが、それは不遇を乗り越えて奇跡的に残ったもののようにも思えてくる。
植物を育ててみて分かる、植物は祝物であり、有り難いものである。
当たり前のことであるが、苦労をして初めて分かった。
それはまだきっと「分かったつもり」であるかも知れないが、私が普段何気なく口にするものをやはり有り難く頂くことにしようと思った。