はい、しげのですが?

匿名でないと困ることは書かない。最近は体調不良で投稿めっきり減ったが。

記録 福島訪問報告書 5月

2011年08月22日 12時37分31秒 | 原発と放射能
2011年5月15日~16日にかけて、茂野俊哉 中村和利 中野真弓 奈須りえで、原発事故に伴い、放射線の影響を受けている相馬市、南相馬市に行き、NPO法人コーヒータイムの理事長橋本由利子さんにご案内いただき、障害者施設を中心に現状の調査を行った。


5月15日 相馬市 NPO法人コーヒータイム 理事長 橋本由利子さん宅

橋本さん宅において、地域生活支援研修会のメンバー、橋本さん、小高赤坂の臨床心理士須藤康弘さんと、雲雀ヶ丘の看護師米倉一磨さんからお話をうかがった。(地域生活支援研究会は、5年前に立ち上げた福祉、医療関係者で作るネットワーク。)

NPO法人コーヒータイムは浪江町で精神障害者の就労支援、自立支援を行っていたが、地震翌日、とにかく逃げろと言われ、家族とともに各自が避難するが一時避難のつもりで避難したので何も持ち出せなかった。15名のメンバー、5名のスッタフは県内はもちろん東京・千葉・青森とばらばらとなる。浪江町には以後自由に戻ることができず、避難場所を転々とする日々である。

南相馬市は自主避難となり屋内待機となる。

1200人の自衛隊がローラーで、要望聞き取りなどを行った。しかし、障害者はリストが無く、ローラー対象になっていなかった。要援護者名簿は、自立支援や医療を受けている重度身体障害者や知的障害者など手帳を持っている人たちで精神のリストはないことが分かる。事業所につながっていないひとの支援が途切れることが無いようにしたい。対象は8000人。聞き取りした結果、宿題をたくさんもらってきた。

南相馬市は20キロ圏内の小高地区、20~30キロ圏の原町地区、30キロ圏外の鹿島地区の3つにわかれる。20~30キロ圏の原町地区は、8割、5万人が戻ってきているが、物流が止まっていて孤立している。支援者サイドも被災者であり、先が見えず疲弊してきている。・JDF(日本障害者フォーラム)の支援が入っているが、そろそろ時期的に厳しくなっている。県外からの応援は同じ人が長期間が良い。

多くの障害者は、在宅になっている。しかし、避難所などにいないと支援を受けられず、物資が来ない。

仮設住宅への入居はくじ引きで決まるため、それまでの人間関係を断ち切ることになり、寂しい思いをしている人が多い。相馬市では、25%が老人であり、1/4が年金生活者。南相馬市では、放射能の影響が有り作付出来ない状況。地域が置いていかれている。仕事を作る支援をして欲しい。

現在、常磐線が不通のため。障害者、高齢者、子どもの足の確保ができていない。利用者の移動サービスが不足している。20~30㌔圏内の病院が使えなくなり圏外に行かなくてはならない状況。大きな病院も医師が入れ替わり立ちかわりで精神の利用者は投薬の関係などもありつらい状況にある。車とドライバーは確保できるが、ガソリン、人件費が難しい。現地支援として、必要なことのひとつ。ガソリン代やドライバー、ガイドヘルパーの人件費支援があれば移動サービスを立ち上げて雇用を作ることもできる。

説明を受けた後、松川浦など、津波の被害をうけた地域一帯を見学した。

道路のがれき等の撤去はボランティアが行った。災害時緊急雇用により、現在がれきの撤去が始まっている。道路は、通れるようになっているが、その両側にある被害を受けた建物はほとんどそのまま。建物が残っている地域もあったが、海岸付近は、土台を残し、あとはがれきが一帯を埋めている。ところどころ、重機ががれき撤去作業を行っていたが、作業がいつ終わるのか想像もつかないほどの被害状況。松川浦湾内は、地盤沈下もあり、海水がたまった状態。そこには、津波に引きずられた建物がいくつか残されていたままだった。田んぼや畑だった場所に、船が運ばれている場所もあちこちに見られた。

5月16日 橋本さん宅にて佐藤定広(自立研修所えんどう豆所長)さんの話を聞く。

60人弱の利用者がいる。家をなくした人はいるが、死亡者けが人なし。

水素爆発後、翌日8時までにどこに行くかわからない状況のなか、避難するのかどうか決めてと言われ、バス45台で新潟、杉並へ避難。避難しない場合には、ガソリン10ℓ支給するので自分で避難先を決めなくてはならなかった。とどまる人は、水、電気、ガスなどのライフラインは残すので自己責任で。しかし、食料、ガソリンなどが無く、生きるために避難した。

橋本さん案内で相馬市、南相馬市の障害者通所施設訪問。

◎NPO法人ほっと悠 工藤慎吾さん

理事長と所長が避難してしまい、相談員の工藤さんと保護者のアルバイトの2名(?)で施設を回している。

日中活動がないと精神的に利用者、家族がもたず、集まる場所が必要なため開所。お茶のみできればと集まったが、集まるならと崎陽軒の箸袋つめ作業を行いながら、午前中のみ開所している。

緊急時避難準備区域なので行政は正式には許可を出していないなか、利用者から避難する時には自力もしくは迎えに来ることの同意書をとって運営している。

通常の半分以下の通所数で、保護者からの相談電話がたくさんある。

◎さぽーとセンター「ぴーなっつ」 郡信子さん

被災地障害者センター、JDFの南相馬市の拠点となっている。

共作連から3人の支援が入っている。現在、休みなしで開所している。職員は一旦離散した。

中規模グループホームからみて欲しいと言われ、40人の利用者を4人(介護職2人、事務1人、運転手1人)でみていた。物資は共作連が支援してくれた。

30キロ圏内での施設運営が出来なくなり、30キロ圏外に施設を確保したいが、建物が無い。30キロ圏外の需要が増え、賃料も上がるなど確保しにくい状況。公共施設、国、県の建物など借りられれば良いのだが、公平性をたてに貸してもらえない。

現在は自己責任で施設運営している。就労B、生活介護30%でやっている。

30キロ圏内は小学校があいていないため、職員が戻ってきていない。戻ってこない職員は仕方ないのだが、募集すれば人はくる状況。

助けてもらいながら、12,3人の入所者を受け入れ、週2回入浴も行っている。避難所からのSOSを受けている

緊急度の高い重いケースを受け入れているから、本来通所するメンバーが一部自宅待機になっている。

自宅待機が長くなっていて、日中行けるところが無く、本人の状態悪くなり、家族の負担も高く虐待も現れている。

30キロ圏内での事業許可が出ていないが、給付されることを前提に現在サービス提供を行っている。

車が無ければ移動できない状況。買い物支援、移動支援がほしい。

物資はあるが、必要なもの使えるものがこない。お金と買い物する人が必要。

個人には赤十字の見舞金40万円振り込まれるはずが、5万円。4月中に入金のはずの東電の仮払金も入っていない。緊急雇用調整金も30キロ圏内は除外だったため入ってきていない。

一方で、30キロ圏内は、会社が撤退していて、若い人は家も無く、仕事もなくお金がない。そのうえ、子どもが発達障害のひともいる。

休業補償、失業保険でたべている。

マスコミは、もともと人のいないところにもかかわらず、人がいないことを報道するため更にイメージダウン。正しい情報を伝えて欲しい。

一日一日生きるのが精いっぱい。残ったものが受け入れるのが役割と思って取り組んでいる。

3月半ばから今までの記憶が無い。手伝ってもらい、続けられている。

飯館村の避難は高齢者については動かさない判断。高齢者から農作業を取り上げれば痴呆が進みおむつになったり歩けなくなったり気持ちがなえたりする。動かせばなくなることもあるため。

◎NPO法人あさがお 森桂子さん(所長) 西みよ子さん(理事長)

旧屠場を活用した施設。お弁当美味しかった。

大豆の栽培から無農薬の製品 豆腐、味噌など→南相馬で販売し、年間2000万円の売り上げが有った。現在も避難所2か所に弁当を販売している。活動は普通にできているが、販売に不安がある。

これまで無農薬栽培していた大豆畑が仮設住宅建設場所になり、今後、大豆の確保ができない。

また、放射能の問題があり今後売れるのか不安。しかも、日持ちのしない豆腐などは販路も限られる。

製品が汚染されていないことを示すためには毎回24000円程度かかり難しい。しかも、加工食品の放射能測定はできないと言われている。

東京の交通会館で販売したが、出店料、設備、交通費などなどあり、今後の販路の確保も課題。

高齢者、障害者が優先入所している仮設住宅向けのデイサービスをやって欲しいとオファーあるが、一旦雇用すれば、長期的な責任も生じるため、一過性の事業に手を出すのは難しい。

おおたフェスタなどに出店し、長期的な販路確保の道をさぐれないか。

◎NPO法人 ひまわりの家 長瀬秀子さん

利用者で亡くなられた方はいないが、ご家族が亡くなられた方はいる。

30キロ圏外のため、これまで1日当たり45,6人だった利用者が90人程度になっている。他に居宅サービス提供者が何名かいる。

利用者が増えているためにこれまでの利用者は使いづらくなっている状況がある。

現在、通院介助はうけていない。行くたび、医師が変わるので思いを伝えられないでいる利用者もいる。また薬も違うため利用者は不安になっている。うつの人で「死にたい」といった対応が多くなっている。

これまで、年に2名くらいは入院してきたが、入院の出来る場所が無い。

相馬市ではタクシーより安い福祉有償移送が使える。

サービス提供者は、1施設1人くらい来られなくなっているため、現在、2人の職員の募集をかけている。

利用者は利用者のやりたいようにやってもらっている。現在賃金は平均¥8000くらい。昨年は¥9000一昨年は¥10000.

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