前回の続きということで。
今回はとんでもなく、
長い文章になってしまいました。
なのでテキトーに流し読みで、
お願い申し上げます。
m(_ _)m
本編前にチョイと補足説明を。
どうやら、
潮風太子世代からが、
いわゆる第2団塊世代の本格的、
ベビーブーマー群のようで、
この少し前の丙午の世代までが、
いわゆる反逆の世代という、
金八初期世代の校内暴力群にあたる。
よって潮風太子世代はちょうど
潮目の時期世代で、
象徴的な事象としては、
高校で進学校へ行く組
→上昇志向が強い非暴力派の
シラケ世代。
(前世代を子バカにしているのが特徴)
※この進化系がひろゆき氏やホリエモン。
高校で普通以下~バカ学校へ行く組
→旧型の先輩絶対主義信者群。
(縦社会式部活生活が長く
そういう思考しかできない組)
※敬語にこだわるのが特徴。
反逆の世代のほとんどはこのタイプ。
この2つのタイプが半々に、
なってきた世代。
こういう位置関係であることを、
まず念頭に、
おいていただいてから、
本題へ。
散々書いてきたものの、
一応、潮風太子は後者の方。
念のため加筆。
「ソロソロ上に上がらないか?」
と社の「偉い人」から言われた、
潮風太子。
とうとう肩叩き(退場)か?
いやいや栄転のチャンス?
はたまた悪魔の囁きか、
単なる冷やかしか?
互いに腹の探り合い(笑)
ただ即業務命令ではナイようで、
要するに打診。
前回にも書いたとおり、
落ちこぼれジジイ社員である、
私メにニワカ指導者につづき、
今度は管理職へのオファーとな?
もう今の好き勝手のびのびやれる、
現在のポジションで充分。
むしろ長年かけて、
ようやく得た既得権を、
そう簡単に手放す気などナイ!
これがホンネ。
どういう風の吹き回しかいな?
と思っていたら、
人伝に聞くところ、
こういうコトらしい。
以前書いた初弟子が、
その後、
すこぶる優秀で連日のように、
大変なお褒めをいただいていると。
次の弟子組も、
なかなかのデキとの評判らしく、
コレ師匠である私メが、
指導者として意外な才能を、
ここに来て開花させたようだ…
という勝手な評価かららしい。
正直に書く。
弟子が優秀だと評されるのは、
大変に嬉しいハナシながら、
あくまでも、
それは本人の実力。
あえて書くなら
潮風太子的には、
単なるビギナーズラック。
とでも書くか。
私メの力ではないことは、
謙遜でもなんでもない。
間違い、勘違い、
買い被りにもほどがある。
むしろ、
ありがた迷惑なハナシだ。
日本人、
特に潮風太子より上の世代は、
こういうエセ美談が好きだ。
優秀な選手の裏に、
名コーチあり的なヤツだが、
それは違うと、
ハッキリ言いたい。
断じてそんなことはナイ!
そういう馬鹿げた思考が、
この国をここまでダメにしてきた。
本気でそう考える。
今から20年ほど前か、
日本の多くの企業でISO取得が、
一大ブームとなったことがあった。

これより10年ほど前には、
QC活動というのが流行り、
これは社内での作業の改善と、
効率化が主なる目的のモノで、
だいたいどこの会社でも、
年に一回ほど「QC大会」なる、
発表会的な一大イベントが開催され、
優秀な発表をした職場には、
社長賞的な金一封が贈られるという、
いかにもバブル的なおめでたい、
行事があったもの。
しかし、このQC祭りも、
バブル景気崩壊後、
ほとんどの日本の企業という企業が、
皮肉なことにQCの真骨頂、
「改善」と「合理化」を、
人員を整理する方向へと活用し、
結果、社内の改善と効率化を
推し進めると大量のリストラ、
職場や工場、
営業所の統廃合などという、
皆が不幸になるというオチに。
まさに「あとの祭り」というヤツ。
それから約7,8年が経過して、
ようやくひと段落したころ、
再び思い出したように、
今度はISO取得騒動。
QCとの違いはISOは世界標準という、
単なる社内のローカル基準標準化から、
世界的レベルの批准という、
公的スキルの統一化。
ココが決定的に違う点で、
ISOについては以前書いたので、
ISOについての詳細は割愛するとして、
このISO騒動、
要は作業の文章化というのが、
メインのミッションとなるのだが、
QCでは単に箇条書きで淡々と、
作業工程を書くだけでOKだったが、
このISOにおいては、
こと細かく作業手順、
コツまで文章化しろ!
というのだから旧態依然としていた、
職人世界の「現場」では、
当然困惑という事態に。
この時代、
潮風太子はまだ若造なので、
「親方」(上司)から
連日怒鳴られながら、
仕事するのが当たり前の頃。
いや当時の
「バカ組」(別名負け組)
の若手は皆そう。
それも、
そのほとんどは理不尽な暴力ばかりで、
蹴りを食らったのも、
一度や二度じゃない。
それでも「すいません」と謝る。
今なら
超パワハラもいいところだろうが、
この時代はどこも似たようなもので、
直接暴力もさることながら、
言葉の暴力というのは日常茶飯事、
当たり前。
本当にイカレた時代だった。
そんな状況だったので、
当然のことながら離職者も
後を絶たずで、
せっかく入社したのに、
理不尽な「暴力」で退社に追い込まれ、
脱落していった仲間たちを、
何人も見てきた。
「代わりはいくらでもいる」と、
「能書き垂れるな身体で覚えろ」
が彼ら暴力装置の口癖。
ただ、もうその頃すでに、
先の少子化と超高齢化が、
深刻な問題になるであろうこと、
薄々、
皆気づいていたが、
一応に知らないフリを通していた。
といういう状況。
とはいえ、
このまま行けば確実に、
観念論的な技術の継承では、
ショートするのはミエミエ。
そこで「国際標準のマニュアル」、
とやらが技術の継承になると、
考えられるようになったのは、
ある意味必然的なことで、
来るべくして来た時代の変化。
そういうカンジだった。
「だいたいこんなカンジ」
「悔しかったら仕事を覚えろ!
仕事は見て盗め!」
連日、業種に関係なく、
こんなセリフが日本国中、
あちこちで聞かれたものだが、
最近はどうだろう?
ところがこのISO騒動。
このあと意外な世代交代劇を、
国内あちこちで、
生み出すこととなる。
「マニュアル至上主義」の台頭。
第2団塊世代あたりから始まった、
デジタル世代の台頭は、
クソジジイどもを黙らせるには、
完璧なマニュアルの作成が、
一番手っ取り早い方法だと、
同世代の輩どもたちが、
密かに気づき始めた時から、
始まる。
完全なる「マニュアル」の完成こそが、
己を守る「武器」となり、
「生命線」となり、
これからの最強の必須アイテムだと、
盲信していくことになる。
そう旧式世代の「彼ら」と、
対等に対峙できるのは、
「完璧な能書き」と結果が、
最も有効な攻撃方法。
そう考えるに至ったから。
会社側がISOを提唱し始めたのをみて、
多くの第2団塊世代以降の面々、
特に野心のある連中は、
これ世代交代の
絶好のチャンスとみて、
どこの業種、会社、職場であれ、
「マニュアルつくり」に、
精を出すようになったもの。
これが後に、
社会を動かす側と社畜になる側の、
明暗を分ける分水嶺となったか。
今にして思えば。
さらに追い打ちをかけるように、
「東京オリンピックをやろう!」
と言い出したあの、
石原慎太郎都知事が当時発した、
「ISOを取得していない企業は、
東京都の入札から外す」
発言以降、
急激にこれからはISO、ISO!
と学者やら、
経済評論家やら、
著名経営者たちが、
アホみたいに言い出すようになると、
これまたアッとあう間に、
都内中小企業はおろか、
日本国中がISOで、
盛り上がることとなり、
やがて会社側が本格的に、
ISO9001取得と言い出して、
現場に「レポート」を即提出するよう、
親方連中に業務命令を
出すようになると、
ワープロも使えない先輩連中は、
当然のことながら若手に丸投げ。
かくして潮風太子も、
ご多分に漏れず、
その「命令」を食らうことに。
ところが「当社」においては、
所詮バカ社員の潮風太子ほか、
同世代の面々は、
先輩の一語一句を書き留め、
文章化するなんぞ、
面倒くさいにもほどがある。
遊びたい盛り。
サービス残業の宿題なんぞ、
クソくらえとなり、
そこでイラストを多用し、
文章を簡潔にした、
「マニュアル」を
作ってみることにした。
普段は昼行燈の潮風太子が、
珍しく張り切って音頭をとって、
若手総出で作成してみると、
コレが意外や意外。
わかりやすいと皆に好評となり、
結果、現場会議で即採用となる。
が達成感もそこまでで、
いざISO取得というレベルで、
会社側に提出されると、
「これはバカが読むための
マニュアルだ」
と会社会議の席で幹部連中から、
一笑に付されたと、
会議から戻ってきた親方から、
全面やり直しを半ば怒りで、
命じられることに・・・
「はて?」どういうことかいな?と、
疑問に思っていたら、
このISO取得に関して、
どうもコーチ役として、
経営コンサルタントとやらが、
いっちょ嚙みしているとのこと。
すべて文章化しなければ、
OKが出せないらしい。
「はぁ?」と思ったのも束の間、
会社の上層部から直々に、
「潮風くんも
ISO取得グループに参加して」
とワケのわからん業務命令。
そこで以前にも書いた、
所詮、経営コンサルタントの
金儲けのための
一大イベントじゃねぇか!
のアノ件となる。
結局のところ、
怪しげな経営コンサルタントの、
指示の通り、
ポイントを押さえながらの、
長々した文書だらけの、
高額な「マニュアル」とやらが、
9001.14001と作られ、
「ウチにもありますISO」となった。
「ISOはじめました」である。
要は結果的として、
経営コンサルタントを通じて、
「金」で買ったということに。
が、そんなモノが、
倉庫の肥やしになるのに、
時間はかからなかった。
それでどうなったか?
ISOはチョイチョイ、
チェックが入るので、
その都度「ちゃんとやってます」。
と毎回同じものを提出するものの、
実際の現場では、
へたくそイラストの、
「バカでもわかるマニュアル」が、
重宝される結果に・・・
しかし、
それからその後は、
厳しい指導ができない。
褒めて伸ばす指導もできない。
そもそも仕事に対して意識が、
テキトーすぎる潮風太子は、
存在感の薄さも相まって、
長年、マイペースな
もぐら社員生活を送ることになる(笑)
いや、それは極めて幸運なことだった。
が、実は問題はそこから。
あれから20数年が経過した頃、
現在は違う職場の潮風太子に、
以前の職場の仲間から、
「最近は派遣が多くなって、
マニュアルの徹底が勘違いされている」
とのハナシ。
聞けば、
「あの頃は上の連中を
ギャフンと言わせるために、
俺らが作った革命的アイテムだったが、
今ではミスの言い訳の
物的証拠となる逆パワハラツールに、
変容しつつある」とのこと。
「これだけやればいいのでは?」
「JIS規格では実際には、
ここまでOKじゃないですか」と、
今や「マニュアル」は、
技術力アップのための、
スキルアップの手段というより、
限界点の基準設定の証拠に、
成り下がってしまったという
コトらしい。
これでは技術力アップ、
スキル向上など到底望めなくなる。
要するに、
なまじ公式マニュアルとやらを、
作成してしまった故に、
そこから脱却できなくなるという
事態に陥ってしまっている。
ということ。
これはどこの業界でも、
最近ある問題だそうな。
よって現在多くの「現場」で、
「♪今以上、それ以上~」
ってな思考には、
到底なりえない状況に、
なってきているというから、
なんとも皮肉なハナシだ。
これは
現在の潮風太子の職場でも、
そういう問題があって、
そこで指導法の問題ということに、
最近になって至ったのか?
逆転の発想とやらで、
私メのようなダメ社員に、
会社上層部の誰かは知らぬが、
ヤケクソな白羽の矢を立てた。
こういう構図となる。
思い当たるフシはある。
ここ10年ほどか、
潮風太子に
「聞きに来た」者に対して、
指導には今2つのパターンがあって、
一つは昔ながらの
怒鳴りながら指導する、
スパルタ式。
もう一つは最近のトレンドである、
褒めて育てるというヤツの2つ。
俺としてはスパルタ式には、
常に批判的な立場をとるけれども、
実際には、このやり方が、
一番手っ取り早くて確実で、
伸びしろも大きい・・・
けども、
ちゃんと育つ確率の低さと、
このやり方で覚えたヤツは、
ほぼ全員が人間的に、
間違った方向へいくヤツがほとんど。
だから、このやり方には、
否定的な立場を取ってる。
だから俺はやらないし、
そもそも出来ない(笑)
けれどもその逆、
褒めて育てる考え方には、
子育てならいざしらず、
いざ「プロを育てる」という、
指導法においては全面的に否定。
このやり方でキチンと育つ確率は、
今まで見てきた中では1%未満。
とにかく、
すぐできた気になるものの、
ちょっと壁にぶち当たると、
せっかくの有望株なのに、
「オレ向いてないんで」と、
あっさり辞めていく連中の多いこと。
その後、
そういう連中がどうなったか、
と一応、確認してみると、
これまた殆どのケースで、
その後も職を転々とするように
なってしまう傾向にある。
本人やその家族のことも考えると、
このやり方にも否定的に
ならざるを得ない。
やはり厳しさも必要。
ということになる。
だから俺はルールを覚えてくれ、
という教え方をしているんで・・・
人に迷惑をかけない。
皆が気分よく仕事ができるように、
するには、
どういう準備をしたらよいか・・・
ここにこだわる教え方をするんで。
というハナシから始めて、
答えてきた経緯がある。
普遍的絶対ルールと、
ローカルルールというのが、
どこの職場にも存在する。
なので潮風太子は、
まず「ルール」を先に教えて、
では、どうすればよいか?
を自分で考えさせる。
となると、
何がわからないかが早い段階で、
わかるので質問も実践的かつ、
具体的な内容になる、
当然、人間関係(悪口)含めて。
よって基本は教えない。
基本は入社直後に、
「初等教育専門職」にやってもらう。
その基本についての、
マニュアルを、
例の「へたくそイラスト形式」で、
作って渡し、
「これだけはマスターさせてから、
俺のところによこすなら、
面倒見るよ」というハナシで、
指導役を引き受けた
経緯だったこと、
ここを前回は書かなかったので、
補足説明として追加。
それが今回たまたま、
本人らの素質もあって、
ハマったということ。
なのに、
「潮風さん!これ使えますね!」
「指導者のマニュアルつくりましょう!」
と言ってきやがった。
だいたい指導する側が、
マニュアルに縛られてどうする?
一体何のためのキャリアよ?
マニュアルに頼るな!
どうも物事の本質を、
わかっていないヤツが、
最近多すぎて困る。
こんな状況では、
この国の未来は、
かなり暗いと思う・・・
とてつもない長文に、
お付き合いいただき、
誠にありがとうございました。
m(__)m
ではまた次回にて。
別のネタを・・・