わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

年末ご挨拶

2012-12-31 | 日記
 今年最後の日、新しいアパートを決め、息子のデートに付き合って(??)映画「レ・ミゼラブル」をまた見て、家は散らかったままだけど、とっとと諦め、日系スーパーでお節を買って、これから年越しそばを作るトコな、あと30分で年明けの今。ギリギリまで引き伸ばしたチキンレース政治ショーも、一応は決着を見て、財政の崖から皆でダイブは避けられたみたいだけど、後出しな詳細がボロボロでてきそうな雰囲気。思い返せば、善きにつれ悪きにつれ、なんだかガタついた一年だったように思います。オリンピックに大統領選、国会解散にマヤの終末騒ぎ、昨年の津波・大地震の後処理も未だ覚束ない状況で、ギリギリまで財政の崖で揉め、私はこの期に至って引越し決定。来年はもっと安定した、心安らかに過ごせるような年になって欲しい。


 あーあ…


 レミゼ二度目の感想:音は良かったけど、途中何度か寝た。やっぱり相性が良くないらしい。アン・ハザウェイって実は歌下手なんじゃ…、やっぱジャン・ヴァルジャンの声はもっと豊かで低いほうが好みだ、後半ジャン・バルジャンがベートーベンに見えて仕方がない、コゼットがたまに金切り声を張り上げてるだけに聞こえた、エポニーヌ、学生たち、ジャベールは良かった、さりげに国軍側の指揮官もいい声だった、余り目立たないけどグランテールが男前だし声もいい、ファンテーヌが歯を売るとき「奥だけにしとくんだよ」って言ってるんで前歯があったんか、ガブの子役の顔がたまに「チャイルド・プレイ」のチャッキー人形に似てて怖い。上息子はなぜか、女の音映画に行く度、妹やらお母さんが一緒に現れる。今回も、お姉さんと弟が一緒だったんで、こちらも数合わせ(?)で、私と若息子も一緒に行きました。


来年もどうかご愛顧願いますm(__)m



来年こそは、もう少し活動的になりたい

帆船バトル

2012-12-30 | 日記
 年の瀬も押し迫った日曜日、家の掃除も終わらないのに、今日は全米最大のロス・アンゼルス港を擁する町、サン・ペドロ沖での帆船の模擬戦闘を観に行きました。若息子とわにおがHawaiian Chieftain号に乗船して参加、寒いのが嫌な上息子と私は高みの見物です。モーターを使って港から沖合に向かい、同じくワシントン州に船籍を置くLady Washington号と、模擬海戦を行います。レディー・ワシントン号は、先日、若息子と私が見学に行ったと同じ船で(その時の記事)、「パイレーツ・オブ・カリビアン」でインターセプター号となった船。

沖へ向かうハワイアン・チーフテイン号


帆船なのにモーターで進んでいる…orz


最後尾に付く若息子。派手帽子のお陰で直ぐ判る


右はレディー・ワシントン号、左はハワイアン・チーフテイン号。見合って、見合って…


のこった、のこった!


カリフォルニア・グレイペリカンも見物中


ドックに着いたハワイアン・チーフテイン号の横を過ぎる日産のスーパー・キャリアー、Luna Spirit号


すっかり暗くなりました

 浜からは遠すぎて良く見えなかったんですが、実際には煙幕の出る空砲を使って迫力があり、とても楽しかったそうです。航海の途中で、クジラとも接近してしまい、ヒヤリとする一瞬もあったのだそう。戦闘そのものは一時間弱、沖合までのセーリングは1時間ほどで、約3時間の船の旅。もっと暖かい季節だったら、私も参加したかったんでけどねー。

 若息子たちの乗った船の直後に入ってきたのは、日産専用の巨大貨物船、ルナ・スピリット号。一度に3200台の自動車を運ぶことができます。実は私、以前にこの船、ルナ・スピリットと姉妹船アンドロメダ・スピリットの紹介をする日産のショートフィルムの翻訳をしたことがありまして、実物を目の前にして感動しました。実物は、普段から巨大な貨物船やクルーズ船の行き交うここ、ロス・アンゼルス港でも一際目立つ大きさ_独特のフォルムで、正に威風堂々という感じで入港してきましたよ!その勇姿には、日本の車売れてるな、ニッサン頑張ってる、そして個人的に因縁も感じて、なんだか胸熱でした。

わにこのわんこ天国

2012-12-29 | 日記
 昨日、今日と、今日本に帰国中のお友達の家に、わんこの世話に行っています。普段、世話をしている息子さんが出掛けねばならないので、ピンチヒッターでご飯やりに行ってるのです。初めて会った時はまだ小さくて、お腹ぽんぽこだったのに、もー、見る度に大きくなって顔立ちもしっかりしてきて、わにこオバサンは蕩けちゃいます。♂のグンちゃんと♀のアロちゃん、性格も個性もはっきりしてきました。グンちゃんは思慮深くて控えめ、アロちゃんは甘えん坊でお茶目。子犬の頃はさすが兄妹で、よく似ていたのに、今じゃ同腹とは思えないほど、顔立ちにもそれぞれの特徴が出てきました。不思議ですね。

上息子に甘えるアロちゃん


大人しいグンちゃん


行かないで~のアロちゃんに後ろ髪ひかれちゃうよ…(TT)




年末なのに何もしないで一日終わった気分…

デフォルトが来るぞー

2012-12-28 | 日記
 息子のワシントンDC土産、スミソニアン博物館のギフトショップで買った喋る首振りアインシュタインです。映画「ナイトミュージアム2」に団体で登場したのんと同じタイプ。何種類かのセリフを喋って、和む存在です。セリフの一つは「If the facts don't fit the theory, change the facts.(事実がセオリーに合致しなければ、事実を変えろ)」ってのがあって、事実の方を変えるの?マジ?と思って調べたら、これが本当にアインシュタインの言った通りと知って驚いた。うーむ、さすがはアインシュタインと言うべきか、アインシュタインだから言えるというか…

 で、早急に変えて欲しい「事実」は、16兆3940億ドルって米国債務の法定上限。とりあえずガイトナー財務長官が最後の仕事として特別緊急措置を取り、2,000億ドルを上積みし、議会は上限引き上げのための猶予を二ヶ月与えられました。根本的には、何の解決にもなならないけど、失業保険等の福祉の突然の打切り措置は避けられます。でも、更にヤバイことには、減税の失効と歳出の自動削減発動が一度にやってくる「財政の崖」が年度末に迫っていること。今の状況は、崖に向かう車のドライバーを見たら、リンジー・ローハンだった!?!ってな状況でしょうか。ぎやー!

 この崖から落っこちれば、巨大な損失を出し、米国経済は再び大幅に後退。アメリカ国内だけの問題じゃない。折角、ここんとこ円が売られて、日経も2005年以来の高水準に達した日本経済にもよろしくない!アメリカ不安で、米国債をどっぷり抱えた中国が不安、EUも不安、日本の新政府フィーバーは過ぎ、日銀は相変わらずの無能っぷりで何もしない、ドル危ねー、ってんで、また円買が進んで、日本の輸出ウハウハ計画が水の泡。

 ハワイでの休暇を早めに切り上げて帰ってきたオバマ大統領は今日、ホワイトハウスで上下両院の民主・共和党議員と会談を行いましたが、未だに双方の妥協案が合意に達せず、日曜の本議会で協議されることになりました。どうやら、昔の不良マンガにはお約束の、崖の目前でどっちが先にブレーキを踏むのかのチキンレースを、民主党と共和党がやってるようです。上院は民主党が過半数を占めるのでいいとして、問題は共和党が多数を占める下院。こいつらが、富裕層へのブッシュ特別減税更新を譲らないのが問題なのです。このまま合意に至らなければ、富裕層のみならず、貧乏人から中間層、金持ちと漏れ無く税率上昇の憂き目に合うことにもなる。ああ、共和党が憎い。ギギギ…



ベイナー下院議長の顔見る度、殴ってやりたくなる

クリスマスはKFCとケーキでしょ?

2012-12-27 | 時の話題
 今日はケンタッキー買ってきて食べた。クリスマスに食べようと思ってたけど休みだったし、昨日は映画観に出かけて、そのまんま外で食べちゃったから。日本人はクリスマスにケンタッキーのチキンを食べるなんて惨め~みたいな記事がネットに掲載されてたけど、超余計なお世話。それに、ユダヤ人はクリスマスには中華ですが何か?キリスト教徒がクリスマスに何を食べるかの一例としては、今晩帰ってきた息子たちがジジババ宅でのクリスマスの晩餐で頂いたメニューはハムだったそうです。ハムか七面鳥の丸焼きってのは、アメリカではクリスマスの定番メニュー。ケーキは伝統的なクリスマス・メニューじゃないけど、代わりにシュガークッキー、それにエッグノッグがクリスマスの定番かな。

 今日はなんだか気になるニュースが多かった。まずは、湾岸戦争で多国籍軍を率いたノーマン・シュワルツコフ元米中央軍司令官の訃報が伝えられました。78歳。一つの時代に区切りが付いたような気がします。ボスのジョージ・H・W・ブッシュ元大統領(親藪)も熱が下がらなくて、集中治療室に入院中。こちらも危ういか?

 そして、もう1つ米軍関連で、東日本大震災の後、三陸沖に派遣された米原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員8人+家族一人が、東京電力福島第1原発事故の影響で被曝したとして、東電に巨額の損害賠償を求める訴えを起こしたとのこと。そんなの、よく米軍が許したね、っていうか、派遣命令を出したのは米軍なんだから、郡を訴えればいいのに、って気もするけど、折角の米軍への感謝の気持が汚された感があります。参加した米兵は沢山いるから、被害を受けたのは8人だけじゃないはずだけど、この8人って一体どういう階級のどういう兵士たちなんだろう?これに味を占めて、同じような訴えを起こす米兵がどんどん出てきたら、ワヤですな。そして「原発事故によって被曝したことによる健康障害」って、もう証明できるの?それが本当なら日本の周辺住民や東電の従業員の皆さんにも適用できると思うんだけど。この裁判の行方、今後注目です。アメリカにお金をたかられたのは東電だけじゃなく、トヨタもすごい金額の制裁金を支払わされましたが、アメリカって、どうしてこうトヨタを目の敵にするのやら… いい金づるって舐められてるような気がしてなりません。

 で、ユタ州では、教員対象の銃の撃ち方教室が盛況だったんだって。教師の武装化を認める州法に手掛けだした州も出てきた。正に負のスパイラル、蟻地獄ですね。

 マリスト大学が、1246人の成人米国人を対象に行なった電話調査の結果、米国人が会話の中で最もいらつく言葉は、「whatever」(どうでもいい)が、堂々4年連続の一位だって。回答者にはきっと、ティーンエージャーの親が多かったんでしょうwww こっちが一生懸命何か言ってんのに、息子にワァ~ットエバーとやられた時のムカつきっぷりは、言葉に言い表せないものがある。

 ゴジラ松井、遂に引退。日本でもう一花咲かせることも出来たと思うのだけど、惜しいですね。今となっては、メジャーになんか行かなきゃ良かったのに、だけど、後悔は先に立たない。メジャーで大成する選手もいるけど、食いつぶされちゃったり、芽が出ない選手も多くて、本当に勿体無いことになってしまうケースも多い。人生の選択は難しい。私がアメリカに来た選択は、正しかったのかなぁ?今となっては答える術はないけど。



息子ら帰ってきた

スカイフォール

2012-12-26 | 映画・ドラマ・本
 今日もまた映画。どれだけ暇人なんだ?!って?だってさー、息子らは東海岸だし、クリスマス休暇に入っちゃって仕事はないし、海に行ってゴミ拾うには寒いし、ブックオフで買った本は読んじゃったし。昨日の不完全燃焼を晴らすべく、今日はアクション映画を見たくて、「スカイフォール」を選択。映画に関しては気の合う友人が、「がっかりした」なんて言ってたし、周りの評判も賛否両論で不安ではあったけど、自分の目で確かめてみようと思った次第。「アルゴ」と「ジャンゴ 繫がれざる者」にも惹かれたんだけど、今日はあんまり混んでなくて、分かり易いアクションものが見たかったのと、軍艦島を模したセットとやらが見たくて、007に落ち着きました。やっぱ!007は大画面で見ておかないと、後で絶対、後悔するし!


 正直、始まる前に「ジャンゴ 奪われざる者」の新しい予告見て、しまった!選択を間違えたかと思ったんだけど、映画が始まれば、オープニングのアクションで、もう「これや、これ!これが見たかったんよ!」と、大満足、我が選択に悔いはなし!とニンマリ。で、いきなり、ボンド撃たれて死ぬ。まぁ。びっくり… て、死ぬわきゃ無いのは分かってるけど、これで死なないとか、人間ちゃうやろ?とか思ったりして。

 ストーリーは、ちょっとセンチメンタル過ぎ、湿っぽすぎに加え、前二作の設定はどうした?で、やや、ポカーン(@_@)ではあるのですが、上海、マカオ、スコットランドの景色が素適なのと、軍艦島の光景に満足。軍艦島もどきのセットは、少し当て外れだった。もっと本物に近い感じをイメージしてたから、なんだ、この中国もどき~?ってなった。イスタンブールのグランドマーケットは、さすがに本当にあそこで撮影はしてないよね?「岩合光昭の世界ネコ歩き」を見て以来、死ぬまでに行ってみたい場所のトップ3に入ってるのですが。こないだ火事があったけど、猫達は無事だろうか…

 小ネタでは、古いアストンマーティンがかぶーん!されて怒るボンドとか、ゲームキーパーのキンケイド爺さんの「Welcome to Scotland!」とか、昔の007映画へのオマージュみたいなの(?)も良かったな。キンケイド爺さんは、ショーン・コネリーへのオマージュだよね、って思ったら、実際にコネリーに、この役をオファーする案もあったそうです。見たかった気もするけど、それやると、「インディアナ・ジョーンズ」のお父ちゃんみたいに、主役を食っちゃたかも?ボンドガールは、新マニーペニー嬢と、アイラインの濃いカジノに居たお姉ちゃんってことになるのかな?あのお姉ちゃん、なんかよく分からないけど、撃たれて死んでたの?「九」の刺青の意味はなんだったの?ただ。闇の組織に属してますって印を見せびらかしてるだけ?

 でも、今回のヒロインは、Mですよねぇ。今回は本当に、秘密情報部員、ジェームズ・ボンドの話と言うよりは、Mのお話。ボンドの子供の頃の家(ああ、勿体無い)とか、両親のお墓(ジェームズ・ボンドって本名かよ?お母さんの名前は、ご丁寧にMで始まって、で、フランス人か?)とか、なんかミステリアスなはずのシークレット・エージェントなのに、昔のトラウマとか言われても、何か求めてるものと違う… うーむ、うーむ、だった。悪役のシルヴァの、Mに対する気色悪い執着ぶりも、爽快感を削いだし、死んだ時も「あれ?死んだ?」なんて。ボンドが、ダニエル・クレイグになってから、昔の荒唐無稽で爽快な路線から外れてきた気もします。ひたすらダンディーで、女たらしで、あり得ない道具を使って派手なドンパチとカーチェイス満載で、最後は必ず美女と行方をくらますボンドと、死んだと思ったら、また後ろから襲い掛かってくるバケモノな悪役、ってのは、もう見れないのかな?

 新Mは、ヴォルデモート卿、もといレイフ・ファインズか。私、この人は実は黒幕だと、最後の最後まで信じてました。Mをかばって撃たれても、最後にMになって出てきても、まだ、「これからボンドの謎解き説明タイムで、こいつが黒幕だと暴く」とか思ってました。すみません。随分と若返った、新Qくん、良いねぇ、カワイイねぇ。黒髪細身のオタク青年… うひょひょひょ(落ち着け、おばはん!) この子、「パフューム」の主人公やった子やってんねぇ。あれも、ヘンテコな映画やったねぇ。

 これで、シリーズは、M、Q、マニーペニーが一新されたんだけど、ボンド役は、このまま続投なのか、また新しく変わるのかな?ダニエル・クレイグがハード路線だったから、新しく配役されるなら、次は、ロジャー・ムーアとか、ピアス・ブロスナン系の甘いスケコマシおやじがいいな。「スカイフォール」がヒットしたんで、次作も安泰になったかな?これからもずっと、新しいジェームズ・ボンド映画が観たいよ!



新しい「ダイ・ハード」の予告観た。楽しみ~!

レ・ミゼラブル

2012-12-25 | 映画・ドラマ・本
 朝、新聞を取ろうととを開けたら、ヒンドゥー教徒なお向かいのインド人奥さんが、「メリー・クリスマス!」と言ってくれたので、不特定多数教徒な私(時と場合と気分により、仏教徒だったり、神教だったり、無神論者だったり、クリスマスにはしゃいだり、ユダヤ教の食べ物好きだったり、etc...)も「メリー・クリスマス!」と返す、そんな朝。張り切って、近くの映画館まで行って参りました!普段は、ここの経営は大丈夫なのかと余計な心配をしてしまう、いつも空いてるシネコンに、今在かつて無かったほどの長い列ができておりました。言わずと知れた、本日公開の「レ・ミゼラブル」の観客の列です。私も、その列に参加。

 切符は売り切れで劇場内は満員。私は一人だったので、劇場中央で、前は子供(頭がじゃまにならない)な、良い席に滑りこむことが出来ました。予告を見て待つ間も、早く始まれ~!とムズムズ。そして、シンバルの音と共に映画の幕が開く!以下、激しくネタバレにつき、ご注意。しかも長い。


もっかい言います。以下、盛大にネタバレかつ辛口

 ずばり、ガッカリでした。良い映画だと思います。配役も皆、適役だったと思います。でも、自分が勝手に期待を大きくし過ぎた所為で、その過大な期待には応えてはくれなかったといいますか… 私は映画を見る時には、「せっかく、お金払って、ここまで足を運んだんだから」という、せせこましい理由もあって、劇場で観た映画は大抵、過大評価してしまう傾向があります。この映画も、払った料金に、劇場までのガソリン代を足しても十分に元が取れたと思うし、並んで観た甲斐はあったと思う。ただ、見る前の期待が大きすぎた。そして、私は劇場を選び損なったらしく、肝心の音響がイマイチだった。ご近所の皆様、ローリンング・ヒルズのAMCは、おススメできません

 そして画像、なんしか、あの異様にクリアな「ホビット」の後だけに、なーんか画面が荒く、曇ってるように感じちゃう。ホントはこっちのが普通なんだけどね。ジャン・ヴァルジャン役のヒュー・ジャックマンは、他の俳優さんが思い付かないほどに適役だとは思いますが、もっと低目で豊かな声質の方が良かったな。対して、ジャヴェール警部のラッセル・クロウ!朗々たる、という表現がぴったりな声で、私はいきなり冒頭から惚れました。元から素晴らしい役者さんだとは思ってたけど、このジャヴェール役は実にはまり役だと思う。蛇のようにしつこくヤな奴のジャヴェールが、ラッセル・クロウのテディー・ベア顔のせいで、自分の信じる正議に殉じる純粋さが出たと思う。しかし、あんなにも、いい声の持ち主だったとは!

 フォンテーヌのアン・ハザウェイも素晴らしかった。大好きな女優さんなのですが、その贔屓目無しに見ても、I Deamed A Dreamの場面は、えーい、感動しやがれこの野郎!と言われて、素直に「ううっ!はいっつ、感動しますっ!(鼻ツーン)」な場面でした。ここも含めて、顔のアップの多い映画だったけど、これは舞台にはマネの出来ない映画ならではの演出ですものね。でも、歯も売ったはずなのに、ちゃんと前歯があるのが気になって… 細かすぎる?そいから、死にかけの病人なのに、おっぱいがツヤツヤのぷるんぷるん。

 舞台なら、第二幕の開幕とともに響く「Upon These Stones(Building the Barricade)」、劇場中継のビデオや、アニバーサリー・コンサートのビデオでも足元からゾワゾワ来る感動の場面なのですが、映画では「ゾワゾワ」が感じられなかった。やっぱ音響に問題有りだったな。そして実は、後半はひたすら、マリウスをドツキ倒したいとイライラし続けていました。こいつと「オペラ座の怪人」のラウール、私的にミュージカル2大うっとおしい若造ども。エポニーヌに、コゼットの居場所まで連れて行ってもらう時、ふとした触れ合いに喜ぶエポニーヌに対する無神経な鈍感っぷり、仲間が真剣に革命を語り、覚悟を固めてるのに女にうつつを抜かし、バリケード内ですら容姿に一目惚れした女のことを考え、全ての仲間を失い自分だけが生き残った後、「革命遊びはもうやめた」とばかり、お金持ちの祖父の家に戻って、のーのーとして立派な豪邸で豪勢な結婚式。ああ、ブン殴ってやりたい。マリウスは、原作者、ヴィクトル・ユーゴーが自身を投影した登場人物らしいので、美味しい役割なのは仕方ないのか。



 そして、学生たちのリーダー、アンジョルラス。マリウスとアンジョルラスの二人が最初に登場する、台上で演説してる場面では、こっちがマリウスかと思っちゃった。元となったのは、革命の大天使・ルイ・アントワーヌ・ド・サン=ジュストらしいです。サン=ジュストといえば、私世代には、「ベルサイユのばら」でオスカル様に「すごい美人」と言われた、花のサン・ジュスト様のイメージが強いんで、もっと若くてピチピチな美形がいいよ~!と、自分勝手に失望する私。あと気になるのは、ガヴローシュ役の子が、コゼットの子供時代の子によく似てること。エポニーヌの弟じゃなくて、実はコゼットの弟なんじゃないの?って思えちゃうくらい。

 映画で一番の衝撃は、学生たちの築いたバリケードの小ささでした。え?こんなモン?って感じ。確かに、これが事実で、舞台の大きなバリケードのほうが虚偽なんだけど、現実をつきつけられると、学生たちの無力が、空回りな熱意が、虚しく、そして哀しくてなりません。自分たちは民衆のために命をかけてるつもりなんだけど、実は当の民衆達は冷めていて、所詮は若い理想主義者達の自己満足にすぎない。アンジョルラスと彼とともに蜂の巣になったグランテールはじめ、学生たちの死は、自分は自由に身を捧げたのだと、本人達にはさぞや満足の行くものであったのでしょうけど、顔のない側である政府軍の勇敢さにも心を打たれました。銃弾飛び交う中を前に進むというのは恐ろしい。戦闘の後のシーンには、学生たちだけではなく、多くの兵士たちの遺体もありました。自由の為、祖国のためと高揚した学生側に対し、制服側は何を思いながら前に進んだのでしょうか?彼らもまた、祖国のために?

 私は、舞台はブロードウェイで一度、ワシントンD.C.で一度観ただけなのですが、それでも二度も舞台見て、10周年と25周年コンサートのビデオ(毎度、お世話になってるKちゃんが送ってくれた。いつもありがとう)も何度も見て、ロンドンの舞台の中継も観たことあるのに、ジャン・ヴァルジャンとジャヴェールの地下水道での対決後から、フォンテーヌがヴァルジャンを迎えに現れるシーンまでの間が全く記憶欠落してるんです。だから、映画でジャヴェールが飛び降り自殺したり、結婚式があったり、死の床にあるジャン・ヴァルジャンの元にマリウスとコゼットが駆けつける場面では「あり??」でした。そういや、こんな場面もあったよなぁ、みたいな。多分、この辺、舞台では、涙、涙で、舞台見てるどころじゃないって修羅場になってたんではないかと。

 タオル持参で見に行った映画ですが、実際に使ったのは、ジャヴェールがガヴローシュの亡骸に勲章を付ける場面だけでした。そういや、ラッセル・クロウは、自分がアカデミー賞取った時に、おじいちゃんの勲章をお守りみたいに大事に付けてたね。テナルディエ夫婦のサーシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボエム・カーターも、はまってましたね~。舞台でも、大事なギャグ要員ではあるけど、やっぱ、この二人大っ嫌いで、出てくる度にムカツイた。ま、そういう役なんだけどさ…

 エピローグ、巨大なバリケード上で歌うABCの面々、そしてエポニーヌ、ジャン・ヴァルジャン。その晴ればれとした表情に、なぜか、生き残った二人がLosersに思えてしまったよ・・・



ヒュー・ジャックマンの次の役はベートーベンで…とか思った(観たら分かる)

おまけ:「ああ無情」は、みなもと太郎作のオモシロ漫画版がここから読めます。マリウスの背後関係やら、バルジャンがなんで市長にまでなったか、コゼットを引きとった後、二人はどう暮らしてたかも簡単に説明されてるよ。

Silent Eve

2012-12-24 | 日記
 心なしか、いつもより静かな夜です。皆、お家か、教会かな?息子たちは、父親と東海岸のじじばば宅なので、私は家で一人、犬猫ハーレム中。クリスマスは日本風にチキンとストロベリーのショートケーキにしたいと思ってたけど、ケンタッキーはクリスマスの日はお休みだって言うし(役に立たんやっちゃ)、日本のスーパー行ったら、サンタさんの乗った正しいクリスマスケーキ売ってたけど、一人でこれをまるごと食べるのは、中年として絶対許されない行いって気がする… ホールじゃなくて、寂しい独り身のために切って打ってくれたらいいのになぁ… って、一人でクリスマスケーキ食べてるのも、許されない?犬猫ハーレムだから、別に本人は寂しくはないんだけど、やっぱイメージ的にアレ?

 今日は、わざわざ車で小一時間は掛かるコスタ・メサのBook Offまで行って来ました。暇人だもーん。遠征した甲斐あって、たくさん本が買えて嬉しかった。過去のベストメニューのレシピが付いた2005年発売のオレンジページ20周年記念号、漫画は、竹宮恵子の「地球へ…」文庫版の1巻と2巻(3巻探さなきゃ~)、坂田靖子の「闇月王」と秋里和国の「それでも地球は回ってる」、それに文庫本を10冊ほどと、ananの本特集。これらは全部、1ドルコーナーから。年末セールで、通常価格の本は10%オフ中なんだけど、結局、1ドルコーナーにしか目が行かないというか、欲しい物が見つからなかったというか… 買い物カゴにいっぱい買っても、20ドル程度だもん、嬉しいよねぇ。私が学生の頃に、こんな古本屋が欲しかったよ…

 既にFaceBook上に載せたのと同じ写真ですが、手持ちで一番、今年のクリスマスを伝える一枚。

 これ、ご近所のお家の前なのです。力入ってるでしょ?

 

日本のアマゾンでも本買いたいです。押してください。

ホビット・思いがけない冒険

2012-12-22 | 映画・ドラマ・本
 遅ればせながら観て来ました~!週末だし、売り切れてたらどうしよう、なんて心配したのですが、実際にシアターに行ってみたら、席は3分の1も埋まってなかったですよ…orz お陰でちょうど真ん中、前から3分の2ほどの良い席で見られましたが、沢山の観客で盛り上がってるだろうなと思っていたので、やや拍子抜け。なんかもー、きっと二回目、三回目(?)なんだろうな、って感じのおたくっぽいグループが目立ちました。ま、2D版、HFR3D版、IMAX版と、3種類も同時にやってるんだから、そんなに混まないか?

ハイホー、ハイホー♪

 ちなみに私が観たのは、HFR3D版でした。HFRっていうのは、ハイ・フレーム・レイトの略で、通常なら毎秒24フレームで撮影・映写するところを、その倍の48フレームなので動きが滑らかでリアル、って、切符売の兄ちゃんが教えてくれた。メガネの上にメガネを掛けねばならないので、3Dはあんまり好きじゃないけど、これは3Dを張りこんで正解だったと思う。ちょっと奥行きの感じが、取ってつけたような感じの場面もあったし、ホビット庄やエルフの郷が、角度を変えると絵が変わったり、浮き上がった感じに見える絵があるじゃないですか?レンチキューラー印刷っていうんですか?あれみたいな感じだったけど、全体的には立体感のある映像でした。もっと、思わず「おおっ!」ってのけぞっちゃうような、目前に迫って来る場面も欲しかったけど。

 元々はそんなに長くもないお話を、3時間映画にして、しかも3部作ときたものだから、さぞや引き伸ばしてるんだろうなと思っていたのですが、なんの、なんの、私は3時間ずーっとワクワクしっぱなしでしたよ!冒頭の説明のシーンは、これは退屈かな?と、思ってたら「フロド、キター!」で、ワクワクしてるうちに本編に入ったし、後はひたすら、ずーっと画面を見つめて、わくわくしドキドキてました。ただし、このワクワクの続きが、来年にならないと公開されないのは、ちょっと悲しいものがありますが…

 ドワーフに対しては、ひたすらムサいという印象しかなかったので、ドワーフのおっさん13人+ホビットのおっさん+じじぃかよ、と、思っていたら、ちゃんとイケメン・ドワーフもいるし、ガラドリエル様は相変わらず美しい… 白いドレス、腰までゆるやかにカーブする黄金の髪は、正にエルフの女王様って感じで素適。でも、いくらガラドリエル様がお美しいからって、サルマンが熱弁振るってるのに、無視してガラドリエル様とテレパシー会話中のガンドルフ!そんなコトするから、サルマンは拗ねてダークサイドに落ちちゃうんだよ!と、少し同情したのでした。一番、偉い魔法使いなのに~ww

ドレスの裾まで完璧であられる

 指輪三部作の時から気になってたビルボのお家、じっくり見せてもらえて楽しかった。あんな可愛いお家に住みたいな。ドワーフの地中の王国エレボールも圧巻。ここにために、IMAXにしたら良かったかな、と、ちょっと後悔。でも、IMAXって、画面全体が見きれなくてキョロキョロしなくちゃなんないから、目が疲れるんだよな。ビルボのお家で、ドワーフ達が食べ散らかすハムやチーズも美味しそうだったなぁ。でも、今回の裂け谷は妙に作り物っぽいというか、まるで箱庭のようで、指輪物語の時のほど魅力的に感じませんでした。やっぱ詳細がないとね。

 それにしても、女っ気のない映画。原作がそうだから仕方ないんだけど、一瞬、ビルボが通りがかる背景のホビットのおばちゃんと、ガラドリエルサマ以外の女性がいないよ。また、アルウェンを無理矢理突っ込んでくれないかな。リブ・タイラーの顔って好き。そして今回は、全貌を見せてくれない悪い竜、スマウグ。早く全身が観たいな。で、喋るんだよね。それは楽しみ。ガンドルフさんは、指輪の時よりお茶目。でも無双!このお話は、指輪より60年前のことだそうなので、ゴラムは、60年も「いとしいしと」を探してたんだね。可哀想に…

 もう一回、劇場に見に行くってことはないだろうけど、どうせディレクターズ・カット版とか出るだろうから、そしたら観たいなと思うのでした。次は、クリスマスに公開の「レ・ミゼラブル」です。日本は今日からなんですよね。羨ましいな。私は、公開日に、タオル持って見に行くよ!



ハンカチやティシューなんて足りない!

バカが出た!

2012-12-21 | 時の話題
 先週金曜日に起きた、コネチカット州での小学校銃撃の悲劇を受け、自分たちも有意義な貢献をしたいと声明を出していた全米ライフル協会、今日、その具体案が発表されました。いわく、「銃を持った悪い奴に対抗できるもの、それは銃を持った良い人だ。よって、全米の学校に銃で武装した警備員を配置すべきである。」
 うわぁ!真性バカが出たー!!
 費用面で現実的とか、どうこうってレベルじゃないでしょ。もう、正気の沙汰とは思えない。年末お笑い大賞か、はたまた世界滅亡日記念スペシャルか?最初に、このニュース聴いた時は、たまたま信号停止中でペットボトルの「おーい、お茶」飲んでたんだけど、いきなり吹き出しちゃって車の中大変なったよ。私のお茶返せ。

 次は何?子供たち一人ひとりに小型銃を持たせるの?自分を、自分の大事な誰か護るために銃を持つ。それで多くの銃が街に出回り、誰もが安全ではいられない社会になっている。その矛盾には気付かないのでしょうか?アメリカには銃文化があるとかっていう言い訳も、建国230年にも満たないヒヨッコが、何を「文化」なんぞとえらそーに、と、鼻で笑ってしまう日本人である。だいたい、開拓の歴史っていうのも、武器で劣る先住民を銃で虐殺しながら奪い取っていった歴史のことでしょうが。ああ、いやだ、いやだ。

 「銃を持つ自由」を主張する人たちの意見を聞いていると、「銃があるから自由を保てる」みたいに、妙な風に解釈しているような気がしてならない。それとこれとは全く違うだろー!って言いたくなります。銃が人を殺すのではなく、人が人を殺すのだって言うけど、最初から銃がなきゃ大量無差別殺人… というか、コネチカットの小学校にしろ、コロンバイン高校、バージニア工科大学の件にしろ、超迷惑な無理やり道連れ心中なのだけど… そう簡単に短時間に無差別で人を殺めることはできないと思う。それに、銃という、簡単に効率良く人を殺傷できる道具が気安く手に入るからこそ、こういった迷惑行為もやる気になるのではないのか?

 コロンバインの二人組は時間をかけて計画を練ったようだけど、バージニア工科大学の場合は、カッとなって発作的にやったような感もある。ちょっとをウォルマートまで行って、殺戮兵器買ってきて、なんてお手軽さがなければ、そして今回のコネチカット州の犯人の場合だと、家に何丁もそんな兵器が揃ってなかったら、全く違うことになっていたのではないでしょうか?50歳過ぎたシングルマザーの幼稚園の先生のお家に、アサルトライフルが何丁もあるってのが、変な社会なんだよ❢
 

 そういや、今日はマヤの世界滅亡予告の日だったけど、今日のために買いだめとかした人は、さぞや失望していることでしょう。だからって、マヤさんに八つ当たりしちゃダメですよ。で、次の世界滅亡はいつ?