わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

ブレードランナー2049(ちょっとだけネタバレ?)

2017-10-08 | 映画・ドラマ・本

とても楽しみにしていた映画です。この世代では一番のご贔屓、ライアン・ゴスリング主演だし、「メッセージ」や、「複製された男」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作、それに何と言っても、30年ぶりのブレードランナー続編です。

 先行公開したLAの評判や、批評家の評価も高い。アメリカの映画評論サイトの大手、Rotten TomatoもIMDBの評価も高いし、LA Times等の新聞も褒めちぎってる。ハリウッドでは、公開までは期待の大作でバンバン広告されてても、開けてみたら散々な評判で大コケという映画も多いので、安心して観に行きました。結果、正直、微妙…

映像、演技、世界観を含む設定、そしてお話も、私的に文句の付けどころ無し。どのシーンのCGも凄かったけど、特にホログラムと物理的に存在している女性が一体化するシーンがすごいっ!って思った。それから、蘇ったレイチェルを、本物のショーン・ヤングが演じ、CGで補正されてるというのも驚き。完全にCGかと思ったよ。あの頃のショーン・ヤングの美しさは神がかってたと思う。

 「複製された男」で印象的だった黄色くざらついた画面が、放射線に侵されて荒廃したラスヴェガス… 砂に敗北したかつてのソドムにも、デッカードが潜むホテルにも使われていました。酸性雨が降り続くLAはもちろん、ゴミ溜めとなったサンディエゴも、レプリカント達が住むLA周辺も、くすんで濁っているのに、記憶を編む女性のいる隔離された世界だけが、クリアで光に満ちています。

 ライアン・ゴスリングの色々な感情を内に秘めた表情は、レプリカントにも人間同様、もしかしたら人間以上の感情があることを訴えかけているよう。ハリソン・フォードはここでも「味がある」という言葉がぴったりの存在感を示していました。

 そして、主人公Kのホログラムの恋人、ジョイ役のアナ・デ・アルマスがすっごくチャーミング。クルリとした丸い眼、ぽってりした唇が可愛くって、コケティッシュでセクシー。日本人にも受けそうな感じ。私はこういう可愛い女の子大好き~

 鑑定屋はちょっとしか出ないけど、どっかで見た顔だなと思ったら、「キャプテン・フィリップス」で海賊のボス役だったのバーカッド・アブディ。しっかりハリウッドに居付いちゃったのね。出番はほんの数分だけど、あの顔だし、雰囲気だし、オリジナルの屋台の親父みたいな強烈な印象。オリジナルの頃は、日本人は未だエクゾチックな存在だったけど、本作では、LA市警の公用語が日本語だし、日本がすっかり異国情緒やミステリアスさを失った今、時代はアフリカか?

 お話は既に、ネットで色々と語られているので省きますが、私はネタバレを見ずに行ったので、しっかりプロットに振り回されて楽しみました。そう、お話も設定も映像も役者も設定も何もかもがすんばらしい。にも関わらず、なぜ微妙かといいますと、長い! 2時間で十分ですよ…

 今どきのジェットコースター的な早いテンポでどんどんお話が進んでいく映画に毒されてしまったか、途中、早送りしたいと思ったシーンが何か所かありました。延々殴り合ってるデッカートとKとか、いつまでも新機種レプリカントの周りをぐるぐるしてる小石型探知機とか、早く次に進んでくんなかな…とか思っちゃいました。


 オリジナルを継承しつつ、屋台街は自動販売機に取って代わられた街の感じも、とっても良かった。日本語や韓国語の文字が溢れ、娼婦たちや、スクリーンの向こうでゴーゴーガールが踊るいかがわしい繁華街も、オリジナルを継承していました。立体ホログラムの浮かぶ街は、甲殻機動隊の実写版では、やり過ぎで失敗してたと思ったけど、この映画では未来の都市を表現する小道具として良いお味加減でした。


あやな…


ともあれ、私的には、犬が無事だったのが何より。これ凄い大事。あと、延々11分のエンドクレジットの後には何もありませんので、ご参考まで。