土曜日の朝、起きてすぐ、左足の裏を手でかく。ちょっとかゆくて。
「足の裏なんかかかないの」
「その手はどこに行くの?」
こわい、幼稚園のセンセイみたいで、反論できない。
郁子は真面目なスイッチが入ると、おっかないので退散する。
午後は一転、甘えてくる。歯医者に行こうとすると、
「ねえ、どこいくのよ」
「歯、いたくないんでしょ、お散歩しようよ」
「そんなの今度でいいから」
夕飯のあとは
「ね、郁子アイス食べたい」
次女も食べたいというと
「だめ、二人だけ。夫婦の会話なんだから」
3人で近所のサンクスまで出かける。
「夜にこうやって、コンビニに出かけるのがちょうどいい季節だね」
郁子が腕を組んできた。ひさしぶりだね。