夜勤明け。

　いろんな人たちがボランティアに来る。

　それぞれにそれなりの個人的な理由があると思う。

　それはマザーを敬愛していると言うことの繋がりがあるかもしれないが、その敬愛の姿、形も誰もが違う。またマザーの意志を常に感じ学び、与えようと志すものばかりではない。

　それはそれで仕方がないことのようにも思える。なぜなら、簡単なことでは決してなく、とても難しい問題を常に含んでいるからである。

　マザーが簡単なことを生涯通してしてきた訳ではない。

　マザーは身内のシスターたちにはとても厳しいところもあった。もちろん、それだけではない。

　常に何をしているかを意識させていたと思う。

　では、意識できないそれ以外のものたちにはどうだったのだろうか。

　それは一人ひとり、また一つひとり違っていただろうと思う。それは想像しても仕切れないものであったであろう。

　ただ自分は思う。

　あたたかいものを与えて欲しい。

　怒りや恐怖ではない。

　真心と深い思いやりを持って接して欲しいと願う。

　自分よりも一年早くから山谷に来ている和田さんはいつも謙虚であり、無理をしないように出来ることだけを丁寧にしている。

　今日も夜勤明けで炊き出しに来ていた。

　夕方には仕事に行かなくては行けないのに・・・。

　それは誰かに命令されたことでもなく、彼の本心がそのようにさせ、彼もそれがしたくて、ただ来ていることの純粋性が見て伺える。

　ほんとうに素敵な人だと思う。

　このような人に出会えたことはとても嬉しい。

　いつも自分は学ばさせてもらっている。

　有り難い。

　ほんとうに有り難い。