久しぶりに、散歩の途中で採ったナズ菜を、一夜漬けにして
食べてみた。 採ったナズ菜は花が終わり、すでに青い種子を
つけトウが立ち始めていた。 でも上のほう三分の一ぐらいと
若葉を摘んで、漬けてみたが味は変わらない。
ナズ菜はペンペン草という名前でも呼ばれている。
種子が三味線のバチに似ているところからきたようだ。
子どもの頃、枯れたナズナの、種のついた細い茎の部分を
少し引いて垂らし、茎をクルクル回すと、シャラシャラと
乾いた音がして、子どもたちは面白がって遊んでいた。
ナズ菜は正月の七草がゆの材料の一つとして知られている。
どこにも生えて、今はまったく雑草扱いにされているが、
江戸時代には冬の野菜として、ナズ菜売りというのがいたそうだ。
当時の川柳にも、
「 ナズ菜売り、もとはタダだと値切られる 」
という句が残されている。
山歩きをしていた頃、山麓に向かっていると、群生している
ナズ菜を見つけることがあった。 採って刻み、薄く塩で揉ん
でビニール袋に入れ、ザックに放り込んでおく。
夕飯の頃には、ちょうどいい一夜漬の一品が出来上がる。
大根などと同じアブラナ科なので、クセがなく意外にうまい。
久しぶりに食べたナズ菜の味も、かわらない懐かしい味がした。
(2009、4・3 記)
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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