そのままのタイトルのコンピューター・ゲームもありますが、犯罪小説や映画のジャンルにも、「LAノワール」という分野があると思います。フィルム・ノワール(虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画 を指した総称;狭義には、1940年代前半から1950年代後期にかけて、主にアメリカで製作された犯罪映画を指す…Wiki先生より)の系統を継ぐ映画が、「ブレード・ランナー」や「チャイナタウン」、もう少し最近だと「LAコンフィデンシャル」や「コラテラル」、「ドライブ」とLAを舞台にしている。その「LAコンフィデンシャル」原作者である、ジェイムズ・エルロイの「LA暗黒4部作」等、LAの闇を背景にした作品は枚挙に暇を尽きません。なぜ、LAばっかが悪の巣窟にされるのかというと、映画作ってる人がLA周辺に住んでるので自分の周りのアラは目に付き易いとか、アホほど青い空の下、道行く人は何も考えてないような顔してて、音に例えるなら「ぱっかーん!」って感じのやけに明るい街だからこそ、闇世界との対比が面白いからとか、色んな事情はあるのでしょうが、「NYノワール」や「マイアミ・ノワール」もありそうでないのは不思議。「タクシードライバー」は「NYノワール」にしてもいいかな?でも、この頃はなんだか、NYを舞台にした映画そのものが減ってるような?9・11以来、なんだか扱いにくい街になっちゃたのかな?
ともあれ、旅行でお財布が枯れすすきな上、天気予報は雨なので、今週末はどこにも出掛けず家にいようと決めた私、図書館に映画を借りに行きましたが、金曜夕方の図書館は、新しい映画DVDがあんまり残っていません。歯抜け状態の”NEW!"の棚を眺めて、これといって観たい映画はないけど、なんか観たいし…と、手にとったのが「ナイトクローラー」。うち帰ってから調べると、とても評価の高い一作(Rotten Tomatoesで95%、IMDBで7.9だと)でしたが、この時は他に興味のある映画ないし、LAから返ってきたばかりで里心がついているので、ロサンゼルスが舞台というだけで選んだ作品。
Nightcrawler(夜を這うもの)とは、警察の無線を傍受して事件を追っかけ、現場の映像を撮ってTV局に売りつけるパパラッチのこと。こそどろで日銭を稼いでいた失業者のルー・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)は、偶々、交通事故現場に遭遇し、その模様をゲリラ撮影しているパパラッチを見て、「これだ!」と、思いつく。これがまさに運命の出会い、天職だったのですね。どうも善悪に対する常識や、他人への感情が欠如しているらしきルーは、衝撃映像を追って、報酬を得ることが全てであり、同業者が事故って救急車で運ばれる場面も、自分のアシスタントが撃たれて死にゆく姿も冷徹に何の感情も挟まず録画して、放送局に売りつける。インターネットを駆使して情報を得、スマフォのGPSをもとに事故現場へと急ぐ。多くのサタイアが込められた映画だと思いますが、私は深く考えずスピード感あふれる夜のカーチェイスや、ジェイク・ギレンホールのキレっぷりを楽しみました。
ハリウッドには「カメレオン」と呼ばれる、役に合わせて痩せたり太ったり、髪の毛抜いちゃったりなんて極端な役作りをする俳優さんたちがいます。ロバート・デ・ニーロやクリスチャン・ベイルがその代表格でしょうか。「デ・ニーロ・アプローチ」なんて言葉もあるくらいだし。でも、彼らはあくまでもデ・ニーロであり、ペンであって、どんなに変身して、雰囲気までガラリと変わっても誰だか判らないってことはない。色は変わっても、カメレオンはあくまでもカメレオンなのだ。それは、色が変わったくらいじゃ覆い隠すことの出来ないスター性とか画面におけるカリスマの成せる技だからかも。この映画の主役を演じたジェイク・ギレンホール、次世代カメレオンの予感。と、言いますのも、「ブロークバック・マウンテン」の、あの子犬のようなカワイイ青年が、「プリンス・オブ・ペルシア」のかっこいい王子様が、もっと前の映画だと「遠い空の向こうに(October Sky)」(この映画、大好き!)のひたむきな少年が、すっかりイっちゃったサイコさんになりきっているのですから。しかも、次の映画ではボクサー役で、すっかりムキムキになっている模様。
特に好きな俳優さんじゃなかったんだけど、気になり始めたので、図書館で他の出演作も借りてみよっかと思っています。まずは「エンド・オブ・ウォッチ」かな。
7月17日
取り憑かれたように悲劇の現場を携帯で録画し、高い金額で売りつける男を主人公にしたこの映画は、私に強い印象を与えたのですが、時折しも実際にそのような事が起こりました。地元新聞紙のサイトに、男が死亡事故の被害者を助けずに録画、フィルムを売るつもりだったという記事が。この男は事故者のドアを開け、負傷した17歳の少年二人(後に二人とも死亡)を撮影してFacebookに載せ、そのフィルムを地元の地方局に売りつけようとしたのです。この男は、死にかけた少年達を助けようともせず、車が引火し、近所の人達が少年たちを助けようと車から引っ張りだしている間も、撮影し続けました。結果、勝手に車の後部座席ドアを開けた件で逮捕されることに。
映画でも、主人公が映りがいいように死体を動かしちゃったり(バレてないけど)、警察より先に事件現場に入っちゃたりしてましたが、警察に疑いの目は向けられたものの、犯罪とは見なされなかった。映画ならではの架空の設定だから?それとも、ロスの日常茶飯事は、他の地域の非常識??
ともあれ、旅行でお財布が枯れすすきな上、天気予報は雨なので、今週末はどこにも出掛けず家にいようと決めた私、図書館に映画を借りに行きましたが、金曜夕方の図書館は、新しい映画DVDがあんまり残っていません。歯抜け状態の”NEW!"の棚を眺めて、これといって観たい映画はないけど、なんか観たいし…と、手にとったのが「ナイトクローラー」。うち帰ってから調べると、とても評価の高い一作(Rotten Tomatoesで95%、IMDBで7.9だと)でしたが、この時は他に興味のある映画ないし、LAから返ってきたばかりで里心がついているので、ロサンゼルスが舞台というだけで選んだ作品。
Nightcrawler(夜を這うもの)とは、警察の無線を傍受して事件を追っかけ、現場の映像を撮ってTV局に売りつけるパパラッチのこと。こそどろで日銭を稼いでいた失業者のルー・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)は、偶々、交通事故現場に遭遇し、その模様をゲリラ撮影しているパパラッチを見て、「これだ!」と、思いつく。これがまさに運命の出会い、天職だったのですね。どうも善悪に対する常識や、他人への感情が欠如しているらしきルーは、衝撃映像を追って、報酬を得ることが全てであり、同業者が事故って救急車で運ばれる場面も、自分のアシスタントが撃たれて死にゆく姿も冷徹に何の感情も挟まず録画して、放送局に売りつける。インターネットを駆使して情報を得、スマフォのGPSをもとに事故現場へと急ぐ。多くのサタイアが込められた映画だと思いますが、私は深く考えずスピード感あふれる夜のカーチェイスや、ジェイク・ギレンホールのキレっぷりを楽しみました。
ハリウッドには「カメレオン」と呼ばれる、役に合わせて痩せたり太ったり、髪の毛抜いちゃったりなんて極端な役作りをする俳優さんたちがいます。ロバート・デ・ニーロやクリスチャン・ベイルがその代表格でしょうか。「デ・ニーロ・アプローチ」なんて言葉もあるくらいだし。でも、彼らはあくまでもデ・ニーロであり、ペンであって、どんなに変身して、雰囲気までガラリと変わっても誰だか判らないってことはない。色は変わっても、カメレオンはあくまでもカメレオンなのだ。それは、色が変わったくらいじゃ覆い隠すことの出来ないスター性とか画面におけるカリスマの成せる技だからかも。この映画の主役を演じたジェイク・ギレンホール、次世代カメレオンの予感。と、言いますのも、「ブロークバック・マウンテン」の、あの子犬のようなカワイイ青年が、「プリンス・オブ・ペルシア」のかっこいい王子様が、もっと前の映画だと「遠い空の向こうに(October Sky)」(この映画、大好き!)のひたむきな少年が、すっかりイっちゃったサイコさんになりきっているのですから。しかも、次の映画ではボクサー役で、すっかりムキムキになっている模様。
特に好きな俳優さんじゃなかったんだけど、気になり始めたので、図書館で他の出演作も借りてみよっかと思っています。まずは「エンド・オブ・ウォッチ」かな。
7月17日
取り憑かれたように悲劇の現場を携帯で録画し、高い金額で売りつける男を主人公にしたこの映画は、私に強い印象を与えたのですが、時折しも実際にそのような事が起こりました。地元新聞紙のサイトに、男が死亡事故の被害者を助けずに録画、フィルムを売るつもりだったという記事が。この男は事故者のドアを開け、負傷した17歳の少年二人(後に二人とも死亡)を撮影してFacebookに載せ、そのフィルムを地元の地方局に売りつけようとしたのです。この男は、死にかけた少年達を助けようともせず、車が引火し、近所の人達が少年たちを助けようと車から引っ張りだしている間も、撮影し続けました。結果、勝手に車の後部座席ドアを開けた件で逮捕されることに。
映画でも、主人公が映りがいいように死体を動かしちゃったり(バレてないけど)、警察より先に事件現場に入っちゃたりしてましたが、警察に疑いの目は向けられたものの、犯罪とは見なされなかった。映画ならではの架空の設定だから?それとも、ロスの日常茶飯事は、他の地域の非常識??
軽い気持ちで、おお、ジェイク・ギレンホールなら見てみるかって感じで見たのですが、すごい映画見ちゃったなぁ…と、なった映画でした。
とても面白かったです!
LA舞台の映画の掘り出し物でしたね♪
やっぱりクリスチャン・ベールが凄い!