わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

りLACMA

2012-01-30 | Museumsとイベント
 上息子は今、台湾、若息子は一昨日、北カリフォルニアへの旅行から帰ってきたばかり。昨日は一日中、寝転がってゲームしてたけど、今日は許さないよ!で、ロサンゼルス郡立美術館(Los Angeles County Museum of Art)に行きました。通称 LACMA(ラクマ)で、なんとなしリラックマに似てるだけあって、のほほ~んとした1日を過ごすにはぴったりの場所。私の目当ては、日本館で開催中の北斎の作品を集めた小規模の特別展、「Japanese Ptints: Hokusai in LACMA」です。LACMAの、次世代を担う子供たちにアートに馴染んでもらおうという趣旨の「NextGen」プログラムで、18歳以下は何時でも美術館への入場料が無料、子供一人につき付き添いの大人一人も無料になるので、息子と一緒だと私もタダで入場できるのだな。

 北斎展では、完成作品だけではなく、習作や摺物といった珍しいものも展示されていて、小規模ながらも興味深かった。日本館では、フルートの生演奏会をしていましたが、何故か不安を煽るような曲ばかりで、なんか心がザワザワしたけど、負けずに(?)、ゆっくり鑑賞して来ました。今の展示テーマは生き物なのか、花鳥図や動物の絵が中心でした。特に、円山応挙の雪の竹林の屏風絵には、モフモフの子犬たちがいっぱいで癒された~。応挙といえば、幽霊の絵が有名ですが、犬好きなのか、可愛い犬の絵も沢山残しています。応挙の掛け軸「5匹の子犬」も展示されていましたが、表情といい、毛並みといい、見れば見るほど可愛い。可愛い犬の絵といえば、「白象黒牛図」の、黒牛の前にちょこんと座った白犬の屏風もLACMAの特別展で見ましたが。個人所有なので写真撮影が禁止でしたが、有名な「カワイイ犬絵」らしく、ネットでも沢山が図が見つかります。東京で「江戸の猫」展を見ましたが、犬の絵や張り子等を集めた「江戸の犬」展も見たいな。LAでそんな展示あったら、日参する!

 日本館の吹き抜け構造を利用した演奏会の最中でした


 入口から右側にメインの展示があるので見逃しがちですが、左手側のインフォ・デスクを通り過ぎたところの狭い入口内、日本館の常設展である根付のコレクションも見逃せません。小さなカワイイものをぶら下げるのが好きなのは、日本人の遺伝子に組込まれている嗜好なのだって実感します。ケータイにはストラップ用の穴があって、中年男性がフツーにマスコットをぶら下げてるのって、日本くらいじゃないでしょうか?でも、日本人は根付、鞘飾りを見ても、昔々から色々ぶら下げてたのが伺われます。

 日本館でたっぷり時間を費やした後は、折角来たんだから本館も軽く見て回りました。目新しい作品は見当たらなかったけど、広々とし静かな空間には癒されるし、お気に入りの作品の前では「またお会いできましたね」って気になる。私は、沢山の人が書いてあるごちゃごちゃした絵の中の一人、一人の細部を眺めるのが好き。深刻な宗教画なのに、コイツ何やってんだー(笑)な人物が端っこの方にいるのを見つけたりすると幸せ一度発見したら、毎回、ソイツがやっぱり「何やってんだー」ポーズや表情をしてるのを確かめる。変わってたら怖いけど。そして、絵の中に見付けた犬や猫の写真を取って、コレクションしてるし、芸術への造詣の深さが水溜り程度の私でも、美術館はとても楽しい。

 外に出たら、ちょうどフリーの屋外ジャズ・コンサートが始まるところでした。暫く芝生に座って聴いていましたが、周りにはちゃんとピクニックを準備をしているグループも沢山。お洒落にセッティングしているグループもあって、お願いして写真撮らせてもらっちゃった。下に、その写真も含めて、今日とった写真を何枚かアップしておきます。もしよろしかったら、下にスクロールして見てくださいまし。




  
仔犬がいっぱいの円山応挙の屏風絵とその部分。これぞ眼福。しあわせ…

  
同じく応挙の子犬たちと、森狙仙の動物の掛け軸。実は牛の顔が可愛い。ここから大きい絵が見られるよ。

  
根付。日本人の可愛い物ぶら下げるの好きDNAをひしひし感じます

  
私の美術館鑑賞テーマは、相変わらず『犬』です。右はカルダーの間

  
はしゃぐ犬と冷ややかなバス停の神様(バステトさま)。しかも、うちの犬猫似…

  
屋外コンサートのピクニックも、こんなお洒落なセッティングだと一層楽しそう。右は息子のジャス鑑賞スタイル