わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

狂気の沙汰

2018-02-21 | Museumsとイベント
 3月21日、一週間前にフロリダ州の高校で17人が死亡した銃乱射事件を受け、トランプがホワイトハウスに集まった、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒や職員、2012年に多数の児童が乱射事件で死亡したコネチカット州のサンディフック小学校の関係者など約40人に面会しました。このような事件が二度と起きないよう、大統領に措置を講じて欲しいと訴える遺族や関係者に対し、トランプは、教職員に銃で武装させるべきだという提案を「強力に」検討すると言いました。曰く、「銃器を上手に扱える教師がいれば、攻撃を即座に終わったはず」
はぁ?

 実は、今回の事件の現場には、銃を持った警備兵が配置されていました。でも、この警備兵は外にいて、銃撃の最中の建物内に入らなかった。そして、教師の銃携帯は、全米ライフル協会(NRA)が長年に渡って提案していること。NRAは2016年の大統領選挙時、トランプに3千万ドルを選挙資金として寄付しています。

 同日、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒たちは、フロリダの州都タラハッシーの州議会議事堂に集まって、アサルトライフル(自動小銃)の販売規制を求めました。集まった生徒たちは「子供たちを守れ!」、「Never Again!」とシュプレヒコールを繰り返しました。実は、前の日20日、フロリダ州議会は、アサルトライフルと大容量の弾倉禁止条例案が、下院で賛成36、反対71で否決されたばかり。自分の目と鼻の先で、こんな事件が起きたと言うのに、フロリダを代表する議員たちは、同様の悲劇を防ぐつもりすらない。

 銃を買える年齢を引き上げるといいますが、サンディ・フック小学校での銃乱射事件の犯人が使ったのは、母親の収集していたライフルでした。酒もタバコも買えない未成年が、大量殺戮兵器を買えるのはおかしいとアメリカ人も言いますが、アメリカ人以外からすれば、年令に関係なく一般人が機関銃なんかのアサルトウェポンを買えるのがおかしい。

 そして、本来、子供たちを護る場所であるべき学校で、子供たちが殺されないよう何をすべきかの答えが、教師に銃持たせる事という発想は、狂気の沙汰としか思えない。テキサスには実際に、教員が小銃で武装している学校区が有りますが、実際の所、大量の弾丸とマシンガンで襲撃されたら、ピストルでどれだけ対応できるのでしょうか?とにかく、とことんアホ。

 悲劇の翌日、ヘラヘラ笑いながら現地に赴いたかと思えば、ホワイトハウスを訪れた被害者たちを前に「教師が武装してたらよかった」などと言い切る、この国の大統領は、私には「良心」というものを持たない精神異常者としか思えません。そして、そんな男を支持する国民が未だに多いという事実。恐ろしすぎる…


「射撃手を鎮圧しました!」「節子、それ、犯人ちゃう。武装教員や」

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