「アイ!」さとみが驚く。「どうしたのよう! さっきは麗子で、今度はアイなんて!」
「アイって?」建一がさとみに聞く。「昼休みに良く見かけるけど……」
「あのね、ちょっと説明しづらいんだけど、学年は一つ上で、わたしの舎弟なの」
「舎弟って…… さとみちゃんは不良の親分なのかい?」
「ちがう、ちがう! アイが勝手に舎弟になっちゃったの!」
「じゃ、さとみちゃんは不良じゃないんだね?」
「まさか、須藤君は、わたしって不良に見えてたの?」
「そうじゃないから、ちょっと驚いたんだ。でも、ぼくのさとみちゃんは、不良じゃないって確認できて、とっても嬉しいよ」
「いやだ! 『ぼくのさとみ』だなんて! わたし、恥ずかしい!」
赤くなってきゃあきゃあ叫んでいるさとみを無視し、みつは建一をじっと見た。
「アイ? どうしたの……?」さとみにはみつではなく、アイにしか見えていない。「麗子もそうだったけど、アイも何か変よ……」
「……建一殿……」みつにはさとみの声が聞こえていない。恥ずかしさと使命感とで、いっぱいいっぱいになっていたからだ。「見て頂きたいものがある……」
みつは建一を見つめた。しかし、決死さが表れてしまい、眼光の鋭いものとなった。元々不良っぽいアイの外見に、その迫力が加わり、建一は思わず一歩下がってしまった。
「……ご覧あれ……」
みつは、恥ずかしさで真っ赤になりながらも真剣な表情で、スカートの裾に手をかけた。
「ふう~」と大きく息を吐くと、手をゆっくりと上げはじめた。
若々しく張りのある白い太腿が露わになって行く。
「わあああ! ダメよ! ダメよ、アイ!」
さとみは叫ぶと、みつに駆け寄り、その手を抑える。さとみの力が思った以上に強い。……そうか、このからだは普通の娘なのだ。これが力の限界なのだろう。しかし、負けるわけには行かんのだ! みつは思った。
「お離し下され、さとみ殿! あと拳一つ分なのです!」
「何をわけのわかんないこと言ってんのよう! やめなさいよう!」
抑えるさとみの力と裾を持ち上げようとするみつの力とが拮抗している。どちらも歯をくいしばって、ふんふんと鼻息を荒くし、額に汗をにじませている。
「アイ! 姐さんの言うことが聞けないって言うの!」
「これだけは、せねばならんのです! 皆の存亡がかかっているのです!」
互いの手がぷるぷると震えている。
「きゃあ!」
さとみが悲鳴を上げ、尻もちをついた。さとみが力負けをしたのだ。勢い余ったみつの手が胸元まで上がった。
さとみの目の前に、青い薄手の下着が、丸出しになっている。
つづく
「アイって?」建一がさとみに聞く。「昼休みに良く見かけるけど……」
「あのね、ちょっと説明しづらいんだけど、学年は一つ上で、わたしの舎弟なの」
「舎弟って…… さとみちゃんは不良の親分なのかい?」
「ちがう、ちがう! アイが勝手に舎弟になっちゃったの!」
「じゃ、さとみちゃんは不良じゃないんだね?」
「まさか、須藤君は、わたしって不良に見えてたの?」
「そうじゃないから、ちょっと驚いたんだ。でも、ぼくのさとみちゃんは、不良じゃないって確認できて、とっても嬉しいよ」
「いやだ! 『ぼくのさとみ』だなんて! わたし、恥ずかしい!」
赤くなってきゃあきゃあ叫んでいるさとみを無視し、みつは建一をじっと見た。
「アイ? どうしたの……?」さとみにはみつではなく、アイにしか見えていない。「麗子もそうだったけど、アイも何か変よ……」
「……建一殿……」みつにはさとみの声が聞こえていない。恥ずかしさと使命感とで、いっぱいいっぱいになっていたからだ。「見て頂きたいものがある……」
みつは建一を見つめた。しかし、決死さが表れてしまい、眼光の鋭いものとなった。元々不良っぽいアイの外見に、その迫力が加わり、建一は思わず一歩下がってしまった。
「……ご覧あれ……」
みつは、恥ずかしさで真っ赤になりながらも真剣な表情で、スカートの裾に手をかけた。
「ふう~」と大きく息を吐くと、手をゆっくりと上げはじめた。
若々しく張りのある白い太腿が露わになって行く。
「わあああ! ダメよ! ダメよ、アイ!」
さとみは叫ぶと、みつに駆け寄り、その手を抑える。さとみの力が思った以上に強い。……そうか、このからだは普通の娘なのだ。これが力の限界なのだろう。しかし、負けるわけには行かんのだ! みつは思った。
「お離し下され、さとみ殿! あと拳一つ分なのです!」
「何をわけのわかんないこと言ってんのよう! やめなさいよう!」
抑えるさとみの力と裾を持ち上げようとするみつの力とが拮抗している。どちらも歯をくいしばって、ふんふんと鼻息を荒くし、額に汗をにじませている。
「アイ! 姐さんの言うことが聞けないって言うの!」
「これだけは、せねばならんのです! 皆の存亡がかかっているのです!」
互いの手がぷるぷると震えている。
「きゃあ!」
さとみが悲鳴を上げ、尻もちをついた。さとみが力負けをしたのだ。勢い余ったみつの手が胸元まで上がった。
さとみの目の前に、青い薄手の下着が、丸出しになっている。
つづく
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